池袋暴走事故のこと。

 

悲しい事故から2年以上たちましたが

まだまだ裁判が続いています。

 

被告は「ブレーキに異常があった」と主張し続け、

遺族の気持ちを逆なでする流れとなっています。

 

この家族のことを知れば知るほど、

ステキな家族すぎて苦しくなります。

 

深い愛で慈しみあっていた夫婦。

たくさん愛を注がれて育っていた女の子。

 

この夫婦が出会ったのが2013年。

愛を深め、結婚を決め、

信頼関係を築いたかけがえのない日々。

 

そして、

妊娠し、

つわりや胎動を感じ、出産を迎え、

授乳、夜泣き、離乳食、座った、立った…

笑顔に包まれた日々を過ごし、

 

24時間愛を注ぎ続けた日々。

 

ずっとこの先、夫婦2人で、

わが子の成長を見守り続けるはずだったというのに。

 

大切に大切にしている存在を、

たまたまその場に居合わせただけで

見ず知らずの人に壊されてしまうという不条理。

 

長い年月をかけてはぐくんできたものを

たったの数秒で壊されてしまう絶望。

 

 

まったく次元は違う経験ですが、

 

とても大事にしているものを軽んじられ、

約束を破られ、踏みにじられた経験があります。

 

そもそもはただの人的ミスだったけれど

犯されたミス自体よりも、その後の対応に傷ついた。

 

それは、

大切なモノを軽んじられる悲しみというより、

わたしの尊厳を軽んじられた悲しみでした。

 

もしも、


真摯に向き合ってくれて、

反省していると知れば、

受け止める感情は全然違った。

 

でも、

わたしの尊厳を踏み続けられ続けたことで

 

次第に冷静さを欠いていき、

憎しみの感情が押しよせることもつらかった。

 

 

 


池袋暴走事故遺族の松永さんのブログを読んで、

ボロボロボロボロ涙がとまらなくなりました。

 

「もう憎しみだけで生きたくない」


叫びのような思いがつづられていたから。

 

(加害者である)あなたの法律上の無罪を主張する権利は尊重しています。

 

正直、私たちはそれにずっと苦しめられてきましたが、罪と罰から逃れようとする事も一定の理解はします。


一審の判決が出たら、もう辞めにしませんか。こんな何も生み出さない無益な争い、もう辞めませんか。

 

妻が私に教えてくれた、他者に対する愛を、私に残された人生で実践していきたいのです。そして、妻と娘が愛してくれたままの自分らしくありたいのです。

 

そのために、私はあなたと争い続けるためにエネルギーをこれ以上使いたくないのです。そんな事より、交通事故をひとつでも無くすための活動に全力を注ぎたいのです。

 

私にこの先何年も、人を恨み続ける道を歩ませないで欲しい。

2人の愛してくれた、私らしい私でいさせて欲しいのです。

 

あなたが故意で命を奪ったわけではない事は分かっています。

ですが、これだけの客観的証拠が揃っているのです。

もうこれ以上争っても、お互いに苦しいだけではないでしょうか。

 

 

最愛の家族のために、

誇りある自分で生きていきたい…。

 

深い愛。

誠実さ。

謙虚さ。

 

なんという素晴らしい方だろう。


松永さんを、これ以上落胆させないでほしい。


そして、


被害にあった2人が、

天国で、穏やかに過ごせていたすように。

 

交通事故が、世界中からなくなりますように…。