こんにちは、Sarah(さら)です。

 

大手住宅メーカー勤務の

インテリアコーディネーターです。

 

住空間を通して

人を幸せにすることが

インテリアコーディネーターの責務です。


 

インテリアに興味があり、

自宅を自らの手でおしゃれにしたいと思う方に

手に入れておくと役にたつ基本的なセオリー(理論)をご紹介します。

 

〜結婚できない男・花柄嫌い〜


前回もお話ししましたが、

TVドラマ『結婚できない男』には、

家づくりあるあるが散りばめられています。


2006年の放送当時、同僚と一緒に驚いたのは、   

会社での日常会話が、そのままセリフとして

阿部寛と高島礼子、塚本高史の3人で

再現されていたことでした。


『聞いていたの?』と思うぐらいです。


13年経ったこの秋、続編が作られるそうです。

年月の積み重ねが、主人公桑野さんの仕事に

対する姿勢をどう変えたのかを早く知りたいです。


さて今回は、好みが大きく分かれる花柄について

ドラマのエピソードを交えながら、ご紹介します。


ドラマの詳細を知りたい方は、ウィキペディアで

チェックしてみてください。


『結婚できない男』(2006年)

偏屈で独善的、皮肉屋だがどこか憎めない主人公が

一人の女性との出会いを契機に、恋愛、そして結婚

を模索するまでの日々をコミカルに描く。

〜ウィキペディアより〜



エピソード11

『花柄がキライで悪いか!!』


花柄は主人公桑野さんの

『この世で嫌いなものトップ5』入っています。

にもかかわらず、クライアント(建主)から

リビングの壁紙を花柄にしたいとリクエストされ、

困惑を隠せません。

コーディネーターの女性から

『お客様の注文に応じるのも、建築家の仕事。』

と諭され、3D画像で花柄の壁を入れてみますが…


画像データが流出し、ネットの書き込みで

建築家桑野信介の新作(笑)

花柄を中心に考える建築家に転身か?

と揶揄され、ますます落ち込み、

周りに当たり散らし、心無い言葉で傷つけて

しまいます。


本当に花柄がキライみたいですね。


ここで裏話です。


建築士や住宅メーカーの設計担当は、

男女関係なく、花柄を苦手とする人が多いです。


キライとまで言ってしまうと語弊があるのですが、

近いものはあると思います。


お客様から花柄の壁紙やカーテンを希望されると、

プロらしくないのですが、主人公と同じように

トーンダウンする人もいます。


彼らの話を聞いていると、デザインもですが、

花柄に含まれている色数の多さが苦手だという

ケースもあるようです。


色数が多いと、静かな空間が賑やかで騒がしい

ものになる。


同僚の中で一番センスの良い建築士の言葉です。


無彩色の白、グレー、黒に観葉植物の緑が映える

空間や、茶系のグラデーションの中に差し色で、

ほんの少しだけ赤や黒を加えるような色彩計画は

間違いのないものです。


仕上がりを想像できることは、提案する側として

お客様の背中を押す大きなポイントになります。


3D画像を駆使しても、完成したイメージが

浮かんでこない空間を提案するのは、

難しいからです。


イメージ画像


ドラマの中では、壁の1つの面に絵画のように

花柄の壁紙を貼る提案をしていました。

(流出した画像データからの想像ですが。)


絵画のようにとお話ししましたが、

例えばモダンアートの括りで花柄を考えた時、

お勧めは北欧インテリアで人気のマリメッコ社の

壁紙です。



カラフルなイメージが強いブランドですが、
ウニッコボットナなどのシンプルなデザインで、
色数の少ないものを選ぶとより絵画風に
演出ができます。

騒がしい感じも、多少薄まる気がします。

イメージ画像

一方、アンティークなインテリアに似合うのは、
19世紀に活躍した詩人であり、デザイナーの
ウィリアム・モリスの壁紙。

中世をイメージしたデザインは、複雑で繊細に
植物を描いています。
中でも人気は、『いちご泥棒』

ここまで個性と主張が強い場合は、
トイレや書斎などの狭い空間に貼りこみ、
このデザインに包み込まれるようなイメージを
演出することをお勧めします。

リビングなど広い空間で使いたい時は、
カーテンに使うことも考えてみてください。
リビングは個室とは違って、
窓が大きく開いていることが多いため、
カーテンの占める割合が壁紙より大きい場合も
あります。

カーテンを閉めると面(壁)になり、
開けると線(フレーム)の役割をします。
どちらも素敵です。

ご紹介したマリメッコ やウィリアム・モリスは
壁紙やカーテンの他にも様々なインテリアグッズを
揃えています。ラグやクッションで花柄を取り入れ
るのも良いと思います。

さて、ドラマの中では主人公の桑野さんが、
花柄を研究するために街を探索します。

お客様の注文に応じることは
お客様の想いを叶えることです。
時代背景のズレ(働きかた改革等)はありますが、
学ぶところの多いドラマです。