8月17日の例のショックの後遺症か、こんなにバカスカ上がると、つい懐疑心が頭をもたげてきます。そのうち梯子を外されるのではないだろうかと。

しかし、株式市場はいわゆるオーバーシュートがお家芸です。落ちる時も上がる時も行き過ぎがある訳です。もうここらで良いだろうと思っても、更にその下に地獄の8丁目まであったりします。

今回はFRBの0.5%の利下げのショック療法で見事蘇生した心停止患者が、何とそろりと歩けるようになったではないかと、病院の庭先に出るのは良いのですが、近くの公園どころか、彼岸花の名所まで遠出してしまい、そこでしばしの宴に酔いしれるところまで行き着いた様にどうもダブってしまいます。

利下げでは何一つ解決していないのは、皆さん承知していることでしょう。しかし、何はともあれ、一時は地獄の淵を見たのに、「蘇生」したのは事実です。その証拠に、世の中の光景は何も変わっていないではないかと、あの世から帰還したその嬉しさにますます酔いしれるその気持ちは分からなくはありません。

そのうち、あなたの心臓がまた何かの拍子に停止するかもしれないのに、喉元過ぎれば熱さを忘れるとやらで、元の元気な身体に戻ったと錯覚するのもやむを得ません。これも人間の業であり、市場の業でもあります。

日経平均はOSCを+2%の64%に伸ばしました。懸案の9月3日の高値を抜き去りました。つまり今日のところは一旦抵抗線として君臨していたラインを簡単に突破した、その弾みで上げております。いずれ、心臓ショック療法で蘇生したという、その暫定手段の底が割れることになるかと思います。心停止状態を引き起こし掛けたその根本原因は何ら除去されておりません。むしろ、これからじわじわと身体を蝕むことでしょう。

と言う訳で、あまりに意表をついての上げに、つい恨み節も出るというものです。これが8月16日に買いを大きく入れておらなければ、そして翌17日の大暴落の際にも狼狽して持株の損切りをしておらなければ、こんな愚痴は一切出ないでしょう。人間とは何と自分に都合良く出来ているものですね。(しかし、数年に1度のあの暴落で平然とできる神経は残念ながら筆者には養われておりませんでした。)

さて、持ち越しの道楽息子4822ハドソンは、今日のところは孝行息子でした。1299円に回復した段階で売りました。落ち目の株には手を出さないと決めておりましたので、程よく下がってきた3840イー・キャッシュにも手を出さず、原油がまた上昇しているのを見て、このところ押されていた5010日本精蝋を427円で仕込みました。この会社、蝋人形のような名前ですが、原油が上がると利益が上がるようです。パラフィンワックスを作る際の副産物として重油を販売できるからです。問題は重油が高く販売できないと利益に貢献しないことです。従って、原油相場が上がらないと利益に貢献しません。まあ、こんな蝋人形でも抱いて、少し場の様子を静かに見守ります。蝋人形館の館長にでもなったつもりで。しかし、この株で自分自身が蝋人形になってしまうことだけはご勘弁願いたいものです。そうなると心停止状態どころの話では済みません。