自分がもし「余命1週間」と告げられたら、何をするだろう。死を目の前に控えた主人公の切ない気持ちと、猫や周囲の人々との触れ合いに感動した。普段はあまり意識しない人々やペットとの「絆」の大切さ・素晴らしさに気づかせてくれた小説だった。
大好きなペットである「キャベツ」の命と引き替えに、寿命を延ばすことは、とてもできないだろう。死を覚悟したときに、絶縁状態だった父の愛に気づき、父との絆を取り戻そうとした主人公の行動にエ-ルを送りたい。別れた恋人との会話も、ほんわりとした温かいものを感じた。猫の「キャベツ」のフ-カフ-カという感触も味わいがある。