今日は早起きし過ぎて、昨日の市場概況への朝のコメント欄がまたしても長くなりすぎましたので、稿を改めることにしました。以下、25日朝のコメントです。

ついにダウは、3月10日のベア・スターンズ危機の時の安値を下回りました。FOMCの声明待ちと言われておりますが、要は原油も高止まりしており上げる理由がないようです。では、利下げ打ち止めは確実として、どういう声明が出れば株式市場が持ち直すのでしょうか?

1)インフレ警戒からの将来の利上げを強調:

 これは、これまでの利下げにより、長短金利差を生み出し、青息吐息の金融機関を救済してきた、そのシナリオが崩れます。金融機関の経営は、住宅市況の持ち直しにかかっておりますが、まだ底が見えません。日本のバブルの経験からもまだまだ下落が続きます。

2)年内は利上げをしない雰囲気を強調:

 問題はECBが来月の初めに0.25%の利上げをしてしまうと、ドルが売られてしまうことです。すると原油高が復活します。ますます景気の実態が悪くなります。インフレも昂進。金融機関だけでなく、貸し渋りからの一般企業の倒産も増えます。

以上の2パターンしか、バーナンキの手持ちの駒がありません。では2)の場合に株式市場が持ち直すのでしょうか?利上げが遠のいたことは、それだけ実体経済の悪化が認識され、ドル安に落ち込みながらもその後の下落へと繋がることは、昨年8月以来の利下げで明らかなことですね。

そして、悪化が更に進むと、日本のバブル崩壊の時に日銀がゼロ金利まで持って行かざるを得なかったように、2%の政策金利を更に下げざるを得ません。むしろ、この可能性が高まっているのが今の現状かと思います。つまり、日本の株価が7600円近辺まで突き落とされたと同じことをNYダウも繰り返さざるを得ないという見通しです。

こう考えてみると、日本のバブル崩壊の時は、まだ幸いだったと言えます。金利をゼロにしてもインフレ懸念がなかったこと、世界はITバブルの崩壊など挟みながらも、空前の成長軌道に乗っていたこと、資源高の傾向はまだ出ておらず、人件費も含めたコスト切り下げ余地が大だったこと、等です。

このアメリカの苦境というのか、ジレンマを避ける唯一の方法は、大胆な公的資金の投入により住宅、証券市場の底入れを強引にさせることですが、しかしこの力技は、ブッシュが退陣寸前でやる気がないのを差し置いても、それこそ市場原理に反します。

ここで、原点に立ち返ってみて下さい。「住宅価格は世界のどの国でも、そこに住む人々が無理なく買える値段にまで収斂する」これですね。日本も結局は、このレベルまでの調整がありました。従って、住宅指数が下げ幅を広げているこの段階での公的資金の投入は、この意味では「麻薬」を超えて「劇薬」になる危険性を孕んでいるものと思います。