おいしいご飯が食べられますように | つましくても、ささやかな幸せ

つましくても、ささやかな幸せ

地位もお金も能力も無くても得られる、日々のささやかな幸せを記します。
内容は、映画・演劇・美術鑑賞&読書感想文&旅行記&趣味の手品&日々の出来事などです。

 

 しっかり者で仕事ができて弱音を吐かない押尾。弱さをさらけ出して皆が守りたくなるような存在の芦川。私はどちらかというと押尾のタイプだが、時には芦川のように「できないことはできない」と言ってヘルプを求めるのも上手な生き方かな?と思った。芦川は助けてもらったお礼に手作りのお菓子を皆にふるまうという心配りもできているのだ。結局両者が争った「意中の男性」二谷の心を捉えたのは、弱い芦川だった。
 この小説の随所に、芦川が作ったおいしそうな手料理の描写が散りばめてあり、改めて食の大切さを痛感した。料理の下手な私も、もっと料理の腕を上げなければと反省した。
 紆余曲折あり、勤めていた会社を退職することになってしまった押尾だが、次の職場では、あまり無理せず自分の長所を発揮してほしい。押尾にエールを送りたくなった。