1468:[ガン予防]「タトゥー」と悪性リンパ腫の発症リスクに関連性？

■ [ガン予防]「タトゥー」と悪性リンパ腫の発症リスクに関連性？

タトゥーを入れている人はそうでない人に比べ、悪性リンパ腫を発症するリスクが高まる可能性があるといいます。

医学誌『ランセット』を発行するランセット・グループの電子版ジャーナル『eClinicalMedicine』に、スウェーデンのルンド大学の研究チームが発表した論文によりますと、血液細胞中のリンパ球がガン化する悪性リンパ腫を発症するリスクは、タトゥーを入れている人の方が21％高くなっていました。

研究チームは、すでに悪性リンパ腫との診断を受けている1398人と、そうではない4193人（年齢はいずれも20～60歳）について調査。タトゥーや日常生活に関するアンケート調査を行ったほか、喫煙習慣や年齢、社会経済的な状況など、関連するその他の要因を考慮し、分析を行いました。

その結果、診断を受けている人の21％、診断されていない人の18％が、タトゥーを入れていたことがわかりました。また、悪性リンパ腫と診断されるリスクは、初めて施術を受けてから2年未満の人が最も高くなっていました。

ただ、施術を受けることと悪性リンパ腫の発症の関連性について、この調査だけで因果関係の有無を明確にすることはできません。カリフォルニア州にあるメモリアルケア・カンサー・インスティテュートの血液疾患専門医、ワエル・ハーブ医師（腫瘍内科医）は、それを明らかにするためには、さらなる研究が必要だと指摘しています。

論文の筆頭著者であるクリステル・ニールセン准教授（疫学）もまた、発表した声明の中で、リンパ腫はまれな疾患であり、この研究結果は（調査対象とした）特定の集団に関するものだということを忘れてはいけないと述べています。結果については「検証と、その他の研究を通じたさらなる調査」が必要だといいます。

また、タトゥーを入れている人の大半は若いときに最初の施術を受けており、人生の大半にタトゥーインクの影響を受けることになりますが、この研究はその健康に対する長期的な影響の「ごくわずかな一部」について調べたにすぎないとコメントしています。

そのほか准教授は、以下の点についても指摘しています。

「皮膚にタトゥーインクが注入されると、インクは体内にあるべきではない異物と判断され、免疫システムが活性化されます。インクの大半は皮膚から遠く離れた場所まで運ばれ、リンパ節に溜まります」

そのようにして体内に溜まった金属の毒性が、さまざまな疾患や臓器不全、その他の悪影響を引き起こす要因になるといいます。

いっぽう、研究チームは当初、注入されるタトゥーインクの量が増えれば、発症の危険性は高まるとの仮説を立てていました。しかし、興味深いことに、タトゥーの図柄の大きさとガン発症リスクの関連性は確認されませんでした。准教授は、その理由は「今のところ不明」だとして、こう述べています。

「推測できるのは、タトゥーはその大きさとは無関係に、体内に軽度の炎症を起こし、それがガン発症の引き金になるのではないかということです」

つまり、タトゥーインクとガン発症リスクの関連性は、研究チームが考えていた以上に複雑なものだと考えられます。

ハーブ医師は、タトゥーを入れること自体が悪性リンパ腫の発症リスクを高める要因であるものの、喫煙習慣や物質（アルコールや薬物など）の使用を含め、タトゥーの施術を受ける人の生活スタイルも同様に、リスク要因になりうると話しています。

●その他の病気との関連性は？

そのほかハーブ医師は、悪性リンパ腫とそのサブタイプに焦点を絞ったルンド大学のこの研究について、結果は「タトゥーインクに含まれる発ガン性物質への懸念を際立たせるものだ」と述べています。

その他の種類のガンとの関連性を明らかにするためにも、今後はタトゥーインクが健康に及ぼす長期的な影響や発ガン性、施術と感染症（使用される針による肝炎への感染リスクなど）の関連性などについても、明らかにしていくことが求められるといいます。

※結局のところ、身体に炎症が起きる事をしたり、炎症が起きるものを摂取したりすれば、発ガンのリスクが高まり、ガンを治すのも困難になるという事だと思います。今の世の中は化学物質が溢れ、空気や水が汚染され、石油から作られた食品添加物や人工甘味料などを口にする機会が増えています。炎症体質を改善しない限り、ガンのリスクは高まるばかりだろうと思います。