物事の結果をまるで予測していたかのように捉える認知の偏り

 

後知恵バイアスは、物事の結果を知ったあとに、あたかも以前から想定していたかのように思い込む心理傾向です。例えば、学生時代にあまり目立つことなく孤立していて存在感の薄かった同級生が、のちに社会的な偉業を成し遂げたことを耳にすると、「彼は出世するだろうと自分は思っていた」などとその同級生の才能を見抜いていたかのような都合の良い事を話し出す人がいたりしますが、これは後知恵バイアスによる認知の歪みによるものと考えられます。

 

米国の心理学者は、被験者の学生たちのアンケート調査によって、ある出来事が起きる以前と以後で想定していた確率に顕著に違いが見られたと報告しています。

 

 まとめ

 

人は、物事の結果が明らかになったのちに予測可能だったと捉えやすい傾向があるようです。人は全てを記憶しておくことが出来ないため結果に合わせて記憶を都合よく書き換えたり、あるいは自分の判断の間違いを正当化するために無意識にそういった

心理が働くのかもしれません。他者を評価するときの公正さに影響する場合もあるため、自分の判断能力や予測の精度の過信に意識を向ける事が必要かもしれません。