連日報道されている東京医大受験の女子減点ニュース。
わたし自身、男性不在の職業を選んだこともあり、受験や就職において男女差別を感じたことはありませんでした(※助産師は、現在の日本では女性しか国家資格取得できません)。
わたしの父親は、「男性だから女性だからではなく、その人」という考えで、「女性だから〇〇」という差別を嫌う人でした。そのため「女の子なのだから」と言われたことは一度もありません。男女の差ではなく「人として社会に役立つ人となるように」と、三人姉妹(私は長女)は「助産師・一級建築士・薬剤師」という進路を選びました。
しかし、結婚してから多くの男女差別に気づきはじめました。
夫の転勤が連続して仕事ができなかったときに、「女性の幸せは、厳しい社会で働く夫を支えること」と言われたことがあります。「女性に教育が必要なのは、育児するには知恵が必要だから」とも。
その言葉を聞いたときは「ふ~ん」と思ったものの、じわじわと「そんなこと言ってたら、社会は男ばかりになっちゃう!」と強い抵抗を感じたことを覚えています。
「女にはツキのものがあってヒステリーになるから、不安定で信用できない」という男性もいます。でも、女を言い訳にせず全力で仕事に励めば、「子どもがかわいそう」と言われてしまう不条理。男性が残業続きでも出張しても「子どもがかわいそう」とは言われないのに。
これはママ社会でも同じで、「母親でしょ」「仕事をがんばったら子供がかわいそう」という暗黙の圧力を感じたことは数えきれないほどあります。
さらに、男性は何歳になっても父親になることは可能だけれど(健康な人に限るが)、女性には出産のタイムリミットがある。だから、女性が出産せずに仕事に励めば「生産性がない」と言われてしまう腹立たしい現実。
日々、なんとなく慣れてしまっているけれど、日本にはまだまだ男女差別の意識が色濃く残っているのではないでしょうか。
日本の男女平等ランキングは…
114位/144ヶ国。
(※2017年度)
そして常々思うのは、日本女性のなかに無意識に「女性が頑張るべき」が刷り込まれているのではないかということ。
たとえば育児において、
「お風呂はパパには無理だから」
「うちのパパにはできないので」
「泣きだすから、だっこが任せられなくて」と、パパに練習の機会すら与えずに諦めているママもいる。
また、「パパは仕事が忙しいから」「パパに急な仕事が入ったので」と、子どもの予定を入れていた日の休日出勤でも「仕事なら仕方ない」というママも多い。
確かに仕事も大切。それは否定しません。
けれど、それって「パパにとって育児の優先順位が低くてもやむを得ない」と受け入れていることなのではないかな~と思うことがある。だって、もしママが子どもの予定がある日に休日出勤したら、まわりから「母親でしょ」「休みの日くらい仕事断れないの?」と非難轟々うけるだろうから…。
こんな、無意識にある男女不平等が、当然のように女性に刷り込まれている気がしています。
わたし自身が「無意識の男女不平等」を意識し始めたのは、娘が中学生になったころからかもしれません。未来を夢見て勉学に励むようすを見ながら、「女性だからと理不尽な思いをすることなく、人として未来を切り開いてほしい」と願いました。
今回の東京医大受験の女子減点ニュース。
もしもわが子が身を粉にして学び受験したのに、「女性だから」という理由で減点されていたらたまったもんじゃない。
将来、真の意味で男女が尊重しあえる社会を目指すとき、まず「女性自身が無意識の男女差別に気づく」ことからではないのかなと、わたしは思います。
(※過去ブログ「女性が『自分のことは自分で選ぶ』生き方に」)
もしもこのブログを読んで、
「でも男の人には仕事があるから無理よ~」「それはきれいごとで、実際はなかなかそうはいかないのよ~」とお考えになる方もいらっしゃると思います。私が指摘したいのは、そのようにお考えになることが「無意識の男女不平等を受け入れているのではないか」ということなのです。
「男性だから」「女性だから」ではなく、
「人として」認められ、尊重され、可能性を試す生き方ができる未来となりますように。
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