[ガン検診]「前立腺がん」と診断される基準はご存じですか?

 

 

■ [ガン検診]「前立腺がん」と診断される基準はご存じですか?

 

比較的ゆっくり進行し、早期に発見すれば治癒することが可能な前立腺がん。近年、最も増加しているガンの一つとされており、高齢化に伴い、患者数は今後も増えると見込まれています。前立腺がんの早期発見には検診が重要です。一体検診ではどのようなことを行うのか、あらい泌尿器科の新井先生にお聞きしました。

 

 

●前立腺がん検診ではどんな検査をするの?血液検査が必要って本当?対象者は何歳からの男性?

 

Q: 前立腺がんの検診では、どのようなことを行うのですか?

 

A新井先生: 血液検査を行い、PSAという数値を調べます。PSAの数値が高くなればなるほど、前立腺がんである確率も上がってきます。

 

 

Q: PSAとはなんですか?

 

A新井先生: 「前立腺特異抗原(prostate-specific antigen)」の略語で、前立腺の上皮細胞から分泌されるタンパクのことを意味します。通常は精液のなかに含まれており、前立腺の組織が壊れていなければ、血液中に漏れ出ることはほとんどありません。しかし前立腺がんを発症すると、血液中のPSAの数値が高くなります。そのためPSAは前立腺がんを発見するための腫瘍マーカーとして用いられているのです。

 

 

Q: PSAの数値が高いということは、「前立腺がんである」ということなのですか?

 

A新井先生: いいえ、必ずしもそういうわけではありません。なぜならPSAは前立腺がんだけでなく、前立腺肥大症や前立腺炎などの病気があるとPSAが血液中に漏れ出し、血中のPSAの数値が高まるからです。

 

 

Q: ガンでなくてもPSAの数値が上昇することもあるのですね。

 

A新井先生: はい、そもそもPSAは前立腺の正常な細胞でも作られているため、前立腺が肥大したり、炎症したりすると血液中に漏れて数値が上昇することがあるのです。ただし、ガン細胞の方が効率よくたくさんのPSAを作るため、ガンの疑いを示す腫瘍マーカーとして用いられています。

 

 

Q: 確実に前立腺がんかどうか見極めるには、どうしたら良いのですか?

 

A新井先生: PSA検査は一次スクリーニングとして用いられ、PSA値が高い場合には前立腺MRI検査や直腸内触診、経直腸的超音波(エコー)検査などを行います。

 

 

●前立腺がん検診の検査内容は?検査は日帰り・入院?費用は保険適用される?

 

Q: 前立腺がんの検診は日帰りで受けられるのですか?

 

A新井先生: はい。PSA検査は採血により行われるため、人間ドックや自治体のガン検診でも受けることができ、日帰りで実施可能です。

 

 

Q: 保険は適用になりますか?

 

A新井先生: 自覚症状がなく、検診の一環として前立腺がん検診を受ける場合には自費になります。人間ドックのオプションで前立腺がん検診を追加する場合には、だいたい2000~3000円になります。自治体の前立腺がん検診を利用する場合には、無料~2000円くらいが目安でしょう。

 

 

Q: PSAが高かった場合、どうしたら良いのですか?

 

A新井先生: 前立腺がんが疑われる場合には、前立腺MRI検査や直腸診などを行います。前立腺MRI検査は非常に感度が高く、ガンの位置や、浸潤の有無、リンパ節への転移などを調べることができます。また直腸診とは医師が肛門から指を挿入して直腸の壁越しに前立腺を触診する検査です。前立腺の一部は直腸に接しているので、直腸に指を入れて前立腺に触れることで、前立腺にしこりはないかなどが確認できます。

 

 

Q: それらの検査で前立腺がんの疑いが強いとされた場合には?

 

A新井先生: その場合には、前立腺針生検を行います。これはまず、前立腺にまんべんなく12カ所以上針を刺し、さらにMRIや直腸診でガンが疑われるところにも針を追加して組織を採取する検査です。組織を顕微鏡で観察し、ガン細胞が見つかった場合には前立腺がんと確定診断されます。

 

 

Q: 針生検は日帰りでもできるのですか?

 

A新井先生: 針生検の方法によって異なります。直腸から針を刺入する場合は麻酔を使わず、日帰りでもできますが、会陰部から針を刺入する場合には麻酔が必要となるので、通常は2~3日入院していただきます。

 

 

Q: 入院が必要なこともあるのですね。

 

A新井先生: はい。特に早期がんの場合には、小さな病変にも針が当たるように針の本数が多くなるため、入院して麻酔下で検査をすることが推奨されています。

 

 

●前立腺がん検診でガンの目安となる数値「PSA値」とは?検診頻度は毎年受けるべき?

 

Q: PSAの数値は、どれくらい高かったらガンが疑われるのでしょうか?

 

A新井先生: 年齢によって基準値が異なります。50~64歳の場合には3.0ng/mL以下、65~69歳は3.5ng/mL以下、70歳以上は4.0ng/mL以下が基準値とされ、これを超える場合には精密検査が必要になります。

 

 

Q: 前立腺がんの検診は何歳から受けたら良いのでしょうか?

 

A新井先生: 一般に、前立腺がんは50歳を過ぎると罹患率が高くなることがわかっています。そのため50歳を過ぎたら、一年に一度は前立腺がん検診を受けることが推奨されています。ただし、前立腺がんは遺伝的要素もある程度関わるとされているため、親や兄弟など身内に前立腺がんの患者がいる場合には40代から定期検診を受けるようにしましょう。

 

 

Q: 遺伝することもあるのですね。

 

A新井先生: いわゆる遺伝疾患ではありませんが、発がんに関わる遺伝子もいくつか見つかっており、遺伝的な要素が関連することがある、とされています。もし身内に前立腺がんを発症した人がいる場合、PSAの基準値を見る際には1段階年齢を下げ、より厳しい基準で判断することをお勧めします。

 

 

Q: PSA検査は定期的に受けた方が良いのですか?

 

A新井先生: はい。まずは、50歳を過ぎたら一度は検診を受けるようにしましょう。その後は、PSAの数値によって測定間隔を決めると良いでしょう。

 

 

Q: 最後にメッセージをお願いします。

 

A新井先生: 現在日本において、男性に発症するガンのなかで罹患率1位は前立腺がんです。高齢化の影響もあり、患者数は非常に増えています。一般的に前立腺がんは進行の緩徐な疾患ですが、進行すれば生活を制限され、QOLも低下します。また、ガン性疼痛に悩まされたり、悪性疾患であるため、生命に関わったりすることもあります。そうした事態を避けるためには、できるだけ早い年代に前立腺がんの検診を受けることが必要です。早期に発見できれば適切な治療を行うことで、長期間にわたって元気な人生を歩むことができます。該当する年代の方は、ぜひ、一度検診を受けていただきたいと思います。

 

 

●まとめ

 

前立腺がんはほかのガンと違って進行がゆっくりであり、経過観察で済むことも多い、珍しいタイプのガンです。早期発見・早期治療のためにも、早いうちに一度、検診を受けるようにしましょう。

 

 

■教えて下さったのは…新井 学 先生

 

医師/あらい泌尿器科/1991年3月東京医科歯科大学医学部 卒業、東京医科歯科大学医学部附属病院(現・東京医科歯科大学病院)泌尿器科入局。藤沢市民病院泌尿器科、春日部市立病院(現・春日部市立医療センター)泌尿器科、東京都多摩老人医療センター(現・東京都立多摩北部医療センター)泌尿器科、中野総合病院泌尿器科、獨協医科大学越谷病院(現・獨協医科大学埼玉医療センター)泌尿器科准教授、獨協医科大学埼玉医療センター前立腺センター 教授、獨協医科大学埼玉医療センター総合がん診療センター センター長などを経て2023年4月あらい泌尿器科開院。日本泌尿器科学会専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。

 

 

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