■ [ガン予防]食事だけじゃない!大腸がんに特徴的な生活習慣も判明!
●やはり大腸がんは予防が大切
大腸がんは大変多く見られるガンです。
2021年のデータでは男性の患者数は前立腺がんに次いで2番目に多く、女性でも乳がんに次ぐ患者数第二位のガンです。
そして経過も良くありません。
同じく2021年、日本人の女性がん患者では、大腸がんで亡くなった方が最多でした。男性でも肺がんに続く第二位です。さらに残念なことに、大腸がんは患者数、死亡者数とも増える一方で減少する気配はありません(図)。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240217/00/sarah-lfa/e1/cc/j/o0721046015402408161.jpg?caw=800)
それだけに「予防」が大切なのです。
●大腸がん患者に特徴的な食生活や生活習慣を調査
その「大腸がん予防」について興味深い論文が2023年12月20日、「栄養学」という学術誌に載りました。著者は中国・山西大学のムハンマド・トゥファイル氏たちです。トゥファイル氏の母国であるパキスタンのデータを解析した結果です [文末文献1] 。
同氏たちは「大腸がん」で入院した約500人のデータと、年齢や性別などを揃えたガンではない約500人のデータを比べ、「大腸がん」発症と関係する因子を調べました。患者の約5割は「60歳以上」でしたが、「41〜60歳」もおよそ33%を占めています。
その結果、「喫煙」や「ドカ食い」(大腸がんリスク増大)「野菜」や「果物」(リスク低減)など従来から指摘されていた因子に加え、いくつか意外な因子が大腸がん発症リスクと関係していました。
●「テレビ/ゲーム」や「不規則な睡眠」でもリスク高?
まず第一は「ファストフード」…。大腸がんになった人たちは、ファストフードをたくさん食べていました。そして「食用油の再利用」…。これも、大腸がんの人たちで多く見られた習慣です。
さらに意外だったのが「テレビやゲームに費やす時間」…。大腸がん患者では、これらの時間が長かった傾向が認められました。
そしてもう一つ、「不規則な睡眠」…。これも大腸がん患者で多く見られた特徴です。つまり規則正しく就寝・起床していないと、大腸がんリスクが上昇すると示唆されたのです。
●食事だけでなく生活習慣にも気をつけよう
ただこれらの「因子」と「大腸がん」の間に因果関係があるかどうか、この研究からは不明です。これらの因子を持つ人たちに共通する何かが、大腸がんに影響を与えている可能性もあるからです。さらにたとえば「大腸に問題があるとファストフードを食べたくなる」「大腸がんが潜んでいる人は眠りが不規則になる」可能性も否定できません(「因果の逆転」と呼ばれます)。
しかし因果関係の有無は措くとして、この研究が「大腸がん」に「なりやすい/なりにくい」人の食習慣や生活習慣を明らかにしたのは事実です。だとすれば賭けるつもりで「なりにくい」習慣を取り入れてみませんか?
食用油はできるだけ新鮮なものを使う/選ぶ(これでファストフードの回数が減るかもしれませんね)、テレビとゲームはほどほどに、そして規則正しい睡眠習慣を守る——。これくらいのことで大腸がんのリスクが下がるのであれば、結構、お得だと思いますよ。
●最後に
いかがでしたか?大腸がんの発症には、食事に関するよく知られた危険因子に加え、生活習慣を含む意外な危険因子も潜んでいるという論文でした。
■今回ご紹介した論文
- 大腸がん患者に特徴的な食生活と生活習慣 [英語]
英語論文で要約までしか無料では読めませんが、DeepLなどの翻訳サイトを使ってご自身でも読んでみてください!
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