決して大金持ちではないが、御厨家の人々はほのぼのと温かくて、幸せがみなぎっていた。幸せは決してお金だけでは買えないと思った。あまりの貧困は辛いが・・・。
たとえ夫の収入がさほど多くない専業主婦でも、節約と工夫次第でプチ贅沢はできる。長女真穂の生活からは、家族愛がみなぎる幸せオ-ラが漂っていた。
次女美穂の恋人翔平の、奨学金という名の借金をめぐる問題が生じた時の、両親や祖母の家族愛が感じられる解決法に、感動した。
73歳になっても、新たにパ-トの仕事を見つけた祖母琴子の挑戦に、拍手を送りたいし見習いたい。
専業主婦でも、夫の世話のために無理をし過ぎないと決めた母智子の決断に、共感した。
幸せとは何か?家族愛とは何か?ということを、改めて考えさせてくれる小説だった。