今まで、多くの小中高校生に「いのちの授業」や「性教育」をお伝えしてきました。
そのなかで忘れられない生徒さんがいます。
それは、高校1年生の16歳の女の子。
この女の子には、つきあったカレシはいませんでした。
でも、性行為をした人数は、20人以上…。
「やらせて」と言われたら「いいよ」って言っちゃう。断りたくなんかない。だって、私を必要としてくれていることがうれしいから…
この生徒さんは、優秀とはいえない定時制高校に通っていました。「名前を書けば合格する」と言われている学校です。
だって、ずっと「お前はバカだ」って言われているから、わたしなんかをカノジョにしてくれる人はいないと思う。喜んでくれるなら嬉しいから、べつに。
エッチをするのはいつも公園のトイレ。「やりたいときにすぐやらせろ」って言われるから、男の人ってそんなもんかなあと思って。わたしはカノジョじゃないから、ラブホには行けないって言われるので。
この言葉を聞いて、涙が出ました。
怒りと、悲しみと、やるせなさと、いろんなものが混ざり合った気持ち。
だって。
この女子高生は、
くりっとした愛らしい目。
肌は白くてマシュマロのよう。
うなずくたびに揺れるストレートヘア。
一言で言えば、かわいくてたまらない16歳。
こんなかわいい16歳に、
剥き出しの性欲だけで近づく男性たち。
そのことは100歩譲ったとしても、
せめて、せめて、
大切に向き合ってほしい。
人としての尊厳ある関わり方くらいはしてあげてほしい。
セックスは、命の誕生につながる行為。
トイレは排泄の場所。
排泄のようなセックスは、女性として人としての尊厳を踏みにじる。
人として尊厳ある関わり方は最低限のマナーではないの?
性行為はいのちの誕生につながる神秘的な行為。
世界中のすべての人は、母の子宮で育った。
女性の腹部にある子宮は
「子」の「宮」
宮とは、神宮・お宮・宮様…
とても貴く尊い、恐れ多いものを指しているのですから。
どうか、あのときの女子高生が、
尊厳を踏みにじられず、大事に向き合ってくれる男性と出会っていることを願います。
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