2011年公開。イギリスの小説を元にしたアメリカの映画です。
公開時にとても観たかった映画なのですが、タイミングが合わずようやく観ました。
第一次世界大戦下の混乱したイギリスで、一頭の美しい馬が生まれた。主人公の少年アルバートはその馬を一目見た瞬間から気に入り、興味を持つようになる。
ある日彼が仕事をしていると、農耕用の馬を買いに出掛けた父テッドがあの美しい馬を買って帰り、アルバートはとても喜ぶ。
農耕には向かないその馬を母ローズは怒って返すように言うが、アルバートは自分が世話をする事を約束し、その馬をジョーイと名付けて育て始める。
最初は言うことを聞かず馴染まなかったが、次第に心を通わせアルバートとの絆を深めていくジョーイ。
しかし迫っている開戦の鐘は、そんな穏やかな生活を壮絶な形で狂わせようとしていた――――
スティーヴン・スピルバーグの映画は好きです。
「ニューヨーク東8番街の奇跡」という映画があるのですが、これがgiselleが観て大好きになった最初のスピルバーグ作品です。
その後もE.T.、スターウォーズ、インディジョーンズシリーズなど、子供の頃にわくわくしながら観た映画はスピルバーグ作品が沢山あります。
さらにこの戦火の馬は、音楽監督にジョン・ウィリアムズという、安定の最高の組合わせで製作されていたので、より観たい気持ちが高まりました。
音楽監督ではジョン・ウィリアムズとビル・コンティの二人が好きなgiselleで、前者は聴きやすくて壮大な、後者はとても暖かみと人間味のある音楽を映画に合わせる感じがして、いつも映画が本当に心に残ります。
スピルバーグはもうずっとジョン・ウィリアムズと一緒に映画を作っているから、本当に信頼しあってる最高のパートナーなんでしょうね。
二人の関わっている作品は、とてもいいなって思うのが多いです。
さて本題の映画なんですが、とにかく、本当に馬が綺麗な作品でした。
ジョーイがとても細くてしなやかな馬で、馬ってこんな綺麗な動物だったんだなって一目で吃驚しました。
なんか馬ってもっと、がっちりしてて足も筋肉ガチッて太いイメージが勝手にあったんで、ちょっと見る目が変わりました。(笑)
そしてまさにそんな感じでこの馬に一目惚れしてしまうのが主人公アルバートなんですが、アルバート役のジェレミー・アーヴァインという人、これがまた本当にこのアルバート役にぴったりな俳優でした。
貧しい農場に生まれ育ったちょっと世間知らずな感じの、そして純朴だけど意志はとてもしっかりしている少年という雰囲気がとてもハマっていて良かったです。
新人俳優を起用したという事みたいですが、本当にナイスキャスティングだったと思いました。
今後の作品が気になる俳優の一人です。
この映画では戦争下にあるヨーロッパ諸国の軍の混乱や、その地のそれぞれの人々の想いや悲しみを、アルバートやジョーイが様々な形を通して遭遇する視点で描かれていて、そしてそこから、戦争中の色々な背景や「絆」の形を想像する事ができる作品になっています。
この作品を通して深く感じた事は、どの時代でも戦争では、優しい人や弱い人が犠牲になるという事。
序盤の方で、とても人間のよく出来た心優しい少佐がおり、そしてその少佐があっという間に亡くなる悲しい場面があります。
彼は戦馬として駆り出されるジョーイや嫌がるアルバートに対して、軍人さながらの高圧的な態度を取らず、敬意を払って接した素晴らしい人であったのに、戦争はそんな事は関係無く簡単に彼の命を奪ってしまいます。
そしてこの場面を境に、ジョーイは戦馬という身で様々な人達の「戦争」を感じる事になるのですが、後のシーンでもとにかく、戦争において"優しき"を持つ人間は必ず犠牲になる という形を始終変わらずに描いています。
この事から、結局戦争って何一ついい物は生まれないって事をより感じました。
勿論この映画を観なくても、そんな事は世界の9割以上の人が解っている事だと思います。1割の人が解ってないから現在でも戦争が起こっているだけです。
この事は、映画の終盤に近い辺りの、有刺鉄線に絡まったジョーイを敵戦国同士の兵士が協力して助け合うという場面でもよく表れています。
このシーンでの数分は観る側にとっても一時の安堵を感じる箇所で、兵士の会話を聞くと、双方とも「戦争」という事態になっている故に敵同士という形を持っているだけ、という雰囲気が非常によく感じられる場面です。
基本的に戦争には休戦時間という時間があり、その間はお互い攻撃をせずまた夜が明けたら戦争開始、等という暗黙のルールがありますよね。
このシーンではその間の出来事なのか端に中間地点だからかなのかは解りませんが、ジョーイ救出の数分間で、両国の兵士である人達が本来はただの人間であるという姿を感じる事の出来る、凄く素敵なシーンだと思いました。
兵士においてもまた、皆が好き好んで戦争をしている訳じゃないという事ですよね。
だからこの作品でも、人間の心を持った多くの兵士達がジョーイに見せる優しさには、本当に心を動かされます。
この映画に出てくる、人に対してであれ馬に対してであれ、過酷な状況の中でも優しさを持つ人間の姿はとても美しいです。
その優しさは、人としては正解
戦場においてはそれは命取り
なら後は戦争が無くなればいいだけ
そんな事を改めて考えさせられる、giselleとしては本当に良い作品なんじゃないかと思います。
ジョーイとアルバートの絆、そして戦争の無意味さと、戦争である事によって生まれた家族や人間の繋がりが描かれた、悲しいけど素敵な映画です。
物語も最後まで丁寧に作られていて、あとは綺麗な農場の景色と音楽が聴ける、美しいウマ映画です。(笑)
ただ一つ、個人的に「これを動物愛護団体が観たら狂いギレるんじゃないかな…」って思うような場面があって、そっちの方が泣きそうになりましたが(笑)、とにかく良い作品なので気になったら観てみてください♪
私は観て良かったなと思う映画です。
それではまた。

ってなりました。