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未来の選択 第2話 疫病神とシンデレラチケット ![]()
『ほ…本当にYBS?』
『そうだ! だからどうしろと?!』
『何で怒るんです?』
その時 ミレの頭に浮かんだのは…
兄所有の車で事故を起こしてしまっても “家族限定特約”未加入のため
補償を受けられないということだった
保険が下りないことに加え 常々 車を傷つけたら殺すと言っていた兄の反応が怖い…!
(お兄ちゃんに殺される!!!)
『ヘ…ヘルニアが悪化したみたい!』
『…今急に?!』
『事故の衝撃のせいです!』
ここはもう 相手の責任にして補償してもらうしかない…!
そんな見え透いたウソなど 簡単に見破ったキムアナは いたって冷静だ
(✖✖みたいな女にひっかかった!)
『…今 悪態つきましたね! 悪態はダメですよ!』
携帯で キムアナを撮影し始めるミレ!
『アナウンサーなのに!』
『やめろ! 示談にするつもりだったが… 警察へ!』
強硬な態度のキムアナに ミレはオロオロする…!
200万で示談に持ち込もうと提案するが キムアナは承知しない
社会正義のためにも 刑務所にぶち込むと豪語する!
互いの車で まずは警察署へ向かおうと言い
ミレを 力づくで車に押し込むキムアナ
そして助手席にある本に気づく
“放送学の基礎” “台本の書き方”
『放送作家? お前になんか出来るか?!』
ミレの免許証を受け取った代わりに 自分の免許証を叩きつけ 先に行くキムアナ
言われ放題のミレは ふとキムアナの免許証を見て… ニヤリと笑う
そして 途端に余裕の表情になり 警察署に到着する
ミレの免許証を見て 鼻で笑うキムアナ…!
『ヘタクソなわけだ 免許取りたてか!』
『ヘタクソなわけですよね 無免許だもの』
『……無免許?』
キムアナの免許証は 1年以上前に期限が切れていた
それを指摘され ギョッとして免許証を奪い取るキムアナ!
エレベーターは 交通課の階で止まり扉が開いた
形勢は逆転した
無免許運転が発覚となれば キムアナにとっては致命傷のスキャンダルになる!
慌てて“閉”のボタンを押し逆戻り! ミレを外に連れ出す…!
ミレは 修理代の200万で示談にすればと言うのに キムアナは考え込んでいる
『じゃあ190万ウォン! 出血大サービスよ それから…
悪態ついたこと 応急処置の時のセクハラ 暴力を使ったこと 問題の無免許!
全部なかったことにするわ!』
“無免許運転アイドル 出演禁止処分 再起不能!”
そんなニュースがあったばかりだ
常に清廉潔白を貫いてきたキムアナは…
『分かった!』
『じゃあお金を…』
『自首する!』
『じ…自首?!!!』
またまた形勢逆転!
慌てふためくミレに 本当に作家志望かと吐き捨てる
『事故と無免許は無関係だ! 修理代を払え!』
『ちょっと待ってよ! 待ってったら!!!』
ミレは 苦し紛れにファンだと叫ぶ!
いつも5時のニュースを観ていたと言われ まんざらでもないキムアナ
必ず復帰しますという最後の挨拶を観たばかりだった
一日も早く復帰する姿を見たいと ミレは説得が成功しそうな予感に表情が緩む
『1年後… 復帰後に告白すれば? 視聴者はバカじゃない
誠意を見せれば分かってくれるはずです』
『なら 1年後に必ず告白する 携帯番号を教えてくれ』
『……え?』
『修理代は4000万だ』
ミレは言葉を失う
だいたい自分の携帯にかけるなんてないし 番号が分からないとつぶやき車へ…!
『おい! 何のマネだ!!!』
あろうことか ミレはその場から逃走した!
自宅で “未来のミレ”相手にオロオロするばかり…!
そこへ 兄ナ・ジュヒョンが帰宅する
“未来のミレ”は 兄の姿にバッグを取り落とすが ジュヒョンはまったく気づかない
なぜ見知らぬオバサンがうちに?と不思議がる
『どなた?』
『親友のヘリムと仲良しのおばさん 2カ月ほど うちに居候するの』
思わず『お兄ちゃん!』と叫び 涙ぐむ“未来のミレ”
知り合いに似ているみたいだと 咄嗟に言い訳するミレ
無理やり兄を部屋に押し込み 感受性が豊かな人だと言い とにかく話題を変える
『テレビ局に何か仕事ない? 高校時代 放送部だったし』
『テレビの仕事は 高校生のお遊びとは違う 寝言を言ってないで嫁にでも行けよ』
『やめてよ!』
藪へびな話題になり 部屋を出ようとするミレに 車のキーを返せというジュヒョン
“耐える者には福がある”と 意味不明なことを口走るミレ!
兄がショックを受けるのは 明日 車を使う時でいいと キーを渡す
そして “未来のミレ”を泊めることになった屋根裏部屋へ
“未来のミレ”は テレビ局では働かないでと念を押す
たとえYBSではなくても 同じ業界は…
時間がないのだと いくら説明しても ミレに切迫した状況は伝わらない
『私は命懸けで来たのよ 私の1日は1カ月なの! どんどん老いてる』
『時間の速さは年齢に比例すると 30代は30キロ 40代は40キロ おばさんは…』
枕を忘れたと 忙しく階下へ行くミレ
“未来のミレ”は小さくため息をつく
そして 捜し損ねたパク・セジュは諦めるしかないと…
翌早朝 キムアナは モーニングショーでニュースを読む
☡ 本日未明 アイドルの無免許運転が発覚しました
単純な免許の更新忘れだと 本人は主張していますが 世間は冷ややかです ☡
“人気アイドル 無免許発覚!”
VTRが流れる間 目を閉じ深呼吸するキムアナ!
この皮肉過ぎるスクープを扱いながら 必死に冷静さを繫ぎ止める
☡ 公の立場にいる人間にもかかわらず 市民の義務すら放棄した彼を
“道路の無法者” “走る殺人兵器”と呼びたい!
もしこれが 自分の身に降りかかったら…
☡ アイドルの無免許を痛烈に非難した キム・シン氏の無免許が判明しました ☡
(自首しよう もう限界だ)
☡ YBSは キム氏を解雇すると同時に
放送倫理委員会に 芸能活動の禁止を建議します
後任は この私となる予定です ☡
妄想は止まらず 自分で自分を追い詰めるキムアナ!
そこへ 〈逃げてごめんなさい〉と ミレからメールが…
『これは陰謀だ!
自首を止めるフリをし 他の事件に乗じて俺を葬る気だな!この女を捕まえる!』
キムアナは 電話帳に載っている全ての“ナ・ミレ”に連絡を取る…!
すると 電話の向こうに聞き覚えのあるような声がする
〈ナ・ミレさんですか? 白い乗用車 パーマ頭で放送作家が夢の?〉
〈……どなた?〉
〈おい! 俺は無免許… 4000万だ!〉
当然のごとく電話を切るミレ!
リダイヤルしたところで 出るわけがない
そんなキムアナの横で 確認を取りたくて原稿を読み上げる放送作家のペ・ヒョナ
『“敵はそばにおいて監視すべし”』
『……何だって?』
『“そして味方につけるのが一番”』
『……いいぞ 最高だ!』
ミレは キムアナからのメールを見て戸惑う
〈放送作家志望だろ? 作家にならせてやる YBSに来い〉
半信半疑でYBSに向かうミレ
そして まずはありったけのお金を差し出し 分割払いを願い出る!
キムアナは それより履歴書を!と積極的だ
『なぜ?』
『テレビ局で働かせてやる』
ミレは 兄ジュヒョンの言葉を思い出しため息をつく
たとえ他局でも テレビ局で働いたら 辞めさせに行くと言っていたのに
あろうことかYBSで働いたりしたら…!
そしてミレは 何になりたいのか 何が出来るか考えろという
“未来のミレ”の言葉を思い出し 思わず『やります!』と叫ぶ
受け取った惨憺たる履歴書を見て 唖然とするキムアナだが 後には引けない
『約束してくれ 1年後に自首する機会をくれると』
『…それまで黙ってろということですね』
はは~ん そういうことか! とほくそ笑むミレ
途端に足を汲み 上から目線になる
どんな経緯で得たとしても チャンスはチャンスだ!
まったく未経験だという事実を隠し ミレは“プレビュー要員”として
キムアナのゴリ押しで採用されることになった!
ところが プレビューという意味すら知らないという事実に
教育を任されたペ・ヒョナは愕然とする…!
『即戦力にならないと困るのよ! キム・シンめ!初心者を連れて来て!!!
カメラで撮った映像は 編集が必要でしょ?! でもどこに何があるか分からない
それをひと目で分かるようにまとめるの 急ぎだから早くしてね!』
慌ただしく出て行くヒョナに ミレは モーニングショーのオフィスだけを確認した
兄に出くわしたら 全てが台無しになってしまうのだ
☡ デモ隊200名は現地時刻の11時 ニューズ・コープの社長である
ルパード・マードック氏やJ.P.モリガン… CEOジェイミー・ダイモン氏と… ☡
キム・シンは フロアに流れる自分の後任が読み上げる 未熟なアナウンスを聴き
YBS会長イ・ミランの言葉を 思い返していた
「うちの顔になれない理由を知りたい? 年だからよ!
視聴者の望みは何だと思う? ニュースはネットに溢れてる
みんなキャスター目当てで観てるのよ」
「私は失格だと仰るんですか!」
「いいえ 素晴らしいわ! でももっといい子が出てきたの」
「彼のどこがいいんです 発音も悪いし…!」
「若さがある 瑞々しくていいわ! 若いから ミスしても可愛い!」
まったく価値観が違う話だった
どこが悪いのかを聞き 直せるものならまだ良かった
若さは取り戻せず アナウンスの技術も評価に値しない
ミランは 喜々として後任アナウンサーを褒め始める
「彼の発音のおかげで話題になってるのよ」
それでもミランは モーニングショーで15%の視聴率を取れたら… と切り出す
いずれにせよ 視聴率が上がるなら誰でもよかったのだ
その頃 ミレは
慣れない“プレビュー”の仕事と 必死に格闘していた
すると映像の正面に 突然 若者のアップが映る!
パク・セジュが レンズの曇りを気にかけ 自らのカメラに映り込んだのだ
それでもお構いなしに “観たまま”を文字にしていく
専門用語も知らず 知ってる言葉も貧相だが 感性だけを頼りに書き連ねるミレ!
しばらくして 与えられた狭い個室に息が詰まり 局内を散歩すると
真正面から歩いてくる兄ジュヒョンと出くわす…!!!
『すみません 匿ってください!!!』
ミレが逃げ込んだ部屋は パク・セジュの作業室だった
セジュは ミレが あの夜の海辺にいた女性だと すぐに気づく
君は…と声をかけた瞬間! ナ・ジュヒョンが飛び込んできた!!!
『女が来たろ!』
『どんな?』
『目が真ん丸で頭がボサボサの女!』
『美人ですか? 僕にも紹介してくださいよ』
話にならん!と激怒するジュヒョン!
『ミレだった! もし本当にあいつなら 家から追い出して兄妹の縁を切ってやる!
見たらすぐに教えろ! あいつめ 俺をバカにしやがって!!!』
セジュは ミレが飛び込んできたことより 名前を知ることが出来て嬉しそうだ
ミレも さっき映像に出てきた人だと気づく
『“レンズが曇ってる”!』
『ああ 僕が撮ったんです もう会えないと思ってたのに 不思議だな』
事情を聞いたセジュは チーム長もひどいと ミレに同情する
自分が兄の車を壊したからだと説明するミレ
どこか落ち着ける場所で話そうを ミレを連れ出すセジュ!
すると受付で “未来のミレ”が 訪問者リストが見たいと大騒ぎしている
そして ちょうど通りかかったミレを発見し追いかける!
『テレビ局はやめろと言ったでしょ! 特にYBSはダメだって!』
夢中でミレを追いかけ 目の前のセジュに気づかない
そしてようやく気づいた“未来のミレ”は パク・セジュの未来のインタビューを思い返す
本来なら未来で ソ・ユギョンと婚約し テレビ出演してインタビューを受けるのだが
ミレが あの日車線変更したことで事情が変わってしまった
ユギョンは済州島に行けず セジュにも出会っていない
『つき合ってる人はいます? ひと目惚れした人は?!!!』
『……』
『いるのね! リポーター?!』
『違います』
『いい加減にして!!!』
あまりに失礼過ぎる!と怒鳴りつけるミレ
“未来のミレ”は セジュに断り ミレを外へ連れ出す
そして 何かが違ってきていることを必死に考え込み
ミレがセジュと… という未来の可能性を導き出そうとする!
『何してるの?』
『あなたの人生設計よ!!! 私の人生でもある
さあ 同じチームにはセジュがいる!』
『カメラマンよ』
『彼はカメラマンじゃない! 財閥の御曹司! 遠からずここを…
メディア帝国を作って 韓国を掌握する!』
『愛する人を死なせる男?!』
『話を聞いて!!!』
“未来のミレ”によれば パク・セジュは 夫にすべき財閥の御曹司!
事故を起こすはずだったのは 避けるべき疫病神!
『そいつがモーニングショーに…!』
『その男も同じチームなの?!!!』
それはそれとして 約束を守らなかったミレを突然叱りつける!
こんなことなら 自分は未来に帰ると…!
『3カ月後に起きる大事件も教えてやらない!』
『私に?!!!』
『知りたいなら従って!!! まずは落としなさい パク・セジュを!
財閥はみんな政略結婚よ 一般人との結婚なんてドラマの中の話!
でも例外がいた それがパク・セジュよ』
本来の流れで パク・セジュは リポーターのソ・ユギョンと済州島で出会う
そこでひと目惚れし ユギョンはシンデレラのようにセジュと…
『これは 私たちの未来が変わり始めてる証拠よ!
あなたにもチャンスが訪れたの!!!
私を信じて! パク・セジュは この世で最後のシンデレラチケットよ!
それを手にするの 私は疫病神を捕まえる あなたはセジュを攻略して!!!』
再びセジュを捜して 資料室に行くミレ
セジュは ミレのプレビューをチェックしていた
さっきの人は 母じゃなく叔母だと訂正し セジュの隣に座る
『蛍光ペンを引いたところは?』
『重要かなと 編集の順序も考えて番号を振りました』
『なぜ?』
『高齢者福祉の話みたいだけど ちょっと堅い気がして
こうしたら少し面白くなるんじゃないかと…』
素人でプレビューすら初めてなのに 言い過ぎたとうなだれるミレ
するとセジュが いいと思うと言って評価してくれた
面白くすることは 放送で一番大事なことだと
『センスあるよ!』
『本当に? 良かった! 編集前の映像って いろいろ想像が膨らみますね』
セジュは ちょうどBGMの曲を聴いていた
促され ひとつのイヤホンを分け合い一緒に聴くミレ
口説けと言われたからそうしたわけじゃなく なぜか偶然に接近する2人だった
(財閥の御曹司 メディアを作って韓国を掌握する?
イケメンではあるけどあり得ない だってカメラマンよ でも人は良さそうだわ)
ミレは 自分がプレビューの仕事中であることを すっかり忘れていた
ペ・ヒョナが 雲隠れした新人についてキムアナに苦情の電話を入れる!
〈紹介された時から不安ではあったんです!〉
〈かけ続けろ 雲隠れは危険だ!〉
それより なぜ原稿を書き換えたのかというキムアナ
ヒョナはあっさりと答える 現実的に無理だと…!
つまり “敵はそばにおいて監視すべし”は現実的ではないという
『最近の人って狡猾でしょ? 懐柔作戦は通じない
目には目を!歯には歯を!』
『もっと早く言え!!!』
オフィスの電話に出るペ・ヒョナ
かけてきたのは“未来のミレ”だ
電話に出ないミレを心配し 不安になって来たのだ
〈ナ・ミレの母ですが… 携帯が繋がらないんです
近くにいたら “悩みは解決” “方向を決めた” “ロビーに来て”と伝えてください〉
それを伝えられるくらいなら ヒョナも苦労はしない
そばで会話を聞いていたキムアナが 受話器を奪い取る!
期せずして“未来のミレ”は キム・シンと会うことになる
『初対面で何ですが 娘さんとは車のトラブルが
だが お嬢さんは逃げ 数日後 関連事件が起きた
怪しいとは思いましたが 広い心で仕事を紹介しました
初日なら 呼ばれたら飛んで来るべきなのに連絡もつかない! 大問題だ!!!』
『問題があるのはあなたでしょ みんなもすぐに気づくはずよ
プライドが高いだけの世間知らずだって!
9時のニュースを狙って意欲満々?! だけど今が頂点よ!
花形キャスターどころか落ち目になるばかり!』
問題があるにしても なぜ初対面のオバサンからここまで?
キムアナは 娘さんから聞いたのかと訊ねる
『やはり陰謀か いつバラすつもりですか?』
『なぜ殺したの?! あれは不注意のせいじゃない!』
事故のことを言っているのに 目の前のオバサンは殺したの?と聞いてくる
しかも 今にも逆上しそうな状況だ
『わざとだったのよ! 目に入ったのに…!
なぜそのまま死なせたの?!』
きょとんとして その逆上に戸惑うキムアナ
確かに腰が痛いと言ったりはしていたが それも嘘だったのに
死にかけたなんて… いや死んだなどと大袈裟過ぎる
いろんな意味で 一刻も早くミレを捜さなければ!
キムアナは チーム総出でナ・ミレを捜すように命じた
そして目の前のオバサンに 最初から計画的だったのかという
『密かに調べて車にぶつかり どう陥れるか楽しく悩んで…!』
『……ミレが車でぶつかった?!!!』
『しらじらしい! 母子詐欺団のくせに!』
『また交通事故? なんてしぶとい縁なの?!!!』
もはや キムアナの言葉など耳に入らない
せっかく軌道修正出来たと思っていたのに…!
『脅迫罪で訴えます 悪縁は裁判まで続きますよ!』
『私を訴えて ミレには近づかないで!!!』
『今すぐ追い出します!』
一方
曲を聴き終わり イヤホンを外したミレは ようやく着信に気づく
戻ろうとしたエレベーターの扉が開くと そこにはナ・ジュヒョンが!
キムアナの紹介でバイトすることになったなんて あり得ないと憤慨するジュヒョン
すぐに家に帰り荷物をまとめろと怒鳴るジュヒョンに プレビューが先だと叫ぶヒョナ!
『用語は変だけどセンスはいい』
チーム長として仕事優先に考えたジュヒョンは 今回限りと条件を付けた
そして仕事が終わったら 今度こそ出て行けと…!
その頃キムアナは ナ・ミレを呼んで来いと パク・セジュに噛みついている
『僕にとっては制作チームの1人ですからね 打ち合わせが優先だ』
『優先だ? “優先だと思います”だろ!』
背を向けたセジュは イラついてため息をつくが 振り向きざまに笑顔になる
『優先だと思います』
『何様だ! 28歳の入社したてのカメラマンが!
次長クラスのアナウンサーと 張り合おうとするとはな!
会長顔負けだ ミランダの親戚か?!スパイか?!』
パク・セジュは 十分に激怒している
しかしここで身分を明かすわけにはいかない
『僕が生意気でした』
同じ時 ミレは ペ・ヒョナと向き合っていた
ヒョナは プロとしてミレのセンスを認めたが
キムアナの紹介だということを隠していたことが不愉快だった
『それにあなた32歳でしょ 年を取り過ぎ!先輩の私が30歳なのよ
下っ端が年上だとやりにくいの!』
兄ジュヒョンの反対とは別の理由だが ヒョナも これで終わりにしてほしいという
ミレは帰るしかなかった
結局 仕事は得られず このままでは家も出なければならない
それでも得ることはあったと 自分に言い聞かせるミレ
(少しは認められたし テレビ局は他にもある
YBSは避けてたんだしラッキーよ 他で働けばいい!)
気を取り直して仕事に戻るミレ
すると 扉を開けた途端 顔に水をぶっかけられてしまう!
そこには 鬼の形相のキム・シンが立っていた!!!
『目が覚めたか? 氷水の方がよかったか?!』
『……』
『それで作戦はどこまで進んだ?! チーム長には話したか?!
何が望みだ? 金か?!!! 正式な作家になることか?
今夜にでも自首する もちろん お前も脅迫罪で訴える!!!』
ビショビショの顔を拭き ミレは毅然として 絶対に確かめたいことを聞く…!
『8月14日に 事故を起こしました?』
『…なぜそれを?』
『江辺(カンピョン)北路 城山(ソンサン)大橋の第3車線でしょ?』
『……』
『私の愛する人を殺す男はあなたなのね!殺すのは私?!
私は自分を一番愛してるの! でも残念ね! もう平気なフリや幸せなフリはしない!』
夢中で話すミレ
そこへ パク・セジュが通りかかり 何事かと立ち止まる
『やられたらやり返し! 自分のしたいことは絶対にやり通す! なのに私を殺す?
ようやく再出発できたのに! 私は最後まで生き残る!
私をあざ笑う兄や友達に… 私の凄さを見せつけてやる!』
思いのたけをすべて言い切って 部屋を出るミレ
セジュは 思わず後を追いかける…!
『キムアナには会った?』
何も聞いてないという体で メイク室に逃げ込んだミレに声をかける
振り向いたミレは 泣き腫らしていた
『大丈夫?』
『ええ 平気です
いいえ… 平気じゃない! もう平気なフリはやめる…!』
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