私はトランペットで、一番放送室に近かった。そこで重大な仕事を任せられていた。
それは照明の調節だった。
ある曲で、照明を暗くするのがあり、途中からまた明るくしていく合図を任されていた。
いつもは親友だが今日はそういう訳にいかない。
みんなが準備してる間に仲井くんに伝えにいった。
「曲の途中で照明を暗くしてほしいねんけど、その時に合図送るから、今からその合図の説明するな。
私が人差し指で放送室を指差したら暗く、ピースをむけたら明るくして!」
私が言い終えると彼は笑顔でこう言った。
「了解! がんばれよ!」
私は最高の笑顔で返した。
「うん!!」
合図もうまくいき、後はアンコールだけだった。
『アンコール!アンコール!』
その声と共に演奏に入った。
曲はゆずの栄光の架け橋。
3年生との最後の演奏。
私は演奏中なのに泣いてしまった。
演奏は終わり、先生に言われて私は放送室に戻った。
放送室の端で泣いていた。
すると彼が優しく肩を叩いてくれた。
合唱コンクールの結果も発表され、文化発表会は無事終わった。
その後、片付けも終わり、吹奏楽部で打ち上げをして私は帰った。
先輩が明日からクラブにこない寂しさと、謎な満足感に浸りながら