■ [ガン治療]食道がん生存率の最新情報は?食道がんの病期は深さや転移で決まる!
●「早期がん」といえるのはステージ0の段階だけ
ガンがどれくらい進んでいるか、広がっているかで、今後の経過の予測は異なり、推奨される治療法も変わってきます。食道がんの進行度による分類(ステージ)のしかたはいろいろありますが、日本では0〜IV期まで5段階の病期に分けてとらえるのが一
般的です。
■病期を決める3つの要因
ガンの進み具合いは、大きく3つの要因に分けてとらえることができます。これら3つの要因を組み合わせて、日本独自の「食道がんの病期分類」が定められています。
(1)T 壁深達度
食道壁のどこまで、ガンが達しているかをみる。ガンが達している層ごとに、T1a-EP、T1b-SM1などと、さらに細かく分類されることもある。
・T0 ガンがごく小さく、原発巣として認められない段階
・T1a ガンが粘膜内にとどまっている
・T1b ガンが粘膜下層に浸潤
・T2 ガンが固有筋層に浸潤
・T3(T3r,T3br) ガンが食道外膜に浸潤
・T4 ガンが食道周囲臓器に浸潤
(2)N リンパ節転移の状況
食道のまわりにはたくさんのリンパ節がある。原発巣の近くにあるリンパ節(領域リンパ節)への転移の有無や個数をみる。
・N0 領域リンパ節転移なし
・N1 1~2個
・N2 3~6個
・N3 7個以上
(3)M 遠隔転移の有無
食道に隣接しない臓器や、ガンから離れたところにあるリンパ節(領域外リンパ節)に、ガンが転移しているかどうかみる。胸膜、腹膜などへの播種性転移も遠隔転移に含まれる。
・M0 遠隔転移なし
・M1a 領域外リンパ節に転移があるが、切除による治療効果が期待できる
・M1b M1a以外のリンパ節転移または遠隔臓器に転移がある
早期がんといわれるのは、深さが粘膜内にとどまり転移もない0期(ステージ0)に限られ、II期以降は進行がんとされます。医師が診断を告げる際には、病期についても伝えられます。自分のガンが今、どのような状態かを正しく把握するために、病期の意味を理解しておきましょう。
●病期などを目安に治療法を選ぶ
食道がんの標準的な治療法は、手術療法、化学療法、放射線療法、内視鏡治療(内視鏡的切除)の4つ。どの治療法が適しているかは、病期などを目安に判断していきます。
ガンの治療(標準治療)は、病巣を取り除いたり、放射線や抗がん剤でガン細胞を死滅させたりするのが基本です。食道がんの場合、ひとつの方法だけでなく、いくつかの方法を組み合わせて進めることがよくあります。これを集学的治療といいます。ある治療法の弱点を別の治療法で補うことで、より高い治療効果を得るのが目的です。
一口に食道がんといっても、進み方・広がり方はいろいろで、全身の状態も同じではありません。当然、最善と考えられる治療法も人によって変わってきます。
通常の医療機関でおこなわれている標準的な治療は上記の画像のとおりです。「どれか1つだけ」というわけではなく、いくつかの方法を組み合わせることも少なくありません。
●食道がんの生存率は年々高まっている
ガンは、しっかり治療をして病巣が確認できなくなっても、目に見えないガン細胞まで完全に体内から取り除けたかどうかははっきりしません。そのため、完全に治ったという意味の「治癒」という言葉を使いにくいのが現状です。そこで、ガンの治りやすさは「治癒率」ではなく、治療後に生きている人がどれくらいいるかという「生存率」で示します。
治療後の期間が長ければ長いほど、再発や転移が起きてくる危険性は減っていきます。治療後5年の生存者の割合、すなわち5年生存率の確率が高いほど「治りやすい」と考えてよいでしょう。
たとえば、2014年に日本食道学会の委員会に登録された治療成績によると、外科切除後の生存率(すべての病期を含む)は1年88.2%、2年75.5%、5年59.3%となっており、5年生存率は6割近くにのぼります。
●進行がんだからと落ち込まないで!
診断・治療法、術後管理の進歩などもあって、近年、食道がんの生存率は大きく向上しています。病状が進んでいればいるほど治りにくくなるのは事実ですが、多少治療が遅れたからといって落ち込んでばかりもいられません。現段階でできる最善の治療法はなにかを考え、積極的に選び取っていきましょう。
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