日経平均が4万円になっても、生活が苦しくなっていく…それはなぜ?「ヤバい円安」が庶民の暮らしを直 | 韓国の森3

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2014~2024~

 

 「私は今の円安が日本と米国の金利差によるものだとは考えていません。日本円は著しく劣化しており、円安は長期的なトレンドと言っていい。1ドル=200円という水準も現実味を帯びてきたと思っています」 

 

 「日米の金利差だけを為替変動の要因と考えていると、長期的なトレンドを見失ってしまうでしょう。現在の円安は、日本政府と日銀が大量に通貨を発行したことによる、円の劣化が原因です。 

 

 すでに現状の円安水準で、庶民の暮らしは相当厳しくなった。多くの国民は、スーパーなどでの食品の買い物で強烈な物価高を痛感している。 

 

東京都練馬区の食品スーパー「アキダイ」社長の秋葉弘道氏がこう話す。

 

  「円安は日本の食生活に非常に大きな悪影響を与えています。国産のものでも、餌や肥料を輸入するコストが上がって価格が高騰しています。外国産のものは為替の影響で価格が上がる。円安以外にも、運送料の上昇、電気代の高騰、異常気象による農作物の価格上昇など、われわれスーパーを取り巻く状況は年々厳しくなっています。

 

  現実的には店頭価格へ転嫁していかなければなりませんし、実際、商品を選んで値上げしています。一方でお客様も価格への関心がこれまでで一番高くなっていると、肌で感じています。こうしたなかで、なんとかお客様に足を運んでもらえるよう、ここ数年間、ずっと我慢をしてきました」

 

 「物価高の一因である円安が、マイナス金利の解除でようやく和らぐと思っていました。苦境にあるスーパー業界の追い風になると考えていたのですが、実際にはとてもそうなりそうもない雰囲気です。しかも、さらに円安が進むという話もある。当初想定していたよりも、事態はもっと深刻なのだなと、思い始めているところです……」

 

 「たしかに春闘では5%を超える賃上げとなっていますが、これは大企業が中心です。雇用者の7割を抱える中小零細企業では、物価上昇並みの賃上げはむしろ少ないのではないでしょうか。当然、家計への負担は大企業に勤務する人よりもさらに大きくなります」 

 

株式市場は好調だ。実感なき株高。そこにはこんなカラクリがある。 

 

 「輸出で稼いでいる大企業を中心に、株価が上がっています。企業業績がよくなっているから、株価が上がっているという見方もありますが、実態として円安、つまり円の劣化の影響が大きい。

 

  海外で稼いでいる企業は仮にドル建てで同じ金額を稼いだとして、円安のおかげで収益が上がっているように見えています。見た目が改善している面が大きく、実際に稼ぎが大幅に増えているわけではありません。それでも決算上、業績が上がっているように見えるので、株価が上がっていく」(前出・磯山氏)