思い込みによる暗示の効果は少なくない

 

自己暗示とは、自分に肯定的な暗示をかけることによりそれに見合った結果を引き寄せる事象です。例えば、人見知りの人が社交的な人物像に憧れを抱いている場合、暗示をかける事によってその人物像に近付ける可能性があります。

 

ワシントン大学の社会心理学者アンソニー・グリーンワルドが行った心理実験では、約300人の半数の人に自尊心が高まる音声を、残り半数の人に記憶力を高める音声を5週間毎日聞き続けてもらったところ、約50%の人が効果があったと回答しました。

 

しかしこの心理実験で本当に興味深いのはここからで、アンソニーは半数の人に自尊心が高まる音声であると言いながら実際は、記憶力を高める音声を渡していました。残りの半分の人には記憶力が高まる音声であると実際は、自尊心が高まる音声を渡していたのです。これらのことから聞き続けた音声の内容にあまり意味が無くても半数の人は効果を実感しており、人の思い込みによる自己暗示の効果があると推測されます。