真吾side


 調停の日

 真吾はまた、自分の考えをまとめ、たくさんの資料を用意して、準備万端な状態で当日を迎えた。


 調査官がまとめた報告書を元に調停が進んだが、真吾はこれまた、言いたいことは全部言う!漏れが無いよう、すべて伝える!気合が違う!

 SNSにあがっていた娘の写真…

 娘がぬいぐるみを持った写真と共に


 『ぱぴーに撮ってもらったよ』


 ぱぴー…?

 それは、ゆずるのことでしょうか? 
 
 痛すぎるぜ真顔

 もう1つは、ほぼ顔を隠すつもりのない、娘とゆずるのツーショットを出し


 真吾からは


 「これを見る限り、俺と娘の面会が実現するとは思えない。娘はどういうつもりでこの写真をアップしているのだろう?正直俺は目を疑った。」 

 調査官も返す言葉がない…
 

 この写真から、娘が調査官と面談をしたところで彼女の本音は聞けないだろうと思うし、希望も薄れたのは間違いない。

 途中、調停が一時中断し調査官と裁判官の評議に入ったとか。

 そんなこんなで調停自体は長めの3時間。

 結果、娘と調査官との面談が裁判所で行われることが確定した。


 今までの調停での話し合いをまとめた報告書をこの調査官が作成しているのだが、そこに書かれていた1文で私が印象に残っている部分がある。


 『父、母、お互いが攻撃的になっている』


 これ、どういう意味なのだろう?

 って、思ったけど

 振り返るとそのように思える節はいくらでもあった。

 不貞慰謝料裁判から今までずっと。

 これはあるあるな話だと思う。

 不倫により、裁判を起こした夫婦はサレた側もシタ側も自分は悪くないからと、自分の利益を主張し始めるとこのようになるんだろうなって

 今の私は思う。


 サレた側の本音としては


 悪いことしといて、自分の利益を主張するのは

 あつかましいよね?真顔

 って、思ってしまう…

 
 話を戻して…

 調停後のこと。

 調停終了3時間が経過したあたりで真吾にLINEが届いた。


 倫子から…



 

 『娘のことで直接話し合いませんか。』



 だとさ。




 この女




 やっぱヤバい真顔


 こちらからの連絡すべて無視しておいて



 何を思ったのか


 娘と調査官の面談が決まったら


 これ。



 最初から面会に対して、誠実に対応してれば


 こんなことにはなってないのよ。



 面の皮が分厚くて


 ひいたわ。


 これまた、どうせ



 攻撃的なことが


 始まりそうな予感…