こんにちは、Sarahです。


大手住宅メーカーで
インテリアコーディネーターの
仕事をしています。

住空間を通して
人を幸せにする職業
インテリアコーディネーターだと思います。

インテリアに興味があり
自宅をお洒落にしたいと思う方に
インテリアのプロとして
ちょっとしたコツをご紹介していきます。

インテリアはセオリーを理解する
時にはプロレベルの成果を得ることができます。
難しく考えないで、まずは私がご紹介する
理論に沿って実践してみてください。


お客様と新居のカーテンを選ぶため、
マナ・トレーディングのショールームに
出かけました。

新居のインテリアイメージは
『クラッシックスタイル』
深いチョコレート色が美しい床は
ウォールナットの無垢材
漆喰壁は真っ白に仕上げる予定です。
窓枠も敢えて本物の無垢仕上げとしました。
無垢材と漆喰壁はともに贅沢な仕上げ材です。

無垢材とは丸太から
直接切り取ったものを指します。
自然な状態の木材です。
木の香りが豊かで
天然のアロマテラピー効果もあります。

ウォールナット無垢材は
その色合いから
アンティークなイメージにも合います。

話が逸れてしまいましたが
今回はカーテンのお話です。

カーテン生地はクラッシックな
インテリアイメージに合わせて
ウィリアム・モリスデザインのものから
選びました。
MORRIS&Co
品名 ケルムスコットツリー 
         Kelmscott Tree 
色番 327
素材 麻49%綿38%ナイロン13%
寸法変化率 ドライ タテ-0.8 ヨコ0.0

カーテン生地は素材によってイメージが変わります。
麻や綿などの自然素材
ポリエステル素材にはない風合いなどの
魅力があります。
刺繍を施したようなふっくらと
厚みのあるプリントが素敵な生地です。

ただドライクリーニングに出さないと
多くの場合、確実に縮んでしまう素材です。
その点をきちんと理解して選ぶことを
お勧めします。

ちなみにカーテンクリーニングは
3週間から4週間ぐらいの時間がかかります。

その間、カーテンの無い状態を
どのように過ごすかを考えなくてはいけません。

今回のお客様は衣替えの時期に合わせて
カーテンを掛け変える予定です。

全体の柄イメージです。

麻と綿の混合素材なので
裏地を合わせます。
裏地はポリエステル100%
裏地をつけることで
生地に重厚感がでます。
特にひだ山、ドレープがきちんと
美しく仕上がります。

裏地は表地の地色に合わせて選びました。

ベランダに向かう大きな掃き出し窓は
裾スカラップが印象的な
シャンパンゴールドのレースを合わせました。

品名 コレット
色番 20
素材 ポリエステル100%
寸法変化率 ドライ タテ-0.4 ヨコ-0.1


カーテンをまとめるタッセルは
通常共布で作成することが多いのですが
今回はクラッシックスタイルに合わせて
紐タイプのタッセルを選びました。

こちらの窓は横幅が4mもあります。
厚地のドレープ生地は裏地をつけた上で
たっぷりとひだをとるため
引き分けたとき、かなりのボリュームです。

共布のタッセルの場合は
通常より長く作らないといけないため、
紐タイプの方がすっきりと
垢抜けた雰囲気になると思います。

クラッシックスタイルの場合は
カーテンレールにも装飾性のあるタイプを
選ぶ場合もありますが、
今回はカーテンボックスを設けました。
カーテンレールがボックスの中に
隠れてしまうため、天井から床までをすっきりと
覆うことができます。

こちらは寝室のカーテンです。

厚地のカーテンはリビングと同じもの。
但し、裏地には遮光生地に変更しました。
品名 サーモ
色番 1
素材 ポリエステル100%
備考 遮光専用

リビング同様カーテンボックスを
付けましたが床までの窓ではなく
腰までの高さのため、裾スカラップの
レースは使えません。
シャンパンゴールドに
ヘリンボーン柄が美しいレースのカーテンを
合わせました。
品名 レイヤー
色番 3
素材 ポリエステル100%

ヘリンボーン柄のレースは珍しく、
国産品ではなかなか見かけないデザインです。

タッセルは共布で作成します。
遊び心でブルーのテープでトリミング(縁飾り)と
フリンジを付けて仕上げることにしました。

たくさんの色を使っていますが
ベースとなっているのは
最初に選んだケルムコットツリーの生地に
使われている色です。

同じ色ではなく、
少しずつ色合いをずらして
レースのような透けるものや
フリンジに使われている光沢のあるものなど
生地そのもののテクスチャーにも
変化を持たせました。

リビングのソファは黒の革張り
ダイニングセットはやはりウォールナットと
ソファと同じ黒革で座面を張る計画です。

深いチョコレート色の床材に黒を加えることで
空間を引き締めたいと考えました。
黒革のソファにカーテンと同じ生地で
クッションを足していく予定です。

クッションにもトリミングやフリンジを
アレンジするのも楽しいかもしれません。

色彩計画を考えるのは
心から楽しいと思う仕事です。
ただ、カーテンを選ぶ場合には
色合いだけでなく、その空間ごとに
求められる機能を満たすことも大切です。

今回のように
家全体を同じ生地で作った場合は
間違いなく、垢抜けた印象になります。
但し、部屋の用途によって
裏地やタッセル、レースのデザインを
変えることを考えることも大切です。

審美性と機能性、その二つのバランスが
とれてこそ、美しい空間が生まれると
私は信じています。