☤ 同伊(トンイ) 第42話 ☤

前左議政(チャイジョン)オ・テソクは

南人(ナミン)派の首長であったチャン・イッコンを殺し その地位を奪った

さらに ヨンギの父ソ・ジョンスをも殺した

テソクは ソ・ヨンギの復讐心を利用し

その罪を剣契(コムゲ)になすりつけたのだ

推理が正しければ 仲間がいるはずだというヨンギ

『それはつまり… 張禧嬪(チャンヒビン)』

だとすれば 同伊(トンイ)が捜す 手の合図をした女官は

張禧嬪(チャンヒビン)ということになる!

同じ時 チャン・ムヨルは 知り得た情報を張禧嬪(チャンヒビン)に報告する

何らかの形で 同伊(トンイ)が剣契(コムゲ)に関係していると…

『だが淑媛(スグォン)は 王室の後宮(プグン)なのに…』

『後宮(プグン)である前に 賎民の出身ですよ

ですから 関わりはいくらでも有り得るのです』

同伊(トンイ)は 就善堂(チュソンダン)へ行き 禧嬪(ヒビン)に会う

長い間探してきた鍵飾りの絵を差し出し 知っているか確認する

禧嬪(ヒビン)の反応は 明らかに知っている反応だった

(禧嬪(ヒビン)様でしたか

私の父と兄を殺したのは オ・テソクと禧嬪(ヒビン)様なのですか

それを 禧嬪(ヒビン)様も知っていたのですね)

一時は慕い その窮地を救うべく 奔走した自分を責める同伊(トンイ)

オ・テソクと禧嬪(ヒビン)を 決して許せないと憤るのだった

一方 名分を得た南人(ナミン)派の罪人たちは 続々戻って来ていた

オ・テプンとホヤンの父子は パク氏に案内され我が家に戻る

しかしそこは 賎民と大差ないあばら家であった!

全財産を差し出したパク氏には こんな家しか用意できなかったのだ

同じく戻ったチャン・ヒジェは さっそく就善堂(チュソンダン)を訪ねた

そこでヒジェは 同伊(トンイ)の不穏な動きを知る

何かを嗅ぎつけた同伊(トンイ)が しきりに探っているのだ

『今 好機と危機が目の前にあるのです

それが何であれ 淑媛(スグォン)か私の どちらかの生存が懸かっています』

内禁衛(ネグミ)では ヨンギ チョンス ウンテク

そして同伊(トンイ)が 今後の対策を話し合う

※内禁衛(ネグミ):王を護衛する軍営


手の合図だけで 追及することは出来ない

今のところは 何ひとつ確証がない状況だった

ないのであれば 作ると言い出す同伊(トンイ)

オ・テソクに墓穴を掘らせると…!

オ・テソクは憤っていた

流刑地から戻ったのは 禧嬪(ヒビン)の一派だけであり

甥のユンをはじめ テソクの一派はひとりも戻れないというのだ

漢城府(ハンソンブ)へ抗議に行こうとして

テソクは 屋敷の前の騒ぎに気づく

執事によると 檄文が貼られていたという

※漢城府(ハンソンブ):都の行政・司法を担当する官庁

※檄文:ある事実を広め 扇動しようとする文

檄文には 剣契(コムゲ)の濡れ衣を暴くと書かれ

指示した者がオ・テソクだとも書かれていた

オ・テソクは 檄文をチャン・ムヨルに叩きつけた

『まさか お前か?』

『何ですと?』

『配下を切り 私まで追い出す気か!!!うまくいくと思うのか!!!

私が失墜すれば 禧嬪(ヒビン)様も失墜する!私が黙っていると思うか!』

『落ち着いて!過去が暴かれれば 皆終わりです 私がやる筈ない』

『だが秘密を知っているのは禧嬪(ヒビン)様とお前だけだ!』

甥のユンが戻れず 配下も奪われ 檄文の内容に

テソクは正気を失うほど動揺していた

テソクの動きは監視され 逐一 ソ・ヨンギのもとに報告が入っていた

その中で 妙な点があるというチョンス

『最初に訪れたのが 漢城府(ハンソンブ)のチャン・ムヨルでした

なぜ あの者なのでしょう』

ムヨルは悩み始めていた

他にも知っている者がいるとすれば 大変な事態だ

もしも 知っているのが剣契(コムゲ)だとしたら…!

剣契(コムゲ)の事件について調べなおすムヨル

粛宗(スクチョン)もまた 剣契(コムゲ)についてあらためて調べていた

同伊(トンイ)に言われたことが どうしても気になったのだ

殺された両班(ヤンバン)は 皆 民への収奪が酷かった者たちだ

「このことをご考慮下さい 賎民が 剣を握るしかなかった理由です

そうでもしなければ この国で自らの命と家族を守れない そう思ったのかも」

同伊(トンイ)は ソ・ヨンギを呼び すべてを王様に話すつもりだと話す

そして 自分にもしものことがあれば 決して関わってはならないと…

同伊(トンイ)が 唯一心配なのは 王子のことだった

何があっても関与せず 宮廷で生き延び 王子を守ってほしいという

これではまるで 父チェ・ヒョウォンが ヨンギをかばった時のようだった

あの時も ヨンギのために 剣契(コムゲ)への関与を拒み

ヒョウォンは あえて無実を主張しなかったのだ

チョンスは 真犯人が分かったと ケドラに伝える

しかしケドラは そんなことは関係ないという

『朝鮮は両班(ヤンバン)の国です

剣契(コムゲ)に汚名を着せ 両班(ヤンバン)の罪は流罪程度です

そして命をつなぎ留め また元に戻ります』

『汚名を明らかにすれば 王様が処分を下される

事実を知れば 犠牲を払ってでも解決なさる』

一方 チャン・ムヨルは 慌てふためき就善堂(チュソンダン)に現れた

殺された剣契(コムゲ)の首長に 幼い娘がいた

確実ではないのに その娘の死亡処理をしたのはソ・ヨンギだった

そして その娘が 淑媛(スグォン)かもしれないと…!

『鍵飾り…!』

禧嬪(ヒビン)は驚愕する

その娘を逃がしてやったことがある

あの時 娘が拾ってくれた鍵飾り

それを同伊(トンイ)が確認しに来たのだ!

『ということは…』

『すべてを知っている!あの事件の秘密を…!』

オ・テソクは 剣契(コムゲ)の過去の記録を消し去るように指示する

それを見張り 捕らえるシム・ウンテク!

また 当時の事件の主導者 ホン・テユンがいる流刑地先には刺客が現れた

これもまた チャ・チョンスが先回りし 刺客を捕らえることに成功する

着々と計画が進む中 同伊(トンイ)は意を決し大殿(テジョン)に向かう

しかし 粛宗(スクチョン)は暗行(アメン)に出かけ不在だった

※大殿(テジョン):王が住む宮殿

※暗行(アメン):官吏が内密に民を視察すること

粛宗(スクチョン)は 同伊(トンイ)の言葉が本当か調べに来たのだ

捕庁(ポチョン)に報告されるのは 両班(ヤンバン)からの訴えばかりであった

両班(ヤンバン)の収奪がなくなったわけでもないのに

訴えを起こした賎民の記録はない

捕庁(ポチョン)が 両班(ヤンバン)の訴えだけを受けているようだ

ここに 同伊(トンイ)の言う 賎民の悲哀があったのだ

同伊(トンイ)が すべての証拠をつかんだという情報が

ムヨルからヒジェに伝えられ ヒジェは オ・テソクに

身を隠すようにと進言する

今 オ・テソクが失墜すれば 共倒れになってしまう

病を理由に 宮廷から去るべきだと

その間に 同伊(トンイ)を必ず始末するというヒジェだった

逃走を企てるテソクの動きを ケドラの部下が察知した

ケドラは テソクを捕らえるべく 剣契(コムゲ)を招集する!

テソクは 漢城府(ハンソンブ)の護衛で山越えをしていた

しかし 護衛しているはずの漢城府(ハンソンブ)の兵が

突然剣を抜き あっという間にテソクを斬り殺してしまった!!!

ちょうどそこへ 追跡してきたケドラの一団が現れる

宮廷への報告では オ・テソクを殺したのは剣契(コムゲ)とされていた

テソクと剣契(コムゲ)の遺体が収容され

すでに砦の場所を把握していたムヨルは

剣契(コムゲ)を捕らえるべく 兵を出動させる

もう手遅れかもしれないが 出動するというヨンギを チョンスが止めた

状況があまりにも出来過ぎている 罠かもしれないと!

そこへ 唯一 現場から逃走した剣契(コムゲ)がいると報告が入る

それはケドラだった

ケドラは瀕死の状態で ソリの妓房(キバン)に辿り着いた

ソリからの書状を受け取った同伊(トンイ)は ソ・ヨンギに連絡を取るが

ケドラの捜索で 宮廷には誰ひとり頼りになる者がいなかった!

都城には ケドラの人相書きが貼られ 官軍が練り歩いている

『今 捕まったら また汚名を着せられます!』

『淑媛(スグォン)様の身も危うくなる 何としても先に見つけねば!』

焦るチョンスだったが 今はなす術もない

ムヨルは すでにケドラの居場所を突き止めていたが 放っておいた

今は 捕らえるべき時ではないと…

禧嬪(ヒビン)が言う 危機を好機に変える瞬間を待っているのだ

騒然としている漢城府(ハンソンブ)に 粛宗(スクチョン)が現れる

暗行(アメン)の途中で オ・テソクの死を聞き 驚いて駆けつけたという

宮廷では 怪しい動きをするウングムとシビを ユ尚宮が見咎めていた

2人は チャン・ムヨルの指示で 賓慶堂(ポギョンダン)の動きを報告していた

ユ尚宮は信用できないと ムヨルが2人に指示したという

罪悪感に怯える2人

ユ尚宮は すべてをチョン最高尚宮(チェゴサングン)に打ち明けた

『禧嬪(ヒビン)様には逆らえず 淑媛(スグォン)様には恩がある故

黙っていればよいと思っていました』

2人がムヨルに伝えたのは 少し前の賓慶堂(ポギョンダン)の動きだという

様子を見に行くと 同伊(トンイ)の姿が消えていた

遅れて現れたソ・ヨンギも 同伊(トンイ)がいないと聞き 慌てて捜索する

同伊(トンイ)は ソリのもとへ来ていた

何としてもケドラを逃がそうと…!

深手を負ったケドラを抱きかかえ 逃げようとする同伊(トンイ)

そこへ 執事が 漢城府(ハンソンブ)の役人が押し寄せて来ると報告する

もう終わりだと 同伊(トンイ)だけでも逃げるようにというソリ

しかし こんなケドラを置いて逃げるわけにはいかない

いいから逃げろと叫ぶケドラ

そこへ 現れたのは 粛宗(スクチョン)王であった!

遅れて現れたチャン・ムヨルが 薄笑いを浮かべ ケドラを連行していく

取り乱して ケドラに追いすがる同伊(トンイ)!

衝撃を受けた粛宗(スクチョン)は 同伊(トンイ)を怒鳴りつけた!!!


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