フランスのガラス工芸家エミ-ル・ガレの作品展。精細なガラス細工に、昆虫や鳥など自然の生物がふんだんに散りばめられていて、奇想天外な美に感動した。日本の焼き物を模した作品もあり、日本文化の影響も少なからず受けていた。どの作品にも、ガレの情熱的な魂が宿っていた。最晩年の作品「蜻蛉文脚付杯」は黄色の色合いが良く、蜻蛉の緑に光る目玉が印象的だった。「脚付杯ひなげし」のピンクの色合いと可憐な花も、愛らしかった。
会場となった庭園美術館は、旧皇族の朝香宮邸だ。アールデコ様式の粋を尽くした瀟洒な建物が、ガレの丹精込めた精密で芸術的な作品とよくマッチしていた。