身代わりの愛 | ぼんちゃんの株と恋の日記

身代わりの愛

「私には妻も子供もいます!」


ひとりの男が悲痛な叫びを上げ

そこに泣き崩れました


ここはアウシュビッツ強制収容所


囚人がひとり脱走すると

その班に属する囚人10名が無差別に選ばれ

見せしめのために地下の「餓死室」に連れて行かれて

そこで水も食事も与えられず死んでいくのです


しかし無残にも男のその声は無視され

男は監視兵達に連行されようとしていました


そこにひとりの男が前に進み出て

静かにこう言いました


「自分は妻子あるこの人の身代わりになりたいのです」


驚いた所長はこう聞きました

「おまえは何者だ」


男は落ち着いた様子でこう答えました

「私はカトリックの司祭です。」と


前に進み出た男こそ

マキシミリアノ・コルベ神父


彼は妻子ある男の身代わりになって

他の9人と共に地下の餓死室に入れられました

普通ならば ・飢え・乾きで悲痛な叫びを上げているはずの残酷な餓死室が

そのときから聖堂に変わったと云います


コルベ神父は他の囚人達を励まし

囚人達のために祈りを唱え

囚人達の歌う賛美歌がその部屋から響き渡ったと言います


奇跡的に2週間コルベ神父は生き延びて

それから薬殺されました

注射をされる際も自ら進んでその腕を差し出したそうです


コルベ神父は1930年(昭和5年)から1935年(昭和10年)まで長崎に来て

布教活動や、出版活動をしました

そのときの仲間の「ゼノ修道士」の名前をご存知の方も多いかと思います


「ゼノ、死ぬ暇ない」と言う言葉は有名ですね


長崎の本河内町に「聖母の騎士修道院」があって

私も3回ほど訪れました。

本の著者の小崎登明(おざきとうめい)修道士からも

コルベ神父の生涯について説明を聞いたことがあります


皆さんも機会があれば是非訪れていただきたい所です


毎年2400円払うと「聖母の騎士」と言う小冊子を毎月送ってくれるので

もう何年も購読しています


他人のために自分の命を差し出す

決してできる事ではありませんが

実際この行為をした人がいたのですね

しかも「餓死」と言う無残な処刑の身代わりとなって


「友のために自分の命を捨てる事

これ以上に大きな愛はない」


こんな言葉が聖書にあります

宗教は人様々でしょうが

基本はどんな宗教も「隣人愛」なんですね


ちょっと宗教色が強く成りましたが

こんなお話が実際、アウジュビッツ強制収容所であったんだ

と言うことを知って頂きたくて記事にしました


ちなみに身代わりとなってコルベ神父に助けられた男性は

1993年92歳まで生き延びたそうです

(その後のことは調べましたが分かりませんでした)

 

 


 

マキシミリアノ・コルベ神父様

1894ポーランドに生まれ

1941年アウシュビッツでその生涯を閉じる

1941年8月14日に天に召されました

くしくも8月15日は聖母マリア様の被昇天の祝い日

これから4年後は終戦記念日でもあります

しかもお盆

8月15日とは何か特別な意味のある日ではないか

昔からそう思っていました

あまりに多くの偶然が重なっていますから


コルベ神父のことを思うとき

自分の器の小ささに悲しく成ります

もっと人を愛さねば!

もっと人の為に自分の出来る事をしなければ!

思いばかりが先走って

実際自分のことしか考えない小さな自分がいます

ちょっとでもコルベ神父の心を見習いたい

いつもそうは思っているのですが

まだまだ修行が足りません


最後まで読んでくださった皆さん

ありがとうございました!

 


   参考文献

      「身代わりの愛」 小崎登明 (おざきとうめい)

               聖母の騎士社出版

 

 

 

↑↑↑

これも野に咲く小さな雑草です

花の大きさは1センチもありません

きれいでしょう?