人を分類する事で情報を簡略化する

 

ステレオタイプは、社会的カテゴリーである国籍職種性別年齢県民性の共通する単純化されたある特徴の先入観思い込みといった固定観念の事を言います。例えば、大阪人はおもしろいや東京に住んでいる人はセンスが良い等です。大阪人でも面白くない人はいますし、東京に住んでいるからと言って皆がお洒落であるとは限らないでしょう。

 

社会心理学者のクローディア・コーエンのある実験によってステレオタイプが人の認知を歪める事を示唆しました。簡略して説明すると、被験者に同一人物の女性の動画を観てもらい職業が司書と伝えられた場合とウエイトレスと伝えられた場合の鑑賞後の記憶を尋ねたところ、司書はメガネをかけているや趣味が読書で絵画が好き等、ウエイトレスは楽器演奏が趣味や活動的でビールが好き等。被験者が同一人物の女性の同じ動画を観た場合であっても、その職業に即したイメージによりその女性を判断する傾向にありました。

 

個人の特徴がステレオタイプによって当てはまらない場合や内容が現実に即していない可能性もある為に単純に判断することは偏見へと繋がる恐れがあります。人は様々な特徴と個性を持つ事を踏まえてステレオタイプによって偏った判断をしていないか意識する事により画一的な見方を避ける事が出来るかもしれません。