一番最初に心配して声をかけてくれたママ友は、倫子と真吾さんと長い間家族ぐるみのお付き合いをしている、仲良しファミリーだ。
そのママの名は、りょうちゃん。倫子とゆずるの仲を疑っていたが、私が心配ないよと言うと、それからは見守ってくれていた。しかし離婚の言葉を使ったゆずるの、限りなく黒に近い嘘を聞いてからは状況を話して相談に乗ってくれた。
もともと私は真吾さんが苦手だった。倫子から聞かされていた話が主な原因だった。酒乱、アル中、女性問題などなど。
隠さずりょうちゃんに話した。するとりょうちゃんは、
「真吾さんのことそんなふうに思ってると、古川が損するよ?」
と言われた。最初はどういうことかわからなかった。
でも、信頼してるりょうちゃんの言葉だから心に留めた。
12月初旬、学校の役員になってる私はイベントの準備のため18時過ぎまで学校にいた。末娘と倫子娘も一緒に手伝いをしてくれていた。その中で倫子娘が明日ネズミがマスコットキャラクターの夢の国に行く話をしていた。
ん?明日はゆずる休みっぽいんだよな~。なーんか怪しいな。
と、変なセンサーが働いた。
外も暗くなったので、学校から倫子娘を家まで送ることに。
私はここでも仕掛けた。
私 「明日夢の国にいくのー?」
倫子娘 「うん、たぶん行くー。」
私 「誰と行くの~?ママと2人?」
倫子娘 「・・・ママと・・・たぶんお兄ちゃん?」
出た、また疑問形。とっさに嘘つく人ってそうなのよね。あと、うそが付けない人は疑問形になりがち
とゆうか、奴らは
子供に嘘つかせなきゃいけない状況作ったっていうことね。
サイテーーーー
そんな話をしながら、倫子宅へ到着するとタイミングよく真吾さんが出てきた。
私 「こんばんは、娘さんを送ってきました~」
真吾 「おぉ~、古川ちゃん!ありがとうね。」
私 「いいえ~、では」
真吾 「ちょっと待って!!うちの事聞いてる?」
私 「何をですか?」
真吾 「うち、離婚するわ」
私 「.........実はうちもなんですぅ~」
連日離婚だのなんだの話し合うが、宇宙人との話し合いは一方通行。疲れ果てていた私は真吾の言葉を聞いて、なんだかもうすべてが合致したというか、やっとこのモヤモヤから抜け出せるというか、色んな感情が沸き上がってきてほとんど話したことのない人の前で
大号泣
真吾 「ちょっと、こっちに来て話そうか。」
お庭に置いてある椅子に座らせてもらった。子供たちは家の中へあがらせてもらい、真吾と話をする。
真吾 「やっぱりそうか。」
私 「なにがですか?」
真吾 「気づいてないの?」
私 「だから、なにがですか?」
真吾 「お宅の旦那と、うちのデキてるだろ。」
私 「」
知らなかったわけではない。確信が持てなかっただけ。真吾は夏から疑っていたらしい。ちょうど周りのママが心配し始めたころだ。能天気なのは私だけだった。もっと早くに真吾と話せばよかった。
この時話してて思った。真吾という人はものすごく顔が広い、というのは私も知っていた。よく飲みに行っているというのも人づてに聞いたことがある。
そんな人が酒乱なわけないよな。りょうちゃんの言葉もあるし、この人を信じてみようと、ある提案をする。
私 「タッグ組んでくれませんか?証拠とって、訴えたいです。」
真吾 「覚悟はできてる?」
私 「はい。」
真吾 「だったらとことんやろう。」
何から始めるのか、何が始まるのかわからないが、握手を交わし、酒を交わし、この日に私たちは同盟を結んだ。連絡先を交換した。
しばらく外で話していると倫子が帰ってきた。倫子にはLINEで娘を家まで送る旨伝え済みだった。
倫子 「古川ちゃ~ん、ありがとうね~」
私 「全然よ真吾さんにお酒頂いたから飲んでたー」
倫子 「そうなんだー」
真吾 「古川ちゃん、飯、うちで食ってきなよ」
私 「あら、いいんですか?お言葉に甘えちゃおうかしら」
倫子 「あ…うん」
倫子が家の中に行き姿が見えなくなったところで
真吾 「普通に話して。バレないように。」
なぜか緊張する。すかさずボイレコを回す。
家にあがり普通に会話をする。
私はゆずるに
倫子宅でご飯をごちそうになるので、上の子たちのご飯よろしく★
とLINEをいれた。
しきりにスマホをいじる倫子。倫子が席を立つと真吾が
真吾 「さっきっからずーっと携帯いじってるなw」
彼はものすごく楽しんでいるぅ
それだったら私も。
私 「明日夢の国にいくんだってねー?」
倫子 「あー、聞いたんだぁ。う~んチケット取るのが難しいから行かないかも~」
私 「そぉ?当日でもとれるよ」
倫子 「う~ん…娘の服も買いに行かなきゃだしなぁ…」
こりゃ黒だ。直感的にそう思った。
ゆずる、倫子、倫子娘で夢の国に行く計画をしていたな。
こいつらクズだ。
そう思うと吐き気がする。
このあとのことはあまり覚えていない。
ごちそうさまをして末娘ときたくすると、宝物の椅子に座ったゆずるが待ってましたとばかりに、
「遅かったねー。」
だって。もう怖くもない、申し訳ないとも思わない。家の中は全て灰色にスモークが貼られた世界になった。
私 「真吾さんに飲んできなーって言われて断れなくて」
ゆずる 「へぇー、あんなに真吾さんの事嫌がってたのにね」
私 「話してみると普通だったよ?」
ゆずる 「あっそう」
面白くないでしょうね
私たちにとってはこれからよ。
待ってろ、クズども。
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