銀行の裁量次第で会社が倒産したり存続したりする。時には人の生死にも関わる。融資というものの恐ろしさを感じた。また、大企業のような巨大組織に属する人間は、個人の意志より上司の命令が優先される。そんなサラリ-マンの悲哀も痛感した。
「損得じゃない。これは魂の問題だ!」という蓮沼鶏二の言葉に感動した。出世を諦め組織より正義を貫き、私服を肥やす久遠会長の不正を暴こうとする果敢な勇気は、凄まじかった。
一癖も二癖もある銀行員の塔山、友部や新川社長も、正義を棄てていなかったことに救われた。
蓮沼と摩矢の関係は、ある意味不倫ではあったが、真の愛で結ばれていたと思う。蓮沼の離婚後に、2人は仲むつまじい夫婦になってほしい。