私たちが車を買ったのには理由があった。
というか、私が車を買った理由。
ゆずるの祖母が亡くなり、お葬式があった。
場所は私たちが住んでるところから電車を乗り継いで2時間のところ。
喪服を着て、長男長女の手を引き、次男をベビーカーに乗せ向かった。
親戚の方、義両親と挨拶をして葬儀が始まった。
ゆずるの祖母はまだ1歳にもならない次男をよくかわいがってくれた。なぜなら、次男が産まれて保育園に申し込むも待機児童となってしまったため仕事に行ってる時は面倒をみてもらっていた。
たくさんお世話になった人だった。
感謝の気持ちや悲しみがこみ上げ泣いた。
式が終わり、今後の段取りや予定を話、親戚の方々に一通り挨拶を済ませ、さぁ帰ろうというとき
義理両親がなーんかソワソワしてる。
少し気になったが、特に何も聞かず葬儀場から歩き始めたとき
ゆずるの姉と姉の旦那、姉の子供が義理親の車に乗りこんだ。
私は特に何も思わなかった。
大きい荷物だけ持っていってもらおっかなー?
と声をかけようとした時
ゆずるが車に近づき
ゆずる母に
「子供だけでも乗せるとかいう考えないわけ?」
「うち、子供多くてベビーカー押してるのも知ってるよね?」
「よくそういうことできるよな?」
ゆずる母も一生懸命言い訳してたが、バチバチにやり合って、その場をあとにした。
帰りに私はゆずるに、
「そんな怒っても仕方がないでしょう?子供が多いのに車がない私たちがいけないと思う。そもそも人に頼ろうとするんじゃなくて、自分で車を持てばいい。」
そう言いながら、すぐ友達に車を探してると連絡した。
そんな経緯があり、私が車を買った。
私の貯金で免許を取ったあと、義祖母の四十九日に
鼻高々と運転して、現地に向かった。