8話 
皇太子イ・シンと皇太子妃シン・チェギョンが 宮殿に戻ってきた
いつもチェギョンに手を焼いていた女官たちだったが
いない間は灯が消えたようだったと 大喜びで出迎えた
チェギョンの実家では 狭い部屋で一緒に寝泊まりした2人だが
宮殿ではいつものように 互いの部屋に…
でも何だか寂しくなって 共有スペースに姿を現す2人
実家に戻ったことで 里心がついたチェギョンは寂しさを訴え
世の嫁はみなそんなものだというシン
そして 寂しいから背中に抱きついたりしたんだと察する
おかげであの夜はちっとも眠れなかったというシン
チェギョンは どうして?とキラキラした目で質問した
『あのな 俺も健康な男なんだぜ!』
『健康…って?』
『だ…だからこの年頃の男は すぐ隣で女が寝てると思うと
何かムラムラして… とにかく眠れないんだよ!』
健康でムラムラするという意味が分からず 素直に疑問形にするチェギョン
それ以上の説明なんてできるわけがなくて もういい!と怒りだすシン
好きなだけ抱きつけ!と背中を向ける
『や…やめてよ』
『俺がOKしてるんだからやれよ いきなり襲ったりしないで』
それじゃあ…と 背中に抱きつこうとしたその時
気の利かない侍従長が現れ 2人はスキンシップのチャンスを逃がす
翌朝
朝の挨拶のあとで 皇太后は 庶民の暮らしについて聞きたがった
父親も母親も 家族みんなで食事の支度をするというシンの報告に
ワクワクと心を躍らせながら聞き入る皇太后
『ドラマでは見たことがありましたが
まさか身近でそんな家族がいるとは 思いもしませんでした』
さらにシンの報告は続く
家族の歯ブラシが 1つのコップに入れられていたと聞き 驚く皇太后
皇后は あからさまに不快感を表情に示した
そんなチェギョンの実家では 父親が寂しさで寝込んでいる
娘と過ごした1週間が懐かしく 朝食を作る気になれないのだ
母親は 忙しく出勤の支度をしながら夫を慰める
それにしても 香ばしく焦げ臭いにおいがする
チゲ鍋を火にかけているのか!と言って飛び起きる父親…!
その頃 皇太子イ・シンは あわただしい庶民の朝の風景を思い起こし
ふと皇后を “母さん” と呼んでみた
皇后は 庶民の暮らしに影響されたのかと怒りだす
ヘジョン宮が義聖君を使っていつ陥れてくるか分からないのに!と…
シンは ある日突然 自分の状況が変わった幼い日を思う
「シン お前はこれから皇太子になるの だから我儘言っちゃダメ!
これからは“お母さん”じゃなくて “お母様”と呼ぶのよ」
「皆があなたに注目しているのです 一時も気を抜いてはなりません!」
「一般の子と同じであってはなりません
太子は 皇帝になられる特別なお方なのです」
深く考え込むシンを チェギョンが気遣う
天真爛漫に育ったチェギョンには 理解できるはずもない事情だが
チェギョンは そんな事情を聞こうなどとはしない
自分なりのやり方で シンを笑顔にしようとする
シンの笑顔を確保したチェギョンは 今度は宮中で自転車を乗り回す!
慌てて追いかけまわす女官たちが止められるはずもなく
チェ尚宮が 毅然として一喝した
『どうぞ書筳堂にお行きください 論語のお時間です』
『分かってます あと1周だけね』
『皇太子妃様!』
分かっていても チェギョン自身どうにもできないのだ
乗り回していると 向こうからシンと侍従長が歩いてくる
皇太子妃の品位を考えれば 自転車は好ましくないという侍従長
それでもチェギョンは 宮内で自転車を乗るのは楽しいという
『侍従長さんも乗ってみてください 気持ちいいですよ』
今は講義の時間だからダメだが 運動の一環として乗るならいいのでは?
と シンがチェギョンを擁護した
自転車を預かった侍従長は ふと自転車に乗ってみたくなる
ありえない侍従長の姿に 女官や護衛兵が驚いて道を開けた!
チェギョンが起こす風が 少なからず宮中に変化をもたらしているのだった
講義が終わると チェギョンはシンに相談を持ちかける
美術科が 来週から課題展の準備期間に入るため 登校が遅くなると…
つまり朝から一緒に登校する必要がなくなると言いたいのだ
シンはそれを 皇太子妃専用車が欲しいのだと理解した
早速願いが聞き入れられることになる
とはいえ 皇太子妃専用公用車の予算は 皇室予算に入っていないので…
翌朝
首にコルセットをした痛々しい侍従長が チェギョンを出迎え
今日 皇太子妃の専用車が用意されることを報告した
コルセットの理由については 口を濁す侍従長だった
チェギョンの前に 皇太后が車を運転して現れる…!
自分の専用車に感動しながら チェギョンは聞かずにはいられなかった
『この車 いくつなんですか?』
『いくつですって? アッハハハ…』
車の歳を聞かれ 思わず吹き出す皇太后
チェギョンに譲るという車は 皇太后が34年前から乗っているものだった
『人や車も動いていればガタが来ないと言いますが
最近は使う機会がなくて ここに来るまで少しだけ調子が悪かったです』
皇太后が 大切にしてきた車を チェギョンはありがたく受け継ぐことにした
黒塗りの車の行列に ひときわ目立つチェギョンのクラシックカー
高校では 今やチェギョンのファッションが流行中だ
スカートの下にジャージ カラフル腕カバー 頭に鉛筆のかんざし!
皇太子妃ファッションとはいえ あまりにも奇抜すぎて
喜んでいいものかどうか…
皇太子妃のポストカードまで発売され
さっそくサインをねだるスニョンとヒスン…!
『ますます皇室の人っぽくなっちゃって!』
『そんなことないよ 心配しないで 私は変わったりしないから』
批判的なガンヒョンをなだめるチェギョン
一方 シンは ミン・ヒョリンと会っていた
皇太子妃を 乗馬クラブに連れて来てというヒョリン
なぜか シンは気乗りしなかった
『イジメられるとでも思ってるの?
心配しないで 私が面倒見てあげるから』
ヒョリンの意向とは反対に シンの取り巻きたちは否定的だった
いくら皇太子妃でも 庶民だったチェギョンはふさわしくないと言うのだ
『シンの奴も変わったな!』
『これじゃあ レベルがた落ちだ!』
そんな学校でのことも無視して 皇太子イ・シンは考え込む
宮中で 唯一ひとりになれる場所で…
講義中 皇太子がいなくなったとの騒ぎに
チェギョンは書筳堂を抜け出す
そして シンが引きこもっている屋根裏を見つけるのだった
『あ!素足!皇族は素足を見せちゃいけないんじゃないの?!』
どうしていなくなったの?とは聞かず
チェギョンは 自分が聞きたいことを聞くことにした
なぜそんなに秘密なことが多いのか…
いつもそばに置く 年季の入ったテディベアは?
『アルフレッドのことか?』
その答えを聞こうとしたその時 侍従長の声が近づく…!
皇太子はここだと叫びそうになるチェギョンを 思わず押し倒すシン!!!
そんな2人の雰囲気を壊したのは 侍従長ではなく
ヒョリンからの着信だった
〈隣に皇太子妃いるんでしょ? 代わって〉
ヒョリンがシンと話すのも嫌だったが 自分が直接話すのも気が重い
自分が教えるから 乗馬クラブに来てという誘いだった
こんなにヒョリンが親しく優しいなんて シンの取り巻きも驚くばかりだ
そんな乗馬クラブに イ・ユルが顔を出す
自分は英国王室のカミラ夫人のように生きる
そう決めたヒョリンにとって ユルの存在は大きいのだ
『あなたの考えがよく分かるわ』
『俺の考えって何だよ』
『あなたと私は 共通の望みを持ってるってこと』
ユルはヒョリンの考えが分からず 不機嫌になる
『シンは今 とっても不幸なの
皇太子なんて似合わないことさせられて しかも好きでもない子と結婚まで
シンが皇太子の座を降りたら 夫婦でいる意味がないから離婚できるでしょ
皇太子という立場のせいでためらってる だからあなたの助けが必要なの
シンの座を奪うんじゃなくて シンを助けてやるの』
ヒョリンの言いたいことは分かったが ユルは同意しなかった
シンが自ら皇太子の座を降りるなんてことはないと 分かるからだ
そこへ 皇太子夫妻が到着したとの知らせが入る
シンの取り巻きが出迎え チェギョンにも皇太子妃として挨拶する
『来てくれたのね』
ヒョリンの言い方は どこまでも上から目線だった
決して 皇太子妃に対するように礼を尽くすことはなかった
厩舎で シンと2人きりになるヒョリン
最近のシンの態度はぎこちなく 個人的に会話することはなかった
ヒョリンは 態度が冷たくなったと責める
『プロポーズを断ったのは どこのどいつだっけ?
逃がした魚は大きいか?』
返す言葉もない
『あいつ 皇太子妃になったばっかりに 今 相当苦労してんだ
だからかえって良かったのさ ラッキーだったと思えよ』
そんな2人のぎこちなさを 遠くから見ているチェギョン
嫉妬するチェギョンに ユルが シンには期待するなという
『後で傷つくのは嫌だろ たまに優しいそぶりを見せたとしても
あいつが好きなのはヒョリンなんだから』
そんなことは知ってる
ヒョリンへのプロポーズを目撃したのは チェギョン自身だった
シンは 他の女子がヒョリンの噂話をしているのを聞いてしまう
皇太子のプロポーズを断っておきながら 今頃になって…と
(今さら皇太子の気を惹こうなんて 見え見えだと思わない?)
(私なら いくら好きだったとしても きれいさっぱり諦めるけどな)
(皇太子妃になれるかもしれなかったのに?)
(それはそうね いくら金持ちでも皇族にはなれないんだから)
(いくらお高くとまってても こればっかりは仕方ないよ)
翌日
ユルの母 ヘジョン宮が皇太后を訪ねる
皇帝の体調を按ずる元皇太子妃に 思わず心を許す皇太后
『中枢性の眩暈だそうです』
激務で疲労が重なっていることが原因だと 愚痴をこぼす皇太后に
同席する義聖君イ・ユルが声をかける
『世宗大王も 本の読み過ぎで病にかかった時
私は本を読めば病気も治ると おっしゃったと言うではありませんか』
2人が訪問したことで 再び宮中で撃棒(キョッバン)が行われる
腰痛で苦しんでいた皇太后も 元気に参加した
ヘジョン宮のヨガのおかげだという皇太后の言葉に 皇后の表情が曇る
シンとユルは 男同士で馬上撃棒(キョッバン)を楽しむ
まだコツがつかめないユルは 必死にシンを追いかける
『馬上撃棒(キョッバン)は朝鮮時代の武科試験のひとつだったんだぜ』
そう言われて ユルが突然『ビーム!』と叫んだ
何が起きたのか分からないシンに チェギョンから教わったギャグだと笑う
自分の知らない2人の会話があったことに シンは黙り込んだ
試合が終わった皇太后は これからは宮中に大々的にヨガを広め
女官たちにも奨励したいと言い出す
皇后はそれに同意せず ヘジョン宮の入宮について話し始める
同席するチェギョンは 会話には加わらずただ聞いている
『服装が 厳粛な宮(クン)の雰囲気に合わない気がしますし
ヨガも 宮(クン)には不似合いかと存じます』
その昔 宮中と民の間であまりにも流行った撃棒(キョッバン)を
そればかりに興じることはよくないとしたことがあった
皇后はそれを引用し 遠回しに皇太后を諌めたのだ
『そうでした 何事もほどほどに ということですね』
そんな皇太后と皇后の会話から離れ 散歩するチェギョン
すると 馬上撃棒(キョッバン)に興じるシンとユルを見つける
駆け寄ろうとしたその時 2人の体が触れ 同時に落馬してしまう…!
直ちに側近たちが駆け寄り 皇太子を取り囲んだ
チェギョンは 夫である皇太子に近づくことも出来ない
その隣でユルが 誰にも駆け寄られずに痛がっている
『ユル君 大丈夫?! どうしよう… 血が出てる!』
側近に抱えられていく皇太子イ・シン
皇太子妃チェギョンは それを見送りもせず ユルの側に居続けた
いくら皇太子だからって ユルもケガをしているのに…と怒りが込み上げる
シンのところへ行かなくていいのかと気遣うユル
チェギョンは そんなことよりどうして最近よそよそしいのかと聞く
『ごめん シンデレラと王子様が羨ましかったとでも言うかな?』
それから ユルとの楽しい時間を過ごし ようやくシンのもとへ行く
皇太子の居住スペースに シンの姿が見えない
シンを呼びながら 奥へと入って行くチェギョン
すると シンの幼い日のフォトフレームが飾ってある
いつもそばに置くテディベアを抱いている幼いシン
こんな小さな時から… と感心するチェギョン
何気なく目に留まったリモコンをいじっていると 秘密の部屋の扉が…!
そこは 写真を現像する暗室になっていて 奥の方にシンが座っている
屈託なく声をかけるチェギョン
薄暗い部屋の中に 何枚もの写真が吊り下げられている
何の写真?と除くチェギョンを シンは激しく拒絶し 出て行けと叫ぶ!
シンが何を怒っているのか チェギョンにはさっぱり分からなかった
匠入賞の授賞式が行われ 同席したシンは 静かに皇帝を見守っている
体調がすぐれない皇帝が いつ眩暈に倒れるかもしれないのだ
皇后が心配して シンを同席させたとおり 皇帝は眩暈に倒れそうになる
こんな状態では タイへの訪問など無理だという皇后
そして 代行として皇太子夫妻に行かせてはどうかと進言するのだった
それは名案だという皇太后
しかしそれでも 皇后の悩みは解決しない
2人をタイに行かせると その間に英国王室のウィリアム王子が訪韓する
それをもてなすべき人材がいなくなるというのだった
『義聖君がいるではありませんか』
『え?』
皇后は それだけは避けたかった
皇室の公式行事に どうしても義聖君を関わらせたくないのだ
そこで タイには皇太子だけを行かせ 皇太子妃を接待にと考えるが…
チェギョンの学習は思い通りに進んではおらず
英会話は 王子をもてなせるほどには上達していないと報告を受ける
語学の問題で 皇室が恥をかくことは あってはならないことだった
今さらながらに チェギョンの皇太子妃としての資質が悔やまれる皇后…!
『だから私は 名門出身の娘を嫁に迎えたかったのに!
皇太后様は 義聖君にその役を任せたがってるの!!!』
それを立ち聞きしたシンは 憂鬱な気分になる
タイに旅行だとはしゃぐチェギョンが うらめしくてたまらなくなる
シンは皇太子として 皇帝陛下に進言した
『これまで皇太子妃教育のため 学校の欠席日数も多いので
一緒に訪問するのは無理かと思います』
何とかなると言い出すチェギョンを無視し
シンは 英国王室の訪問をどうするのかと言い張った
なぜそんなことになっているのか 裏事情を知らないチェギョンは
海外旅行を阻止されたことでシンを睨みつける
それからのシンは チェギョンと会話すらしない
なぜ シンが急に冷たくなったのか
どうして 一緒にタイへ行こうと言ってくれないのか
何も分からないままのチェギョンだった
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