先日お会いした産後1か月のママさんは、混合栄養で育てていました。

 

「できるなら母乳だけにしたいけれど無理だから…」と、不安でいっぱいの様子でした。

 

しかし実際は、

母乳は滴ってよく出ているし、赤ちゃんの体重増加も充分(というか増えすぎ)だったのです。

 

 

 

「粉ミルクはいらないですよ」

「○○さんならミルクを飲まさなくてもいいと思いますよ」

 

でも、どんな言葉も彼女には届かないようで、

返ってくるのは、母乳不足を確信した言葉ばかり。

 

わたしは母乳が足りないので。

 

母乳が出ないとかわいそうなので。

 

わたしには無理なので。

 

「〇〇さんはそう思うんですね。母乳が足りないと思う理由を教えてもらえますか?」と尋ねると、

 

だって、入院中に母乳測定で2gしか増えなかったんですよ!

頑張って吸っていたのに、2gしか出ていなかったんだと思ったらかわいそうで…。

 

あ、そうだったんだ。

 

入院中に見た母乳測定の数字が相当ショックだったんですね…。

 

(助産師から「全然増えてないね」と言われた言葉も刺さったようでした)

 

 

 

このように、入院中の母乳測定に自信をなくしたままの方によく出会います。

 

まず、

母乳測定はあてになりません

 

「赤ちゃんが飲みたいタイミング」で測定していなければ増えないのは当然です。

0gということもあります。

 

また、おっぱいは栄養補給だけではありません。

ただしゃぶりたいときや、甘えたいだけのこともあります。

 

もし母乳測定をしたタイミングが、甘えたいタイミングだったのであれば増えません。

 

また、

母乳量は変化します。

 

入院中の状態が今も同じとは限りません。

「入院中は0gだった」のであって、ママも赤ちゃんも日々変化するんです。

 

「今」の状態を信じてほしい。

 

 

 

さらに、このようなサインを母乳不足だと思っている方もいます。

 

以下の症状は母乳不足とは限りません。

 

    
  • 赤ちゃんが飲み終わってもすぐに泣く 
  • 飲み終わってもすぐに寝てくれない 
  • 搾ってもほとんど出ない
  • おっぱいが張らない

 

このように、「母乳不足のサイン」だと思っていたことが、実は違うこともあるのです。

 

 

 

専門職向けの書籍にも、このように書いてあります。

 

「授乳間隔が短く、すぐに欲しがるのは母乳が不足しているからである」

「乳房の張りがなくなってきたのは母乳分泌が減ってきたからである」

「30分以上乳房を離さないのは、母乳不足の証拠である」

というようなことは、いずれも不適切な情報である。

 

「母乳育児スタンダード」より引用

 

 

 

母乳は吸わせなければ出るようになりません。

吸わせなければ母乳量は減っていきます。

 

母乳不足だと思い込んでミルクの量を増やせば、母乳を飲む機会が減り、母乳が減ってしまうのです。そうならないためには吸わせることが大事。

 

冒頭の産後1か月のママは、すっかり自信を取り戻し、今は母乳育児を楽しんでいます。

 

母乳不足が心配なときは、少しでも早い時期に助産院へお越しくださいね。

 

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エジソンママさんの育児YouTubeにて、母乳育児について発信しています。

 

 

 

 

 

 

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