こんにちは、Sarahです。

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住空間を通して
人を幸せにする職業
インテリアコーディネーターです。

インテリアに興味があり
自宅をお洒落にしたいと思う方に
インテリアのプロとして
ちょっとしたコツをご紹介していきます。

   〜ベーシックセオリー
                     (色の可能性)〜


カラースキーム(colour scheme)
色彩計画。色の持つ心理的、生理的、物理的な
性質を利用して、まとまりのある雰囲気を作る
など、目的に合った配色を行うための設計。
建築、インテリア、ウェブデザインで使われる。
                                     〜コトバンクより引用〜

カラースキームという言葉は、耳慣れない、
馴染みのない言葉ではないでしょうか?
色彩計画と訳してしまうと、少しニュアンスが
伝わりきらないため、敢えて最初に説明をしました。

さて、色彩計画の考え方の前に、前回に続き、
覚えておきたい色の基本をご紹介します。

色の調子(トーン)

同じ色相(色)でも、
1.薄い色調(ペールトーン)
2.鮮やかな色調(ビビッドトーン)
3.鈍い色調(ダルトーン)
4.暗い色調(ダークトーン)
の4つのグループに分けることができます。

ダルトーン以外の言葉は、耳にしたことが
あるかもしれません。

トーンが同じグループは、明度や彩度が近いため、
色味が違っても、色同士がしっくりと調和します。
ビビッドトーンの例
赤と黄色、黒の組み合わせ。
同じ構図ですが、黒以外の2色の色味を変え、
さらに赤と青の彩度(鮮やかさ)を落として、
明度(明るさ)を上げています。
こちらもビビッドトーンですが、やや優しめの
トーンになっています。

色の感情

色には様々な感情があります。
寒い、暖かい、軽い、重い、強い、弱いなど
人それぞれ感じ方や受け止め方は違いますが、
共通した感覚です。

寒いと暖かいは、寒色系と暖色系とも呼ばれ、
一番わかりやすい感覚です。

軽いと重いは、明度(明るさ)の違い。
同じ色でも、明度が高くなると軽く感じます。 

強いと弱いは、彩度(鮮やかさ)の違い。
1枚目の絵の方がより鮮やかで強く、
目に飛び込んでくるように感じるのは、
純色に近いもっとも鮮やかな色を使っている
からです。

例として挙げた2枚の絵は、ずいぶん前に
代官山にあるアートフロントギャラリー
自宅用に買い求めたものです。
はしめから2枚を並べて飾る予定で選びました。
同じモチーフで有彩色を合計4色使っていますが、
まとまりがあるのは、2枚の絵がともに
対照(対立)色相配色だからだと思います。


さて、色彩計画(カラースキーム)ですが、
一般的な配色方法としては、

1.同一色相配色
色味は変えないで、明度と彩度だけを変える方法。  
 
インテリアで使う場合は、大人しく、落ちついた
雰囲気を作ることができます。
失敗は少ないですが、ぼんやりしてしまう可能性も
あるので、引き締め効果のあるアクセントカラー
設定が必要です。

色味を持たない無彩色のコーディネートもこの
グループに入ります。
無彩色のモノクローム配色は、白と黒のように
明度の高低差が大きいほど、洗練された
イメージを演出することができます。
 
2.類似色相配色
色相環で隣合う、もしくは近い位置関係にある
色の配色。
黄緑、緑、青緑のように似ている色の組み合わせ。
インテリアに取り入れる際は、茶系の中から選ぶと
まとまりやすく、穏やかで落ち着いたいイメージに
なります。

3,対照(対立)色相配色
色相環の上で間隔(色相差)が大きい色同士の配色。
赤と青、青と黄緑などが例としてあげられます。
お互いを引き立てるため、強く、刺激の多い配色。
インテリアでは、あまり積極的に取り入れられない
色彩計画です。自宅に強く、刺激が多い空間は、
望まれないことが理由だと考えます。

4.補色色相配色
色相環の上で、真向かいに位置する最も対照的な
色同士の配色。赤と緑に代表されるように、
激しく刺激的な色の組み合わせとなります。
インテリアでは、対照色相配色同様使われることは
少ないですが、アクセントカラーとして絵画の中や
オブジェに少し使うとお洒落になります。

色彩計画は、インテリアを考える上で、
最も深く、奥行きと幅のある作業です。

私はセンスがないから…という言葉は、
この色彩計画に対して発せられることが多いですが、色の特性を知ることで、失敗のない美しい
カラーコーディネートが可能になります。

センスは知識(セオリー)の積み重ね

最後に前回も話しましたが、中学生向きの
美術の教科書は丁寧でわかりやすく、
色についての知識が深まります。
機会がありましたら、手に取ってみてください。

もし、美術館などで絵を見る機会があれば、
絵の中の色のバランスを観察しながらの鑑賞も
面白いです。