まじかるクラウン 第74話 最期の肖像画 まじかるクラウン

王妃は 宣嬪(ウィビン)の快復を願い ひたすら祈祷を続けていた
恵慶宮(ヘギョングン)は それを中断させることなく外で待つ

『このひと月 1日も欠かさず三千拝を捧げ
宣嬪(ウィビン)様の快復を祈っておられます』
 

王妃もまた 病弱な体質である
しかし今は 宣嬪(ウィビン)とお腹の子の無事を祈るしかないのだ

宣嬪(ウィビン)の居室に 弟のウクが呼ばれた
痛みに耐え起き上がった宣嬪(ウィビン)は 弟と2人きりにしてほしいと願う
幼い日に生き別れ ようやく再会を果たした姉と弟は
長い年月を一緒に過ごせなかった
それが こんな形で会うことになるとは…

『私は悪い姉さんだわ 弟のあなたに…こんなに心配をかけて』
『私には信じられません どうして宣嬪(ウィビン)様がこんなことに…』

正祖(チョンジョ)王は 国中に触れを出し病を治せる医者を捜すが
宣嬪(ウィビン)を治せるという医者はいない

『そなたは肝硬変の患者を治した経験があると聞いたぞ!どうなのだ!!!』

これほどまでに気の荒い正祖(チョンジョ)王を見るのは 側近たちも初めてである
詰め寄られた医者も あまりに重篤な宣嬪(ウィビン)の病状では成す術が無い
声を震わせ 死を覚悟して絶望的だと答えるしかないのだ

『では… そなたも治せないのか 他の医者と同じく匙を投げるのか!!!』
『どうか私を 死罪にしてください…!!!』

今も痛みに耐え 苦しんでいる宣嬪(ウィビン)を思うと
正祖(チョンジョ)王は狂いだしそうなほどである
宣嬪(ウィビン)を失った後のことなど考えたくもないが その時が迫っている…!
そこへ 宣嬪(ウィビン)の弟ウクが謁見を願っていると ナム・サチョが知らせる

『王様…』
『来たか 宣嬪(ウィビン)には会ったか?
日々 容態は悪化しているというのに この国の医者は何の手も打てないそうだ
だが… 宣嬪(ウィビン)を失うわけにはいかない
朝鮮にいなければ異国の医者を呼ぶ そなたを呼んだのもそのためだ』

正祖(チョンジョ)王はウクに命じ 是非とも医者を捜そうと考えたのだ
ウクは天主教徒である
異国の宗教に明るいウクであれば “彼ら”を捜せるかもしれないと…!

『彼らとは 誰のことでしょうか』

正祖(チョンジョ)王は 1冊の医学書を差し出した
西洋の医術は既に清国に伝わっており 天主教の宣教師には医者もいるという
儒教を重んじる朝鮮で 異国の宗教に頼るということは極めて稀なことである
一国の王である正祖(チョンジョ)王が自らそうすることは 異例中の異例であり
側近らも賛成しがたいことであった
ジェゴンは 宣嬪(ウィビン)を思う王の心を知りながらも進言する

『私の知るところでは 西洋の医学では
身体を刃で切り裂き臓器をくり抜くなど 残忍極まりない治療を施すそうです!』

『我々の常識では考えにくい治療だが 彼らは重い病も治すことが出来ると聞いた
清国から戻った通訳官の話では 実際に肝硬変を治した医者もいるらしい』

王室の一員となった宣嬪(ウィビン)である
王族の体に傷を負わせれば 死罪を免れないと言われる時代に
刃で身体を引き裂くなどという行為は 決して承服出来ることではなかった

『きっと朝廷から反発の声が』
『構わぬ 宣嬪(ウィビン)を助けられるなら手段を選ばない…!』
 

正祖(チョンジョ)王はパク・テスを呼び 清国へ行ってくれと頼む
異国の医術に頼ることの不安を テスの前では隠さない正祖(チョンジョ)王
しかしそれ以上に 宣嬪(ウィビン)を失うことの方が怖かった
何も出来ずに時が過ぎていくことが 耐えられなかったのだ

『明日にでもソンヨンが息を引き取るのではないかと…!
これが 残された唯一の道かもしれぬ だから行って来てほしい!
西洋医学の医者を連れて来てくれ!!!』

尚門パク・タルホからの情報で 図画署(トファソ)にも希望の光が届けられ
宣嬪(ウィビン)の病が治るものなら どこの国の医術でもいいとの声が上がる

 

『気丈な宣嬪(ウィビン)様のことだ 決して負けたりしない』
『奇跡を信じよう!』

テスは 旅立ちの前に宣嬪(ウィビン)に会うが
清国になど 行く必要は無いと言うばかりであった
王様に儚い夢を抱かせて これ以上苦しめるのは良くないと…

『弱音を吐かないでください! 王様のお気持ちが分からないのですか?!
毎日どんな思いで過ごしていらっしゃるか…
宣嬪(ウィビン)様を救うことだけを祈っておいでです
きっと治るという希望だけが 王様の支えなのです…!』

一時も休まず馬を走らせ 病を治す医者を連れ帰るというテス
その日まで きっと生きて待っていてほしいと…!
死期が迫る自らの体を 誰より知っている宣嬪(ウィビン)である
しかし きっと治ると信じるテスの思いもまた否定することは出来ないのだ

死ぬことが怖いのではない
自分を失った後の 正祖(チョンジョ)王の嘆きを思うと
その悲しみを察するだけで涙が止まらない宣嬪(ウィビン)であった

テスが発った朝 宣嬪(ウィビン)は床を片づけ衣服を正し髪を結った
そうでもしなければ 永久に起き上がれなくなりそうであった
正祖(チョンジョ)王とテスの気持ちを思えば このまま床に臥すわけにはいかないと…
そしてヤン尚宮に 図画署(トファソ)から持って来てほしい物があると頼む

宣嬪(ウィビン)が居室から出たとの報告に 激怒する正祖(チョンジョ)王!
病状を知りながら なぜそれを許したのかと…!!!
しかしこれは 宣嬪(ウィビン)が強く望んだことであり
正祖(チョンジョ)王に 芙蓉亭に来てほしいという言付けがあった

芙蓉亭には ヤン尚宮の指揮で画材道具が揃えられていた
王が現れると 女官たちはその場から立ち去り2人きりになる

『私の肖像画を描きたいだと?』

『毎年1枚 お姿を絵に残すことが私のかねてからの夢でした
歳月と共に深みを増す王様のお顔を画幅に写しつつ 心に焼きつけたいのです
王室の掟では 肖像画は画員が描くものですが お許しくださいますか?』

『残念だが 許すわけにはいかない
今のそなたに筆を持たせるなんて…! 肖像画なら病が治ってから…』

『王様 絵を描くことを心の支えにしたいのです
王様がきっと病は治ると信じてくださっているように
私もそう信じて治療に臨みたいのです
決して諦めずに 生き抜いてみせます
毎日 王様のお顔を描いていれば 希望を失わずに病と闘える気がするのです』

『ソンヨン…』

涙がこぼれそうになる正祖(チョンジョ)王
きっとそれは叶わないことだと 互いに知っているのだ
しかし決して口にせず 希望の言葉だけを言う宣嬪(ウィビン)が哀れだった

『もうひとつお願いがございます きっと約束してください
今後何があっても 決して希望を失わず乗り越えると
私も王様のために諦めないと誓います
どうか王様も私のために どんな困難にも負けないと誓ってください』

自分が逝った後の正祖(チョンジョ)王を思い
宣嬪(ウィビン)は 床に伏して養生することをやめた
一心に絵を描く姿を見せて 正祖(チョンジョ)王の生きる希望になろうと…

『それから… お腹の子は…』
『ソンヨン…』
『私の願いは… 今申し上げたことがすべてです
お願いです どうか約束すると仰ってください』
『分かった ……約束する』

きっと今も 耐えられる筈の無い痛みに襲われている
それなのに姿勢を正して座り 真っ直ぐに見つめているのだ
涙を堪え 約束すると答えるほかない正祖(チョンジョ)王であった

『どんな困難も… 乗り越えてみせる
そなたの願いを… かなえてみせる』
『王様…』

ただひとり ヤン尚宮だけが付き添い宣嬪(ウィビン)の補助をする
正祖(チョンジョ)王は 宣嬪(ウィビン)のために座り続けた

幼い頃に出会い 一緒に冒険をしたことで友として信頼し合った
再会を果たしてからは 王世孫イ・サンが ソンヨンの画員となる夢を支え続けた
ソンヨンもまた 王世孫イ・サンの苦難の道を支え続けたのだ
やがて互いを男女として意識し 身分を超えて夫婦となることが出来た2人
永遠に傍にいると誓い合ったあの日の喜びは 今も胸の奥にある

宣嬪(ウィビン)は やがて痛みが酷くなり床に臥すようになる
痛みを和らげる鍼治療が行われるが 今にも意識が遠のきそうに衰弱している
そんな宣嬪(ウィビン)を 王妃が訪ねて激励した

『すぐにパク中軍が清国の医者を連れて来る だから元気を出すのだ
そなたは王様だけでなく 今や私の友でもある
どうか私のためにも 力を振り絞ってくれ…!』

カン・ソッキとソ・ジャンボは 帰還するテスを出迎えよとの王命を受け馬を駆る
それを追うように パク・タルホが全力で走っていく…!
馬にも乗れないタルホだが 何かせずには居ても立ってもいられないのだった

一夜明ければ晦日である
月末までには帰ると約束し 旅立ったテスなのだ
ソッキとジャンボは テスが立ち寄りそうな宿場を懸命に探す!
 

そしてとうとう…
フラフラになりながら宿場に辿り着いたタルホがテスを目撃した…!
知らせを受けた2人が駆けつけると テスは1人だった
心配して聞けば 相当な名医を同行したが
一刻も早く知らせたくて 自分だけ先に馬を走らせて来たというのだ…!

『直ちに王様に知らせろ!!! 遅くとも未の刻には宮殿に着くと!』

宮殿の芙蓉亭では 今日も宣嬪(ウィビン)が筆をとっている
いつになく顔色が優れない宣嬪(ウィビン)を按ずるヤン尚宮だが
まもなく完成しようとする肖像画を前に 必死に痛みを堪えている
そんな芙蓉亭に 不意に突風が吹く…!

同じ時
王のもとへは テスからの書状が届いていた

『内医院(ネイウォン)の医官に協力を要請せよ!』

意気揚々として芙蓉亭に向かう正祖(チョンジョ)王
芙蓉亭では ヤン尚宮が女官らと共に夢中で探し物をしている
するとそこへ 宣嬪(ウィビン)の姿が見えないという知らせが入った…!!!

宣嬪(ウィビン)は 突風に飛ばされた正祖(チョンジョ)王の帯を探していた
幼い日 ケガをしたソンヨンの腕に
王世孫イ・サンが巻いてくれた思い出の帯だった
あの日から今日まで肌身離さずにいた帯を ようやく見つけたところで
宣嬪(ウィビン)は気を失ってしまう…!

泣き叫びながら宣嬪(ウィビン)を捜すヤン尚宮!
正祖(チョンジョ)王もまた 事態を知り夢中で捜し回っていた…!

『ソンヨン!』

倒れているソンヨンを発見したのは正祖(チョンジョ)王だった
もうろうとする意識の中で 呼びかかけに応えるように目を開けるソンヨン

『病の身で なぜこんな所にいるのだ!!!』
『これを… これを探しに…』

帯をしっかりと握りしめたまま 再び意識が遠のくソンヨン

『ソンヨン… どうしたのだソンヨン!!! 直ちに医官を呼べ!!!
ソンヨン! しっかりするのだ! ソンヨン!!!』

『王様…』

まもなく清国の医者が到着するというのに 目の前のソンヨンは…!
もう少しだけ耐えてくれと 涙ながらに懇願する正祖(チョンジョ)王

『申し訳ありません… 私は… 先に…
ヒャンのもとへ… 行かねばならぬようです』

『どこへ行くというのだ… 私を置いて行くな!!!
ダメだ!絶対に許さない!!! ソンヨン… ダメだ…
行かないでくれ!!! 行かないでくれ…』

『泣かないでください… 悲しむことはありません… 王様のお傍に…
幼い頃から抱き続けた… この想いを… 置いて… 逝きます』

『ソンヨン!!!』

正祖(チョンジョ)王の腕の中で ソンヨンはこと切れた
二度と動かなくなったソンヨンを抱き 茫然とする

『ソンヨン…』

ようやく宮殿に到着したパク・テスが ソンヨンの訃報を知る
一瞬 何を言われているのか理解出来ないテス
みるみる涙が溢れ 幼馴染のソンヨンへの思いが込み上げる…!

『医者を連れて来ました…
宣嬪(ウィビン)様を治す医者を連れて来たんです!!!』

ナム・サチョは 幼い日のパク・テスとソンヨンを知っている
テスは 内官になるための去勢が出来ずに とうとう宮殿には入れなかった
やがて若者となり 王世孫イ・サンを守りたいがため武官になったのだ
ソンヨンとテス そして正祖(チョンジョ)王との絆は非常に強いものであった

『宣嬪(ウィビン)様は約束されました!
私が戻ってくるまで待っていてくれると…!!!』

王妃は 宣嬪(ウィビン)の死の知らせに絶句する
恵慶宮(ヘギョングン)もまた 訃報を聞き宣嬪(ウィビン)の死を悼んだ

『あんなにも気高い心の持ち主が こんなに早く逝ってしまうとは…
宮殿に入ったばかりの頃は つらく当たってばかりだった
なぜもっと慈しんでやれなかったのか…!』

ウクは姉の亡骸の前に ひとり涙を流す
ようやく苦しみから解放された姉の死に顔は 実に穏やかであった

図画署(トファソ)の者たちは宣嬪(ウィビン)の居所に向かい ひれ伏して嘆く
同僚だったソンヨンは きっと病を治して元気になると信じていたのだ
とりわけソンヨンを可愛がっていたイ・チョンの悲しみは深いものであった

そしてテスは 夜になっても居所の前を離れられず 立ち尽くしている

(遠くから見守るだけでよかった 王様の傍で幸せに過ごしているなら…
それなのにあんまりです…! この先どうすればいいのですか
宣嬪(ウィビン)様のいない世で どう生きろというのですか…!)

正祖(チョンジョ)王の嘆きに匹敵するほど テスの嘆きも深いものだった
ソンヨンを愛していたという心において 2人の想いは変わらないのだ
 

正祖(チョンジョ)王は ソンヨンの亡骸から離れることが出来なかった
ナム・サチョが 苦渋の表情で促す
しかし まだソンヨンに伝えたいことがあると…

肖像画を描くと申し出た時 ソンヨンに約束させられたことがある
もう二度と目を開けることはないが ソンヨンが語りかけてくるようだ

(泣かないでください 悲しむことはありません)
 

命が尽きる直前に ソンヨンが探し歩いたあの日の帯を
冷たくなった手首に巻いてやる
その帯は 古びてボロボロであった
正祖(チョンジョ)王が自らの思いに気づく ずっと以前から
ソンヨンは心を寄せてくれていたのだ

『知っているか?そなたと出会った頃 そなたの腕にこの帯を結んでやった時
私の心も一緒に結んだことを… 知っているか?
だから 私の心も一緒に持って行け
ヒャンには会えたか?
天国で… 私たちの息子に会えたのか?
瞼に残る私の姿を見ながら 待っていてくれ
よいか 私もいつか会いに行く その時まで… 待っていてくれ!』


それから月日が流れ
正祖(チョンジョ)王は 水原(スウォン)の築城に向けて精力的に政務を執り
チョン・ヤギョンは 糸車の仕組みから新たな案を生み出そうと奔走していた
築城は本来 民の賦役によって行われる
しかし正祖(チョンジョ)王は きちんと報酬を支払い民を雇った
いかに慣習であっても 悪いことは改めねばならないという信念があったのだ

 

※賦役:公共への労働力としてほぼ無給で働かされること
 

工事現場を視察していると 城壁工事の進み具合が遅いことに気づく
パク・チェガによれば 城壁が高くなると石の運搬に時間がかかるという
チョン・ヤギョンにも解決出来ない問題が生じているのだと…
滑車を使えば 小さな力で重い物を持ちあげられるのだが
ヤギョンが考えた滑車の模型は 正祖(チョンジョ)王の想像を超えるものだった

『これは目新しいな
滑車といえば固定するのが一般的だが なぜ宙づりにした?』

『滑車を固定しないことで さらに力を節約出来ます
そこでこの機械を 拳重機と名付けました』

しかしこの便利な機械には欠点があった
重くて大きい石を 平行に持ち上げることが出来ず
民がケガをする危険があるという
正祖(チョンジョ)王は たとえ時間がかかっても欠点を補うように命ずる
何より大事なのは 工事にあたる民の安全であると

この工事に参加する民の中に ミン・ジュシクの手下が紛れ込んでいた
ジュシクを通して 城の完成が間近だと知る大妃(テビ)

『いよいよ研ぎ澄まされた王様の剣が 我々に向けられる時が来たか』
『早くご決断を!このまま手をこまねいているのですか
壮勇衛(チャンヨンウィ)の昇格により 五軍衛は有名無実化しました
五軍衛の軍官たちは不満を募らせています!』

※五軍衛:中央軍の五衛を改編して出来た部隊

チェ・ソクチュは
五軍衛の上官に会い こちら側に引き込んでは?と持ちかける

正祖(チョンジョ)王は まさにこの動きを待っていたのだ
徹底的に“例の場所”を監視せよと命じていく…!
そして水原府(スウォンブ)を格上げし
築城中の城を「華城」に命名すると発表した

『直ちに水原(スウォン)に移す部署を選別し移転の準備に万全を期せ!』

あまりに荒唐無稽な計画であると 重臣たちは猛反対した
都から遠い片田舎に 官庁を分散して移すなどあり得ないと…!

『国の中心である漢陽(ハニャン)の機能が停止します!』

『確かにそうなるだろう それで何か問題でも?
今後は漢陽(ハニャン)と共に 水原(スウォン)が国の中心となる!
それによりこの国は 更に発展するだろう
皆が反対する理由は分かっている
今 そなたたちが漢陽(ハニャン)で享受している特権を守るためであろう!
華城が完成し次第 都の民を移住させ田畑と家を与えるつもりだ
母上の還暦祝いと亡き父上の祭祀も 華城で行うこととする!』

これは 事実上の遷都であった

いかなる上奏や抗議も受け付けないと明言する正祖(チョンジョ)王に
重臣たちは異論を唱えることさえ出来なくなった

『おそらくこれが 生死を懸ける最後の戦いになる
右議政(ウイジョン)に伝えよ 五軍衛の長に会うと!』

大妃(テビ)は チェ・ソクチュの書状を受け決意を固めていく
老論(ノロン)派の重臣たちは 大妃(テビ)の前で忠誠を誓い
チェ・ソクチュの統率のもと連判状に署名していくのだった

正祖(チョンジョ)王は 亡きソンヨンの墓の前で
ソンヨンが遺した言葉を思い返していた

「今後 何があっても決して絶望せず 乗り越えることを…
私も王様のために 諦めないと誓います
どうか王様も私のために どんな困難にも負けないと誓ってください」

(ソンヨン あの約束を決して忘れまい 乗り越えてみせる
王座から去る最後の瞬間まで この国のために力の限りを尽くす…!)

宮殿に戻ると
老論(ノロン)派の拠点を監視していたパク・テスが戻り報告する

『右議政(ウイジョン)様ら老論(ノロン)派の重臣に加え
五軍衛の上官らも同席していました この機会に一網打尽に…』

『いや まだ時期尚早だ
会合を行っただけでは断罪出来ない もう少し待たねばならぬ
決戦の地は華城になるだろう
彼らはきっと そこで私を狙う筈だ
私は彼らを喜んで華城に迎えよう…!』

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