「なんでやねん!無い無い!」
私は必死にそう言った。
「え~ うちは仲井ありやけどなぁ‥ イケメンやし優しいし!女子からモテモテ(笑)」
「へぇ」
私は上の空でそう答えた。
『モテてる』
それを聞くと何だか不安になってきた。
もう一度男子の試合を見てみると、4点追加されていた。
どうやらダンクシュートはOKだったみたいだ。
「次!第三試合の人!!」
「いってらっしゃい!彩華!」
「行ってきます(泣)」
遂に私の番が来てしまった。
ちらっと男子の試合を見てみると、男子も第三試合に入ったところだった。
ピーー
バシッ
笛がけたたましく鳴り、ジャンプボールをした。
はじいたのは敵。
なのに私の腕の中にボールがあった。
私はドリブルでゴールへ向かったが、うまくいくことなく、強い人にパスした。
そのままどんどん点が入った。
でも敵も強く、第三試合は接戦になった。
そんな時、敵にボールがまわり、私はボールをとろうとしてドリブルをしてる人に近づくとぶつかって飛ばされてしまった。
グキッ
そんな音が足からして私は尻餅をつくように転んでしまった。
今は試合中なので急いで立った。
でも左足がズキズキしてうまく立てない。
左足に体重をかけてみると、ズキズキが大きくなって私は足を押さえてうずくまってしまった。
まわりに人が集まって暗くなった。
私はずっと俯いていて顔をあげなかった。
正確に言うとあげれなかった。
私は泣いていた。
すこしすると、前が明るくなって、人が近づいてきた。