「自民党も含めチームみらい以外は消費税を何らかの形で下げた方が(良い)とほとんど全部の党が言ったのに、今になって、やっと来年の4月1日から8%のものを1%に下げようとすると『そんなことはよくない』とおっしゃるんですけど、私はちょっと理解できないが、それが今の状態」
原文では「やっと来年の4月1日から8%のものを1%に下げようとすると」という言葉が入っていたことになる。
もっとも、本稿で問いたいのはその先だ。仮に発言をそのまま受け取ったとして、門田氏がいう「国民も多くがそう思っています」は成り立つのだろうか。
FNN・産経の合同世論調査は8月8日・9日に行われた。来年4月から2年間、飲食料品の消費税率を8%から1%に下げ、中低所得者に残り1%相当を現金給付して「実質ゼロ」とする基本方針について、賛成52.9%、反対40.6%だった。
閣議決定直前だが、JNNが8月1日・2日に実施した調査では賛成52%、反対39%。日本経済新聞とテレビ東京が7月24日から26日に実施した調査に至っては、賛成48%、反対44%で、賛否はほぼ拮抗している。
自民党税制調査会のある幹部は賛成52%を低すぎると述べ、7割程度は欲しかったという趣旨を語ったと報じられている。国民民主党の玉木代表は8月4日の会見で反対が意外に多いという印象を示し、メリットとデメリットが比較的正しく認識され始めた結果ではないかと分析した。中道改革連合の階幹事長も同日、この数字を驚くべきものとして受け止め、2年後の再増税への不安と、長期金利上昇や円安に表れた市場の反応を理由に挙げている。
野党が懸念してきたのは、2年後の再増税、財源の不明確さ、農業や外食産業への影響、効果への疑問等である。野党の言い分は、少なくともその一部において、世論の一部を代弁しているのではないか。
そのうえで内閣支持率を見ると、NHKの8月調査では53%で前月から5ポイント下落、不支持は6ポイント上昇して33%だった。JNNでは政権発足後初めて6割を切っている。
「国民も多くがそう思っています」という一文は、賛成52%をもって「多く」と呼ぶことまでは許容するかもしれない。
だが、反対4割、財源手続きへの不評6割、社会保障不安6割、2年後の増税への反対5割弱を視野の外にしてはじめて成立する。
公表された数字は、そう都合よく一枚岩にはならない。
筆者はそれなりに門田氏と面識があるが、それでも敢えて言ってみたい。これでも国民の多くの「意向」を「代弁」するなら根拠を示すべきではないか、と。
