[末期ガン治療]松本人志氏が公表した大腸がん…原因毒素「コリバクチン」とは何か?

 

 

■[末期ガン治療]松本人志氏が公表した大腸がん…原因毒素「コリバクチン」とは何か?

 

 

●原因毒素の解明で、予防研究が進む?

 

現在、Googleなどの検索やSNS上で「腸」や「大腸がん」がトレンドワードとして急上昇し、大きな関心を集めています。この背景には、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(62)さんをはじめとする著名人が大腸がんの罹患や闘病を相次いで公表したこと、そして最近になって大阪大学と東京大学などの研究チームによって、大腸がんの原因となる特定の腸内細菌毒素が解明されたことがあります。長年謎の多かったメカニズムの一端が明らかになったことで、予防法や治療法の確立に向けた大きな光明が差し始めています。

 

 

●大阪大・東京大チームが解明へ!日本人大腸がんの約5割に関与する「コリバクチン」とは

 

8月10日、大阪大学や東京大学などの共同研究チームは、日本人の大腸がん患者の約半数に腸内細菌が産生する毒素「コリバクチン」が関与していることを突き止め、英科学誌に発表しました。日本でも多くのメディアで報じられました。

 

研究チームが大腸がん患者183人の遺伝子(DNA)を全ゲノム解析したところ、全体の44.8%でコリバクチンがDNAに直接結合して鎖を切断し、ガン抑制遺伝子(APCなど)をピンポイントで破壊した特有の傷跡(変異)が確認されました。

 

 

●40歳未満の患者で、70%にコリバクチンの痕跡

 

特に注目すべきは、世界的に増加傾向にある若年発症がんとの関連性です。40歳未満の患者においては、実に約70%にコリバクチンの痕跡が認められました。10歳未満の幼少期に原因となる菌が腸内に定着し、数十年という歳月をかけて細胞をガン化させている可能性が浮き彫りとなりました。

 

解析データによれば、1965年以降に生まれた患者ほどこの変異割合が高くなっています。高度経済成長期に伴う食生活の欧米化や、抗生物質の使用拡大が腸内環境に変化をもたらした影響が示唆されています。

 

 

●ピロリ菌同様の除菌・予防なるか?大腸カメラ検査と腸内環境の整え方

 

大阪大学の谷内田真一教授は、母子感染や食事といった感染経路の解明、ならびに食生活や腸内環境との関係性の特定を進める意向を示しています。

 

将来的には、胃がんにおけるヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法と同様に、検査によってコリバクチン産生菌を早期に発見し、除菌することで大腸がんそのものを予防する医療ルートの確立が期待されています。

 

現在、個人で取り組める現実的な対策には、何があるのでしょうか?

 

 

・腸内環境の改善:食物繊維や発酵食品を積極的に摂取し、悪質な大腸菌の増殖や活動を抑える腸内フローラを形成する。

 

・定期的な検査の受診:大腸がんは早期段階ではほぼ無症状で進行する。便潜血検査や定期的な大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受診し、早期発見・早期治療に繋げることが命を守る鍵となる。

 

 

●松本人志さんや東野圭吾さんら著名人の事例と注意すべき初期症状

 

2026年に入り、芸能界や文化界の著名人による大腸がんの公表や訃報が相次ぎ、社会的な関心がより一層高まっています。

 

 

●主な著名人の罹患・公表状況

 

松本人志さん(ダウンタウン):2026年7月17日、大腸の腫瘍切除手術を受けて退院したことを公表。春頃からの血便をきっかけに受診し発見に至った。生配信ではストーマ(人工肛門)造設についても言及し、認知向上を呼びかけた。

 

東野圭吾さん(作家):2026年7月23日、大腸がんのため68歳で逝去。国内外のファンに大きな衝撃を与えた。

 

桐谷広人さん(投資家・元プロ棋士):2026年7月、前立腺がんと共に大腸がんの患いを公表。手術を経て、抗がん剤治療の様子などをSNSで発信している。

 

真矢さん(LUNA SEA):2020年にステージ4の大腸がんが判明。治療を継続しながら音楽活動を行ってきたが、2026年2月17日、56歳で死去した。

 

 

公表した多くの著名人に共通して見られたのが「血便」などの初期症状です。血便が出た際に「痔だろう」と自己判断して放置せず、早期に医療機関を受診する姿勢がまず何よりも重要です。

 

 

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[末期ガン治療]早期胃がん…悪性度高くても内視鏡治療有効!10年生存割合96%

 

 

■[末期ガン治療]早期胃がん…悪性度高くても内視鏡治療有効!10年生存割合96%

 

 

悪性度が高い胃がんでも、早期段階であれば内視鏡治療でも長期的に有効だとする研究結果を、国立がん研究センターなどが7日発表しました。内視鏡でガンを取り除く治療から10年の生存割合は96.2%でした。

 

胃がんは、分化型と未分化型に分類されます。未分化型は増殖能力が高く、浸潤しやすく転移を起こしやすいなど悪性度が高いと考えられています。このため、小さいガンでも胃と周辺のリンパ節を切除する外科手術が一般的でした。

 

しかし、外科手術後は腹痛や下痢などの症状が出て生活の質が低下する場合があり、胃を温存できる内視鏡治療への期待が高まっていました。

 

研究チームは2011~13年、胃がん患者のうち、腫瘍が2センチ以下で粘膜内にとどまる早期の337人に内視鏡治療を実施しました。このうち未分化型だった275人について再発の有無などを追跡調査しました。

 

5年時点の生存割合は99.3%で、この結果を受けて21年の診療ガイドライン改訂で内視鏡治療が推奨されるようになりました。ただ、5年を超えて転移や再発する可能性が指摘され、さらなる検証が求められました。

 

そこで10年間追跡したところ、10年の生存割合は96.2%に上り、無再発でした。胃を温存した状態での生存割合は68.6%でした。

 

チームは「今回の成果はガイドラインの妥当性を強固に裏付けた。ただし、正確な診断と内視鏡治療に加え、適切な経過観察を継続することで成り立つ。診断技術の向上に加え、早期発見、再治療体制の構築が必要だ」としています。

 

成果は消化器分野の国際学術誌に掲載されました。

 

 

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[末期ガン治療]血液中の微粒子でガンを高精度検出!早期発見へ東大など新技術

 

 

■[末期ガン治療]血液中の微粒子でガンを高精度検出!早期発見へ東大など新技術

 

 

細胞が作り出す微小な粒子に特殊な加工をすることで、ガンの早期発見につながる超高精度センサーとして利用できると、東京大などの研究チームが発表しました。この技術を応用すれば、狙った臓器に薬剤を届けたり、組織の再生に活用したりできる可能性もあるといいます。

 

 

●ガン由来の粒子を選び取ることに成功

 

細胞は「エクソソーム(細胞外小胞)」と呼ばれる直径30~150ナノメートル(ナノは10億分の1)の袋状の粒子を血中などに分泌しています。分泌した元の細胞の性質が反映されるため、血中から取り出して調べることで、ガンの有無などを調べられると期待されています。しかし血中には多種多様なエクソソームが含まれ、特定のものだけを選び取るのは難しかったのです。

 

チームは、細胞とエクソソームが同じ種類を見つけて結び付く能力に着目しました。ガン細胞の表面に多く存在する構造物と強く結合する化学物質をエクソソームの表面に添加したところ、同種の細胞と結び付く力が25倍以上に高まり、結合までの時間も大幅に短縮されました。

 

この技術により、無数のエクソソームが含まれる血清から、ガン由来のものだけを選び取ることに成功しました。1ミリリットル中に数十個というわずかな量でも検出できました。

 

同じ作用を使った別の方法では、20ミリリットル中に1個だけ含まれるガン細胞をエクソソームで見つけることにも成功しました。その結果、乳がん患者13人と健常者13人の血液を明確に分けることもできたといいます。

 

この技術をさらに応用することで、狙った細胞由来のエクソソームを加工し「運び屋」として利用すれば、特定の臓器や組織へ効率よく薬剤を届けられると期待されます。細胞の増殖や組織形成を促すエクソソームを狙った細胞に届け、再生や修復を促進する技術への応用も視野に入ります。

 

チームの合田圭介・東大教授(バイオエンジニアリング)は「ガン検査を実用化する上で、より大規模な検証と工程の簡略化や自動化が必要になる。すでに複数の医療機関と協力して検証を進めている」と話しています。

 

成果は国際科学誌ネイチャー・バイオメディカル・エンジニアリングに掲載されました。

 

 

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[末期ガン治療]大腸菌の毒素で大腸がんに!日本人患者の半数…遺伝子に傷

 

 

■[末期ガン治療]大腸菌の毒素で大腸がんに!日本人患者の半数…遺伝子に傷

 

 

日本人の大腸がん患者の半数程度に、大腸菌が出す毒素による遺伝子の変異が生じていたとの研究成果を、大阪大と東京大のチームが10日付の英科学誌に発表しました。毒素が細胞の増殖に関わる遺伝子を傷つけ、ガンを引き起こします。若い患者ほど遺伝子の変異が見つかる割合が高く、毒素を出す大腸菌の早期発見が、ガンの予防につながる可能性があります。

 

チームによると、日本の大腸がん患者は40年間で7倍になり、ガンの中で最も多くなっています。これまでの研究で、特定の大腸菌が出す毒素「コリバクチン」による遺伝子の変異が見つかる患者が、欧米などに比べて日本では多い傾向にありました。ただ、分析した人数が少なく、詳細は不明でした。

 

チームは、日本人の大腸がん患者183人のガン細胞を解析。44.8%でコリバクチンによる遺伝子の変異が見つかりました。変異はガン細胞の増殖や抑制に関わる複数の遺伝子で起きていました。40代未満で発症した患者では約7割で見つかり、若い人ほど割合が高い結果となりました。

 

変異した遺伝子の分析から、発症の数十年前に最初の変異が発生していた患者もいたと判明しました。

 

 

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[末期ガン治療]BCGが効かない膀胱がん…温存治療の選択肢となる新薬が登場!

 

 

■[末期ガン治療]BCGが効かない膀胱がん…温存治療の選択肢となる新薬が登場!

 

 

膀胱(ぼうこう)がんは、5年生存率が73.3%(がん情報サービス、2009~2011年)と死亡率は高くないものの、一部の患者さんでは治療の過程で膀胱全摘出になりQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼすことがあります。従来は膀胱全摘が推奨された患者さんに、新たに膀胱温存治療の選択肢となる治療薬が国内でも承認されました。フェリング・ファーマが2026年6月16日に東京都内で開催したメディアセミナーで、筑波大学医学医療系 腎泌尿器外科 教授の西山博之先生と、聖マリアンナ医科大学 腎泌尿器外科学 主任教授の菊地栄次先生が、膀胱がんの従来の治療と新たに登場した治療選択肢の意義、そしてその治療がどのように働くのかなどについて講演しました。以下、概要をご紹介します。

 

 

●「膀胱を取るしかない」とされてきた人に、新たな選択肢―西山先生の講演

 

膀胱がんは、進み具合によって大きく以下の3つに分けられます。

 

・膀胱の筋肉の層まで達していない「筋層非浸潤性」

・筋肉まで及んだ段階

・転移した段階

 

西山先生によりますと、膀胱がんのうち約7割を占める筋層非浸潤性のうち、再発したり筋肉まで進んだりしやすいタイプは「高リスク」と呼ばれ、慎重な治療が必要になります。

 

高リスクの筋層非浸潤性膀胱がんでは、BCG膀胱内注入療法が標準的に行われてきました。BCGとは、ウシ型結核菌を弱毒化した生ワクチンを膀胱内に注入する治療で、免疫の力を利用してガンを抑えます。西山先生は、この治療で6〜7割の人は再発せずに済む一方、最初だけBCG療法を受けた人の3~4割、再発予防目的で2~3年治療を続けた人でも2〜3割程度は膀胱内に再発すると説明しました。

 

十分なBCG療法を行っても1年以内に再発する状態は「BCG不応性」と呼ばれ、高リスク患者さんの約10〜15%にみられるとされます。西山先生は、これまで国内のガイドラインでは、BCG不応性と判断された場合、筋肉に達していない段階でも膀胱をすべて摘出する「膀胱全摘術」が推奨されてきたと述べました。

 

しかし実際には、膀胱全摘術を受けた人は一部にとどまり、多くの患者さんが何らかの形で膀胱を残そうとしてきた実態もあると、西山先生は国内学会のデータを引きながら指摘しました。「膀胱は取りたくない」という患者さんの思いと、限られた選択肢との間に、長く隔たりがあったと言えます。

 

 

●承認された遺伝子治療がもたらす変化

 

BCGが効かなかったり使えなかったりする場合、アメリカのガイドラインでも膀胱全摘が第一推奨ですが、ほかにも2種類の薬剤の膀胱内注入療法という選択肢があります。ただ、これまでそれらの薬剤は国内未承認のため、日本のガイドラインでは膀胱全摘か治験の2つしか選択肢がなかったのです。

 

2026年5月に国内承認された「エドスチラドリン膀胱内注入液」(一般名:ナドファラゲン フィラデノベク)はアメリカのガイドラインでも推奨されている薬剤の1つで、膀胱全摘を避けたい患者さんの思いと治療選択肢の隔たりに対する新たな選択肢として位置づけられます。

 

西山先生は、膀胱全摘術が推奨される状況は変わらないものの、膀胱温存を希望する場合に欧米で使われてきた治療を国内でも受けられるようになった点が、今回の大きな変化だと述べました。

 

 

●エドスチラドリンはどう働くのか―菊地先生の講演

 

続いて菊地先生が、泌尿器がんの分野では新しいタイプにあたる、この遺伝子治療の仕組みを解説しました。

 

これまで膀胱内に薬を注入する治療には、大きな壁がありました。排尿です。薬を入れても1〜2時間ほどで排尿によって流れ出てしまうため、効果を保つには何度も投与する必要がありました。菊地先生は、この問題を解決する発想として遺伝子治療が注目されたと説明します。

 

エドスチラドリンは、インターフェロンα2b(免疫に働きかけ、ガン細胞のアポトーシス[細胞死]や血管新生の阻害などに関わるタンパク)を作る遺伝子を、膀胱の細胞に届ける治療です。遺伝子の「運び屋(ベクター)」には、風邪の原因にもなるありふれたアデノウイルスを改変したものを使います。届いた遺伝子が働くことで、膀胱の細胞そのものが治療成分を作り出す――いわば「膀胱を治療成分の産生工場に変える」という考え方です。

 

膀胱の内壁にはバリアがあり、ウイルスはそのままでは入り込めません。そこで添加剤(Syn3NODA)がこのバリアを一時的にゆるめ、遺伝子が届きやすいようにします。

 

 

●「3カ月に1回」という投与間隔に込められた意味

 

菊地先生は、安全性の工夫も強調しました。運び屋のウイルスは体内で増えない設計(非複製型)で、患者さんの遺伝情報(ゲノム)に組み込まれることもありません(非組み込み型)。そのため治療成分の産生は一時的で、動物実験では8〜10日ほどで低下したとされます。さらに、効果は膀胱の中にほぼとどまり、血液中に出る量はごくわずかで、全身への影響は抑えられていると説明しました。

 

特徴的なのが、3カ月に1回という投与間隔です。動物実験による投与間隔の検討では、再投与の間隔を30日・60日・90日で比べると、90日空けたときに最も効率よく治療成分が作られました。菊地先生は、投与後の膀胱粘膜の炎症が約90日でほぼ落ち着くためだと解説します。短い間隔のほうがよいとは限らないというわけです。BCG療法が週に1回の通院を要するのに対し、3カ月に1回という負担の軽さは、患者さんにとって受け入れやすい設計だと述べました。

 

なお、エドスチラドリンの取り扱いには専用の冷凍保管設備やカルタヘナ法(遺伝子組換え生物の使用を規制する法律)に基づく対応が必要です。Q&Aで菊地先生は、大学病院でなければできない治療ではないとしつつ、各施設の体制が整うことが普及の鍵になるとの見方を示しました。

 

 

●「患者さんとともに治療を選ぶ」時代へ

 

今回の会見を通じて繰り返し語られたのは、患者さんが治療を「自分のこととして選べる」ようにするという視点でした。菊地先生は、複数の選択肢があるとき、医療者が一方的に決めるのではなく、副作用や有効性、通院の負担などを丁寧に示したうえで患者さんとともに決めていく「シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)」が主流になっていると述べました。たとえば遠方で何度も通院できない人にとって、3カ月に1回という選択肢は大きな意味を持ちます。

 

会見に同席した膀胱がん患者会の野村由利夫氏や佐野潤一郎氏からは、難しい治療内容を患者さんにもわかりやすく伝える工夫や、患者さん同士・専門家との情報交換の場の必要性が語られました。BCG治療の苦しさを自ら経験した野村氏の言葉は、選択肢が増えること自体の重みを改めて示すものでした。

 

膀胱がんに不安を抱える場合や、現在の治療に悩みがある場合は、どのような選択肢があるのかを、まず主治医に相談してみることが次の一歩につながります。患者さんの「膀胱を残したい」という願いに、医療がどこまで応えていけるのか――今後の積み重ねが注目されます。

 

 

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[末期ガン治療]男性で最も多い「前立腺がん」…その後の生活見据えて治療法を選んで!

 

 

■[末期ガン治療]男性で最も多い「前立腺がん」…その後の生活見据えて治療法を選んで!

 

 

男性のガンの中で最も多いのは前立腺がんです。1年で約10万人が罹患します。治療法も進歩していますが、どの方法がいいのか迷う人も少なくありません。医師は「自身がどのような生活を送りたいのかを十分に考え、医師と相談して決めてほしい」と訴えます。

 

 

●早期は自覚症状、ほとんどなし

 

前立腺は、膀胱の下で尿道を取り囲む、クルミ状の器官で、男性のみにあります。精液の一部を作るなど生殖機能にも大きく関わります。ここに悪性腫瘍ができるのが前立腺がんです。

 

「早期のガンは自覚症状がほとんどない」と、昭和医科大江東豊洲病院(東京都江東区)の副院長で泌尿器科の森田將(まさし)教授は話します。

 

 

●PSA検査がきっかけ

 

見つかるきっかけは、PSAという腫瘍マーカーの検査が多いです。血液で測定でき、検診のメニューに入っている場合もあります。森田教授は「かかりつけ医が『一定の年齢なので』と検査を勧めることもある」と説明します。尿が出にくいなどの前立腺肥大症の症状で受診後に、PSA検査でガン発見につながるケースも多くあります。

 

一定以上のPSA値であればMRIを行い、ガンが疑わしいとなれば生検を実施します。採取した組織の病理検査でガンが見つかれば、画像診断で転移を調べます。

 

転移のない限局性前立腺がんであれば、PSA値と病理結果(悪性度を示すグレードグループ分類)、MRIの画像結果からリスク分類を行います。

 

 

●さまざまな治療法がある

 

限局性前立腺がんの治療は監視療法や手術、放射線治療などが主な選択肢になります。低リスクから中リスクの一部では経過を定期的に観察する監視療法をとることがあります。手術はロボットによる全摘手術が多いです。

 

放射線治療には外部照射と組織内照射があります。粒子線を照射する治療もあります。

 

外部照射は近年、放射線の照射回数が少なくて済む方法も行われています。組織内照射は小さな線源を永久に埋め込む低線量率の密封小線源治療と、ワイヤー状の線源を一時的に刺し入れる高線量率の小線源治療があります。森田教授は密封小線源治療を米国で学び、これまで数多く施術してきました。

 

森田教授は「限局性前立腺がんの治療法は、治療成績が同等のものが複数あります。それぞれの治療法の特徴を話した上で、本人の希望や治療を受ける病院の設備などを総合して治療方針を決めることになる」と話します。

 

たとえば全摘手術は病巣を取り除くことができる一方、術後に尿失禁が起こることも多い。「すぐに仕事に復帰したいので尿失禁は避けたい」などの理由で懸念を示す人には、ほかの治療法も検討します。実施施設が限られる治療法もあります。

 

 

●利点と欠点を踏まえ、相談して決めよう

 

「どの治療法にも利点と欠点がある。それを理解した上で、本人が『どのような暮らしをしたいのか』『何を大切に思っているのか』を率直に医師に話し、相談して納得して決めてほしい」

 

転移や進行した前立腺がんでは、男性ホルモンの分泌を妨げ、ガンの進行を抑制するホルモン療法が主体になり、時に化学療法も行われます。ホルモン療法は限局性前立腺がんでほかの治療法と併用されることもあります。

 

前立腺がんは一般的には進行がゆっくりで、直接の死因に関係しないことも少なくありません。それだけに治療後をどのように過ごすのか、しっかり考える必要があります。森田教授は「自身の価値観や生活にマッチした治療法を選んでいただきたい」と呼びかけます。

 

 

●1年で10万人が罹患

 

前立腺がんの罹患者は増加傾向です。厚生労働省の「全国がん登録罹患数・率報告」(令和5年)によると、同年に新たに前立腺がんと診断された人は10万2094人でした。平成28年の8万9717人に対し、約14%増えました。男性の部位別がん罹患数では大腸や肺、胃などを上回って、最も多くなっています。

 

発見経緯は「がん検診・健康診断・人間ドック」が26.6%で、部位別のガンの中で最多でした。44.6%が「他疾患の経過観察中」に見つかっていました。

 

森田教授は「PSA検査の普及で早期に発見されるようになってきた。食事の欧米化なども一因と考えられている」と話します。遺伝的要因もあるとされます。

 

年代別では50代から増え、70代がピークです。森田教授は「50代になったら一度はPSA検査を受けてほしい。父親や兄弟に罹患した人がいれば、もう少し前でもいい」と勧めます。

 

 

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[末期ガン治療]胃や食道のガン…8割復職!食欲低下や体重減少障壁に

 

 

■[末期ガン治療]胃や食道のガン…8割復職!食欲低下や体重減少が障壁に

 

 

胃がんや食道がんの手術を受けた人のうち、約8割が18カ月後には仕事に復帰していたとの調査結果を、京都大のチームが先月30日までに日本消化器外科学会の学術誌に発表しました。一方、年齢やガンの進行度以外に、術後の食欲低下や体重減少が復職の障壁となっていました。

 

医療技術の進歩で、胃がんや食道がんの治療成績が向上しました。治療後の生活を支える取り組みが重要ですが、職場復帰の時期や復帰後に仕事を続けている期間、復帰が難しくなる要因の研究は限られていました。

 

チームは、近畿地方の9医療機関で2022~24年に胃がんや食道がんの手術を受けた患者158人を対象に調査しました。その結果、18カ月後に復職していたのは124人(78.5%)でした。手術の体への負担が比較的大きい食道がん患者は、胃がん患者より時間がかかる傾向がありました。

 

65歳以上やガンがステージ3以上だった患者は仕事への復帰が難しくなっていました。また、術後半年の時点で食欲の低下や10%以上の体重減少を訴えていると、術後18カ月時点で仕事に復帰できていない割合が高い結果となりました。

 

 

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[末期ガン治療]「座りっぱなしの人」はガン死亡リスク高!1時間毎に5分の「歩く休憩」を

 

 

■[末期ガン治療]「座りっぱなしの人」はガン死亡リスク高!1時間毎に5分の「歩く休憩」を

 

 

二足歩行を機に新たな進化段階に入った人類の祖先は、自由になった手を使って道具を操り、環境を克服し始め(ホモ・ハビリス)、さらに二足歩行が確立されるとアフリカを離れて世界各地へ進出(ホモ・エレクトゥス)し、聡明な頭脳で各地に文明社会を築き上げました (ホモ・サピエンス)。

 

しかし、高度な技術文明を築いた今日の人類は、体を動かすことから遠ざかっています。都市に住む現代人は、起きている時間の大部分を座って過ごしています。機械に任せたまま椅子に座ってすべての仕事を処理する「ホモ・セデンス(Homo sedens)」の状態だと言っても過言ではありません。

 

問題は、長時間の座りっぱなしの生活による活動不足が、さまざまな慢性疾患のリスクを高めることです。公衆衛生上の問題にまで浮上した、いわゆる「椅子病(Sedentary disease)」のリスクを低減できる、手軽な方法はないでしょうか?

 

米国ニューヨークのコロンビア大学を中心とした研究チームが、1時間ごとに5分間歩く「歩く休憩(Movement breaks:運動休息の中でも主に歩くことが多いことからここで歩く休憩とする)」が、実践可能性と効果の面でもっとも効率の良い方法であるという研究結果を、国際学術誌「英国スポーツ医学ジャーナル(British Journal of Sports Medicine)」に発表しました。業務の生産性を損なうことなく、疲労や気分を改善するのに有意な効果があるといいます。

 

研究チームは、米国公共ラジオNPRの健康番組「ボディ・エレクトリック・チャレンジ(Body Electric Challenge)」に参加した成人1万9342人を対象に、21日間の実験を行いました。

 

 

●30分間隔、効果はより高いが実践可能性が課題

 

研究チームは、様々な年齢層や職業層で構成された実験参加者を3つのグループに分け、それぞれ30分、60分、120分間隔で5分間の歩く休憩を取らせました。さらに、一日の業務終了後、あるいは業務の合間に、疲労度、気分、業務成果の変化を記録させました。

 

分析の結果、すべてのグループで疲労感や抑うつ感が減少し、気分が改善される現象がはっきりと現れました。特に30分ごとに歩いたグループは、疲労の減少幅が最も大きくなりました。しかし、参加者からは30分ごとに5分歩くことは、現実的に毎回実践するにはやや負担が大きいという反応が見られました。

 

一方、1時間(60分)ごとに5分間歩いたグループは、疲労解消と気分転換の効果が十分でありながら、業務の流れを妨げなかったため、持続可能性の面で最も理想的な結果を示しました。

 

研究チームは、「これまで業務中の短い休憩に対する抵抗感は、『生産性が低下する』という漠然とした懸念によるものだったが、今回の研究結果はこうした認識を真っ向から反証するものだ」と明らかにしました。

 

研究チームは、実験参加者の業務成果と没入度を分析した結果、5分間歩く休憩が業務効率を阻害しなかったことを確認したと明らかにしました。研究チームは、むしろわずかではあるが肯定的な方向に没入度と業務成果を高めたと付け加えました。

 

今回の研究は自己報告方式という限界はあるものの、実際の日常生活を通じて検証されたデータであるという点で意義があります。ただし、血糖値や心臓の健康など、慢性疾患に及ぼす影響を測定・分析するには期間が短すぎました。研究を主導したコロンビア大学のキース・ディアス教授(行動医学)は、「今回の結果は、今後、保健当局が身体活動ガイドラインを策定する際、「1時間ごとに5分間歩く」を重要な戦略として考慮できる強力な根拠となるだろう」と強調しました。

 

もちろん、実践できるのであれば、30分ごとに椅子から立ち上がって、少しでも体を動かすほうが望ましいです。一度に30分以上座り続けることは、ガンによる死亡リスクとも相関関係があります。英国グラスゴー大学の研究チームが、英国の成人約9万人を約12年間追跡調査し、医学誌「PLOS Medicine」に発表した研究によりますと、30分以上座っている時間が1日あたり1時間増えるごとに、ガンによる死亡リスクが9%高まりました。

 

座りっぱなしの生活が健康に及ぼす影響は、座っている総時間だけでなく、長時間じっと座り続けているか、それとも途中で頻繁に体を動かしているかによっても異なる可能性があることを示唆しています。

 

 

◇論文情報

 

Evaluating movement breaks as a public health strategy to mitigate the harms of prolonged sitting: a large-scale pragmatic intervention. British Journal of Sports Medicine.

 

 

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[末期ガン治療]進化する直腸がん治療!「治す」と「生活の質」両立する時代へ

 

 

■[末期ガン治療]進化する直腸がん治療!「治す」と「生活の質」両立する時代へ

 

 

直腸癌(がん)の治療は、この20年で大きく進歩しました。診断は内視鏡検査で病変を確認し、組織検査で確定します。その後、CTやMRIを用いて、ガンの深達度やリンパ節転移、他臓器への転移の有無を詳しく調べ、最適な治療方針を決定します。

 

早期癌では内視鏡治療で完治することもありますが、進行癌では手術が中心となります。現在は腹腔鏡手術やロボット支援手術が普及し、傷が小さく、出血が少なく、回復も早くなりました。また、術前に抗がん剤や放射線治療を組み合わせることで腫瘍を縮小させ、根治性を高める治療も広く行われています。

 

さらに一部の患者さんでは、術前治療で癌が完全に消失したと判断されれば、厳重な経過観察のもとで手術を行わない「Watch and Wait」という治療戦略が選択されることもあります。ただし、私の知る限りでは、日本においてこの治療法は普及していませんが、高齢化社会にともない増えてくるのではないかと予想します。

 

直腸は骨盤の奥深くにあり、排尿や性機能をつかさどる自律神経が非常に近くを走っています。そのため、手術では神経をできるだけ温存するよう細心の注意を払いますが、癌の広がりによっては神経を切除せざるを得ないこともあります。

 

また、部位、癌の進展具合により永久的人工肛門、一時的人工肛門になる場合があります。以前と比較すると永久的人工肛門は減少しました。一時的人工肛門は、手術でつなぎ合わせた吻合(ふんごう)部が完全につながったことを確認してから腹腔内に落とし込む手術を二期的に行います。

 

術後には、排尿障害や排便機能の変化がみられることがあります。また、男性では勃起機能障害や逆行性射精、射精障害などの性機能障害が起こることがあり、女性でも性交時の痛みや性的満足度の低下を経験されることがあります。これらは命に関わる合併症ではありませんが、患者さんの生活の質に大きく影響するため、治療前から十分な説明を受けることが大切です。

 

現在では、自律神経温存手術の技術向上やロボット支援手術の発展により、これらの合併症は以前より減少しています。しかし、最も重要なのは、機能温存を優先するあまり根治性を損なってはならないということです。癌を確実に治すことを第一に考え、可能な限り神経や肛門機能を温存することが、現代の直腸癌治療の基本理念です。

 

直腸癌の治療は決して一つの方法ではありません。患者さん一人ひとりの病状や人生設計に合わせて最適な治療法を選択することが、最良の結果につながると考えています。不安や疑問があれば遠慮なく専門医に相談し、十分に納得した上で治療を受けていただきたいと思います。

 

 

■教えて下さったのは・・・谷光利昭先生

 

兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。

 

 

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[末期ガン治療]抗がん剤が効かない患者に新たな希望!免疫療法の最前線とは

 

 

■[末期ガン治療]抗がん剤が効かない患者に新たな希望!免疫療法の最前線とは

 

 

日々進歩するガン治療…。新たな技術は医療に何をもたらし、患者をどう支えているのでしょうか。現状を追いました。

 

髪が抜け落ち、全身を倦怠(けんたい)感が覆う…。抗がん剤治療は強い副作用を伴うのに、効果が長続きしませんでした。

 

「自分の命はどうなるんだろう」

 

血液のガンである悪性リンパ腫を患った男性(58)=福岡県大野城市=は2年ほど前、命が尽きる不安に駆られていました。

 

その後、主治医である九州大病院(福岡市)血液・腫瘍・心血管内科准教授の加藤光次先生(57)が、新しい治療法を提案しました。「CAR-T(カーティー)療法」です。

 

患者の血液からT細胞と呼ばれる免疫細胞を採取し、遺伝子を改変すると、ガンを見つけ出して攻撃する力が強まります。こうして生み出した「CAR-T細胞」を体内に戻し、ガンを狙い撃ちにする仕組みです。

 

「自分の細胞が、自分を助けてくれるはず」。男性は望みを託し、細胞を体に投与してもらいました。副作用の高熱は2週間程度で落ち着き、回復に向かいました。

 

「人生観が大きく変わった。お金が欲しいとか、あれが買いたいとか、そんな欲はなくなった」。以前のように働き、ゴルフを楽しめる幸せをかみしめます。

 

 

 ◆◆

 

CAR-T療法は2019年、公的医療保険が適用されるようになりました。ともに血液のガンである悪性リンパ腫や多発性骨髄腫で、抗がん剤の効果が十分でなかったり、再発したりしたケースを対象とします。

 

加藤先生は「患者さんに新しいチャンスを与える画期的な手法」と意義を語ります。70代でも受けられるのが特徴です。治療が難しい悪性リンパ腫では、治癒の割合が半数程度に高まったといいます。

 

治療費は3千万円を超えるものの、高額療養費制度で自己負担は一定程度抑えられます。大学病院などが中心になって取り入れており、患者支援団体は地域によって受けやすさに差が生じない体制整備を国に求めています。それだけ期待は大きいのです。

 

 

◆◆

 

患者の免疫を利用する方法は、九州がんセンター(同市)も研究を続けます。やはり血液のガンである成人T細胞白血病(ATL)を対象にしています。

 

特定のウイルスに感染したリンパ球の一部が、ガン細胞に変化して発症する病気です。抗がん剤を投与しても1年未満で再発することが多く、治癒は難しい。

 

新たな治療法ではまず、患者の白血球からつくった「樹状細胞」に、ガン細胞の目印を付着させます。これを患者に投与すると、体内のリンパ球が目印を覚え、ガン細胞を攻撃するようになるといいます。

 

同センター血液・細胞治療科部長の末広陽子先生(60)は約20年間、この研究を続けてきました。治験は今も継続中です。研究費確保のため今年実施したクラウドファンディング(CF)では、約千人から1300万円以上が集まり、期待の大きさをうかがわせました。

 

末広先生はCFで寄せられたメッセージに心を打たれたといいます。

 

「父がATLで闘病中です」「早く新しい治療法が患者に届くように」-。感染し、発症していない人から「私もキャリアーです」と明かす声も多く届きました。

 

「患者さんが元気を取り戻し、人生を楽しめるように、治療法として確立したい」。多くの命を救うすべになるよう、末広先生は決意を新たにしています。

 

 

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