祖母への思い~明日は小布施町でリサイタル | 小林沙羅オフィシャルブログ「小林沙羅のきまぐれ日記」Powered by Ameba

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ソプラノ歌手、小林沙羅のブログです。
出演する演奏会についての日記を中心に、忘れてしまいたくない大切な日々を綴っていきたいと思います。

「こうもり」と「椿姫」の後、

生まれたときから長い間一緒に住んでいた祖母が他界しました。

祖母からはとても大きな影響を受けて育ちましたので、

本当に悲しかった。


私がちょうど東京に戻って2日後で、

本当にありがたいことに、最後は一緒にいる事が出来ました。


家族皆で、祖母の枕元で日本の歌をたくさん歌いました。

そして最後は小布施町での私の第2回目リサイタルの録音を耳元で流し、

「うみ」の音楽が流れている時に、静かに息を引き取りました。


昨日、無事に告別式を終え、

私もフォーレのレクイエムの「ピエ・イエズ」を歌って、

祖母を見送りました。


焼き場で不思議な感覚になりました。

祖母が私に宿ったような、私の中で生きているような感覚です。


人は皆必ず死にますが、

その人と関わった人々の中に、

その人はしっかり生きているんですね。

だから祖母は死んでなんかいない。

私が祖母から受け継いだものを、しっかり生かしてつないで行くから。


小布施町は、幼少期から何度も祖母と一緒に行った町です。

曾祖父、曾祖母と祖母が戦争中に疎開してお世話になってから、

母、そして私の代まで続いているご縁です。


明日はそこでの4回目のリサイタル。

特別な思いを持って小布施町に向かいます。


曾祖父、曾祖母、祖母の事を知っていて、

亡くなった今も、そしてこれからも、その思いを生かして下さる方々がいる町。

私が行っても、お帰り、と迎え入れてくれるあたたかい故郷。


長期留学をする前の、最後のリサイタルになると思います。


プログラム的は、

林柳波作詞、藤井清水作曲の美しい作品をいくつか紹介し、

ずっと歌いたいと思っていた楽しい作品、「あんこまパン」に挑戦し、

後半はリストの大曲「ローレライ」、

祈りを込めて「アヴェ・マリア」「ピエ・イエズ」と「ヴォカリーズ」、

そして先日歌ったアデーレのアリアなど、

気合いの入った内容になっています。


様々な思いを込めて、心を込めて、

皆さまに楽しんで頂けるような趣向を凝らした演奏会にします!



小林沙羅のきまぐれ日記



2011年8月6日(土) 18時半開場 19時開演
北斎ホール (長野県小布施町)
入場料:2000円

出演:
ソプラノ:小林沙羅
ピアノ:大野真由子

チケットお取り扱い:
小布施町公民館 026-247-3111
おぶせミュージアム・中島千波館 026-247-6111
高井鴻山記念館 026-247-4049
千曲川ハイウエイミュージアム 026-247-6600

主催:林柳波・きむ子夫妻を偲ぶ会
共催:小布施町教育委員会

詳細はこちら のHPへ

※入場料の一部は、小布施町社会福祉協議会を通じて東日本大震災の義援金とさせていただきます。