■ [ガン治療]放射線療法・化学療法(抗癌剤)・免疫療法の副作用とは~食道がん
●【免疫療法】免疫を強化する薬を使うこともある
もともと体に備わっている、異物を排除しようとする働きを免疫といいます。その力を利用した治療法は「免疫療法」といわれます。ガンに対する免疫療法として効果が実証され、食道がんの治療にも用いられるようになってきた薬が「免疫チェックポイント阻害薬」です。特定のたんぱく質にだけ作用する分子標的薬の一種で、健康保険の適用が認められた治療法のひとつになっています。
なお「免疫療法」といわれるもののなかには、いわゆる民間療法(患者の血液中から免疫細胞を取り出し、体外で培養して増やして再度患者の体内へ戻す方法)をはじめ、効果が科学的に実証されていないものも多く含まれている点には注意が必要です。
食道がんは男性のほうが女性の6倍ほど多いのですが、これは食道がんのリスクを高めるような生活習慣をもつ人が男性に多いためと考えられています。女性だからといって安心はできません。危険な生活習慣は男女を問わず減らすことが必要です。
■使用が検討される例
食道がんの治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬は、ニボルマブ(オプジーボ®)、ぺムブロリズマブ(キイトルーダ®)、イピリムマブ(ヤーボイ®)の3種類です(2023 年10 月現在)。
(1)術前化学放射線療法+手術後の補助療法
化学放射線療法のあと手術をおこない、ガンが完全に消えたといえない場合には、ニボルマブの投与を続けることで、5年生存率が高まることがわかっています。
▼使い方
2~ 4週間間隔で点滴。これを12ヵ月間続ける
(2)手術で切除できない進行・再発の食道がん
従来の抗がん剤のみの化学療法にくらべ、免疫チェックポイント阻害薬を併用することで、より長く生きられる可能性が高まります。ただし、患者さんの状態によっては副作用などのために治療が続けられないこともあります。
▼組み合わせ方
●ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)+抗がん剤(シスプラチン+5FU)
●ニボルマブ(オプジーボ®)+抗がん剤(シスプラチン+5FU)
●ニボルマブ(オプジーボ®)+イピリムマブ(ヤーボイ®)
●免疫チェックポイント阻害薬にも副作用はある
抗がん剤にくらべ、免疫チェックポイント阻害薬の副作用は少ないとされます。しかし、免疫の働きが強くなりすぎて、ときに間質性肺炎、1型糖尿病など重い副作用が出てくることもある点には、注意が必要です。免疫の働きすぎによる副作用は、多くの場合、ステロイド薬などの免疫抑制薬を使うことで、対処可能です。
■起こるかもしれない副作用
●疲労 ●吐き気 ●発疹 ●かゆみ ●食欲減退 ●下痢 ●貧血 ●間質性肺炎 ●大腸炎 ●甲状腺機能障害 ● 1型糖尿病 ●肝障害 など
●【副作用】つらい症状は薬も使いながら乗り切る
化学療法や放射線療法は、手術療法のように、直接体に傷がつくことはありません。しかし、抗がん剤も放射線も「ガン細胞だけ」に影響するわけではありません。健康な細胞も傷つきます。とくに粘膜や毛根、血球をつくる細胞などは分裂するスピードが速く、抗がん剤や放射線の影響を受けやすいため、さまざまな副作用が出やすくなります。ただし、副作用の現れ方には個人差があります。症状を抑えるための薬もありますし、多くは治療が終われば治まります。
●副作用への対処法
副作用が起きること自体は避けられません。医師や看護師に相談しながら、乗り切っていきましょう。
■薬でコントロール
●出やすい副作用に備えてあらかじめ薬を飲んだり、症状に応じた薬を使ったりする
●吐き気や嘔吐、倦怠感などは薬で軽くできる。皮膚炎には軟膏を塗る
●白血球の減少は薬である程度予防可能。血小板、赤血球の減少は輸血で補う
■生活面での工夫
●皮膚が赤くなりかゆいときは冷やすとよい
●嘔吐のあとは冷水でうがいしたり、氷を口に含んだりするとすっきりする
●通院治療の場合、食事はやわらかく、刺激の少ないもの、水分の多いものを用意する
●ゼリーやシャーベットなどは、食べやすいおやつ
●脱毛が気になる人は、スカーフやキャップなどの用意を。治療終了後3〜4ヵ月で元に戻る
■重大な副作用は治療方針の見直しも
●肝機能や腎機能などの低下がいちじるしい場合、治療を続けるかどうか、程度をみて判断
●血球の減少がなかなか回復しない場合、次の治療の開始時期を再検討することもある
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