TREE 第8話 我が道 TREE

『舞空術…! お前は何者だ?』

『俺に関心はないんだろ 気になるか?関心が生じたようだな この犬野郎!』

カン・チェユンの短刀が ユン・ピョンの仮面を割った

『せいぜいその程度とは失望だな 犬のように息切れしてるぞ』

『お前の息も荒い』

『だから勝てると思うか』

『お前は何者だ?』

『俺か 知ってるはずだ 兼司僕(キョムサボク)甲組カン・チェユン』

※兼司僕(キョムサボク):騎兵を中心とした親衛隊の精鋭軍

『お前にも尋ねよう ああ!捕らえてからゆっくり聞こう

苦しむことになるぞ まだ戦えるだろ? やろうか!』

しかし 遠くからムヒュルの声がする!

2人は舞空術を使い チョタクがいる場所に戻る

ユン・ピョンは 致命傷を与えずに再びチョタクを斬りつけた

チェユンが追ってこれないように…!

『何て奴だ ちくしょう!!!』

傷ついたチョタクをパクポに託し チェユンはムヒュルの兵を先導する

しかし 声の方向に遺体はなく 血痕と帯飾りがあった

チョタクを手当てするのに パクポはカリオンを呼んでいた

真夜中のことで どうしていいか分からなかったようだ

気がついたチョタクに向かって いつもの憎まれ口をたたくパクポ

『卑しい命を助けてやったんだ ありがたいと思え!』

この言葉に反応するチョタク

しかし チョタクよりもチェユンの方が過敏に反応し パクポの胸ぐらをつかむ!

『この世に 卑しい身分の者はいても 卑しい命などはない!!!』

『わ…分かったよ』

その反応の仕方があまりにも激しくて カリオンはチェユンを伺い見る
そこへ チョン別監が青ざめてやって来る

『き…慶会楼(キョンフェル)に…!!!』

慶会楼(キョンフェル)に向かうカン・チェユンとパクポ

カリオンも後へと続く!

※慶会楼(キョンフェル):景福宮(キョンボックン)の池の中にある楼閣

世宗(セジョン) ムヒュル 大提学チョン・インジ チョ・マルセン

兵士から女官に至るまで 小舟に乗せられ運ばれる遺体を見守っている

チャン・ソンスの遺体を見て気を失うソイ

遺体の下には布のような物が敷かれている

布には 大きく文字が書かれていた

“花は花でしかない 根にはなれず”

その場にへたり込むソン・サムムン

世宗(セジョン)は小刻みに震える唇を噛みしめた

(密本(ミルボン)… 本当に密本(ミルボン)なのか

本当にチョン・ギジュンが…)

何か進言しようとする広平(クァンピョン)大君を制し

世宗(セジョン)は昼寝をすると言い出す

夜でさえ眠れない殿下が昼寝だなどと…と心配するムヒュル

世宗(セジョン)は独りになり もがき苦しんだ

チョ・マルセンの進言の言葉が頭の中を駆け巡る

先王の最期の言葉が胸をえぐる

「権力の毒は内に隠して ひたすら耐えて我慢する?

それが人に可能なことと思うか 私が選んだ道より はるかに困難な道だ」

(“はるかに困難な道” ええ 残酷な道です これほどに残酷です!

しかし私は 父上とは違います! 疑い!だまし!斬り殺す…!

決してそうはしません!)

気絶したソイは 高熱を出し寝込んでしまった

チョ・マルセンは あの言葉が密本(ミルボン)の言葉だと知っている1人だ

あの言葉から密本(ミルボン)を連想する者は…!

(封印が解かれた 封印が… あれは決して世に出てはいけない言葉だ)

茫然自失になっている者がもう1人

右議政(ウイジョン)イ・シンジョクだった

(まさか こんなことが…)

一方ソン・サムムンは パク・ペンチョンの手に“休職届”を押しつけていた

自分に何かを答えようとしていたチャン・ソンス

しかし殺された今 その全体を知るためにも旅立つと言うのだ

ソイもまた 高熱にもかかわらず出かけようとしていた

止めるのは 同じ使命を持つ女官たち

チャン校理の遺体が運ばれたなら 他の何かを置いていくはずがないと…

しかし ソイは確かめたかったのだ

きっと何か 自分に伝えようとしたものが残っているはずだと

右議政(ウイジョン)イ・シンジョクが 側近に向かって聞く

『お前はどう考える?』

『噂話です 私も若い頃 その文言の話を聞きました

チョン・ドジョンの甥ギジュンが 科挙試験で 大名文家にも劣らぬ文を残し

それが “花は花でしかない 根にはなれず”

ですが噂だけで実際に見た者はいません それに数十年前のことです

やはり悪質ないたずらかと』

『フハハハ…“悪質ないたずら”か では密本(ミルボン)についてどう考える?』

『大監(テガム)は信じておられるのですか?』

『信じるとか信じないの問題ではない

私が密本(ミルボン)だったから聞いたのだ』

『えぇ?!!!』

チョン・ドグァンが殺され 甥のギジュンが姿を消す前に

イ・シンジョクは最後に会ったのだ

「朝廷で立身出世し その足場を固め 命令を待たれよ」

「ギジュン様 しかし…」

「本元(ボンウォン)の命令だ 私は必ず戻って来る

その時 朝廷の中枢にいてほしい 分かりましたね」

「ご命令に従います ギジュン様はどこへ行かれるのですか?」

「“大隠は市に隠る” 人々の中に隠れる」

まさか冗談だと笑う側近

しかし イ・シンジョクは至って真剣だった

『お前にこの話をするのは お前はすでに 私の手足になったという宣言だ』

『もう私は大監(テガム)に仕えています』

『それとは違う その程度ではない

知ったからには お前は 自分だけで死ぬことも 生きることも出来ない

意味が分かるか?』

側近から笑顔が消えた

イ・シンジョクの話が 冗談ではないと悟ったのだ

『もう20年も前の話だ 次の命令は届かず…

それで私は ただ自分の道を進んだ

そしてこの地位に昇った 命令に従うためではない

しかし20年も過ぎてから… 命令が下ったらしい』

あの時 去り際にチョン・ギジュンが残して行った文を

シンジョクは側近に渡し 読ませた

“活字が燃え 宮殿が血で染まる時 その時が迫ったことを知れ”

『鋳字所(チュジャソ)で火事があり 今日慶会楼(キョンフェル)で血が流れた』

『では チャン・ソンスの死は…!』

泮(パン)村では…

ユン・ピョンが行首(ヘンス)トダムに報告する

ソン・サムムンは何も知らないようだと…

それで休職したようだと話す直提学シム・ジョンス

顔の傷を見咎めるトダムに ユン・ピョンは本当のことを言わなかった

自分と同じ舞空術を使うカン・チェユン

ユン・ピョンは部下に 師匠イ・パンジの行方を捜せと命じる

休職したソン・サムムンは 遺体を運び込んだ家を訪ね

カン・チェユンが聞きこみに来たことを知る

チェユンは チャン・ソンスを検死するカリオンを訪ね 死因を探る
後頭部を針で刺され 猛毒も同時に使われていた

帰り道 気配に気づく

何者かが尾行しているようだ
あまりにも粗末な尾行に失笑するチェユン

尾行に気づき反撃するが わざと弱々しい兼司僕(キョムサボク)を演じ

人目につかない場所へ移動させる

『捜査で知ったすべてのことを話せ!』

覆面をしていても ソン・サムムンだと分かる

しらばっくれると 捜査日誌を突きつけウソだと詰め寄ってくる

これは?と言いながら受け取るチェユン

『!!!!!』

焦るサムムン!

後ろ手に縛ったはずのチェユンが 両手で日誌を受け取ったのだ!

あっという間に殴られ アザだらけの顔になるサムムン

形勢は逆転した

『私の捜査日誌を盗んだ 遺体よりは盗みやすいな』

今度はチェユンがサムムンに詰め寄る

遺体を盗んだ理由 何を確認したかったか

それとも隠したかったのか…

チェユンは ユン・ピルが燃やそうとした “君那弥欲”と書かれた紙を

サムムンに渡し 解明しろと言う

そうすれば チャン・ソンスが持っていた物を渡すと…

世宗(セジョン)は 心乱れたまま経筵(キョンヨン)を開く

※経筵(キョンヨン):重臣・文官たちが王に対して儒学や歴史を教える勉強会

『今日の経筵(キョンヨン)の案件は 税法廃止だ』

『殿下 税法廃止ですと?!!!』

この凶事が続く中 何を…! と チョ・マルセンが聞き返す

しかし 学士が3人死んだことは案件の1つにしか過ぎず

宮廷内に重大な問題は多いと答える

そう言われては これ以上異論を唱えることは出来なかった

この税法廃止についても 13年前 すでに先王によって否決されていた

いや 上王(サンワン)となった先王が世宗(セジョン)に否決させたのだ

18万人もの民に世論調査を実施した結果だと言い切る大臣たち

しかし再調査により 文字を知らず 文字を書けない民たちが

“否”の意味も知らず ただ“否”と書けと言われたことが判明したという

そこで世宗(セジョン)は 新たに世論調査を実施すると宣言し

集賢殿(チッピョンジョン)がその任に当たり

責任者を 直提学ナム・サチョルにすると発表した

経筵(キョンヨン)を終えた世宗(セジョン)を大提学チョン・インジが追いかける

なぜ大臣たちを刺激するのかと ひれ伏して諭そうとする

『13年前の世論調査の時 調査員は別の仕事もした』

『世論調査をしながら 各地の方言を収集しました』

『「八道地理志」の編纂のためだが 別の目的もあった』

『それは?』

『お前が研究する俗謡は いつ収集された?』

※八道地理志:領土・人口から文化・経済 軍事まで記した韓国初の地理書

※俗謡:民衆の間で歌われている通俗的な歌

ハッとするチョン・インジ

『まさに13年前のあの時だ

もう我々の計画を 奴らの妨害で中断しない』

税法廃止は 大臣たちにとって死活問題である

消極的な領議政(ヨンイジョン)に対し 右議政(ウイジョン)イ・シンジョクが

決して許してはならないと念を押す

突然重大な任務を言い渡された直提ナム・サチョルは 弱り果てた

どうせすでに密命を受けていたのだろうと言う直提シム・ジョンス

しかし本当に 寝耳に水の命令のようだ

広平(クァンピョン)大君に 別の意図があるのではと聞かれ

世宗(セジョン)は 私の心を読もうとするなと釘を刺す

その頃ソイは 夜の林の中でチャン・ソンスの痕跡を探していた

ソイが外出するのを目撃したパクポと一緒に カン・チェユンが林に向かう

チェユンは ソイが探しているものを持っていた それを置きに来たのだ

『ソイの手に渡ったら それを追えばいい』

『そうすれば あの女官が 殿下側か犯人側か分かる』

チェユンが隠した茂みに近づき とうとうソイは発見する!

あとは ソイを尾行すればいい

しかしソイは その場で包みを開け 本を取り出すと

松明の灯りで読み始めた

一心不乱に読み終えると… なんとその場で本を破き燃やしてしまった!!!

そして 声を上げて泣き出すのだった

内禁衛(ネグミ)の武官が 世宗(セジョン)に 各大臣の動向を報告する

議政府(ウイジョンブ)の大臣は皆 妓楼に集結し

その他の大臣たちも 会合を開いたり密使を送るなどの動きを見せた

※内禁衛(ネグミ):王室を護衛する軍営

※議政府(ウイジョンブ):李氏朝鮮における最高行政機関

妓楼では…

『儒林の廃止だと?』

『認めたくなかったのですが 殿下は性理学を軽視されています』

※儒林:儒学者の仲間

※性理学:宋明理学 道学のこと

直提学シム・ジョンスの言葉に チョ・マルセンは不快感を示す

副提学チョン・マルリが…

『だが殿下ほど性理学に精通している方はおられない』

『しかし反対を抑え 宮中に仏堂を建てられた

集賢殿(チッピョンジョン)の学問傾向もです

経学より 歴史や天文など 多くの雑学に学士を追いやっています』

※経学:儒教の経典を研究する学問

明らかに 王に対して反発を持っているシム・ジョンスを

チョ・マルセンは冷ややかに見る

さらにジョンスは 税制廃止で最も影響を受けるのは 地方の儒林たちだと…

『朝鮮建国後 地方に帰った士大夫たちは自治組織を作りました

朝鮮全土を性理学で治めるためでした

ヘガン先生は 郷村に私費で書斎と学堂を建て 書院を開く計画中です

踏験損失法を廃止すれば 地方の儒林は財政基盤を失います』

※踏験損失法:生産状況で税率を定める法律

『豪族や官吏を租税に関与させなければ 地方の儒林は民を統治できません

これは 性理学が朝鮮を統治できないということです!』

世宗(セジョン)は 過去の上奏文の山を前にしていた

苛立ち ムヒュルの言葉も心に届かない

『今重要なことは 密本(ミルボン)を見つけることです』

『今 私はそれをしている!』

上奏文を投げつけ 激昂する世宗(セジョン)

『私は何を間違っていた!朝鮮のために考えただけだ!

だが 臣下は今も集まって 私の意に反する謀議をしている!

いつでもそうだった

朝鮮独自の暦本を作ろうとした時も

天文機器製作で中国に人を送ることも

税法の世論調査の時も 奴婢に官職を与える案も

“大明の意向に逆らえません”

“国庫の浪費です”

“身分の秩序が崩れます”

くそったれ!!!

すべて自分たちの既得権を守るためだ

孔孟の教えを持ち出してな!

孔子が自国の暦本を作るなと言ったか?

孟子が民の声を直接聞くなと言ったか?

私は朝鮮のためを考えただけだ!

私がどんな過ちを犯した?!!!』

集賢殿(チッピョンジョン)を作って何をするかと 先王は聞いた

ひとり 集賢殿(チッピョンジョン)にむかう世宗(セジョン)

過去の 若者だった自分がそこにいた

(ひどいざまだ)

恐れを知らず 自分の朝鮮を掲げた若き日の自分

世宗(セジョン)は 過去の自分に言った

『密本(ミルボン)は存在する 父上は正しかった

同志が殺されている すべての権力には毒がある

ククク… その毒を抜かなければ このように内で腐る!』

(それで?)

『フフフ… “権力の毒を内に隠す”だと?!

アハハハ…“ひたすら「文」で国を治める”だと?!』

世宗(セジョン)は 過去の自分に向かって唾を吐く

『お前の下らぬ傲慢な決心の結果がこうだ!

お前が何の罪もない私の同志を殺した!

私でなく お前だ! 私ではなくお前が殺したのだ!!!』

(では まだ遅くない イ・バンウォンの墓前で涙を流し… 謝罪しろ)

『よくもそんな…!』

(なぜ父上が父上で なぜイ・ドがイ・ドか… その程度だからイ・ドなのだ)

『やめろ やめてくれ! 頼むからやめてくれ… やめろと言うんだ!!!』

カン・チェユンとサチョンは ソイの尾行を続けていた

ソイは 泮(パン)村のカリオンのもとへ向かっていた

予想外の立ち寄り先に チェユンは激昂する!

ソイが何を企んでいるのか カリオンが何に関わっているのか…!

ソイが帰り カリオンを締め上げるチェユン!

『女官のソイが なぜ夜遅くに来た?何しに?』

『さ…酸棗仁(サンジョイン)とエゴノキを取りに来たんですよ』

剣を突きつけられて 怯えながら答えるカリオン

酸棗仁(サンジョイン)は覚せい剤で

エゴノキは麻酔剤

相反するものをなぜ?チェユンは不審に思う

『いえ…酸棗仁(サンジョイン)は 炒めれば睡眠薬です

激しい不眠なので 炒めるはずです』

『エゴノキは?』

『何日も眠れない時は仕方ないですよ』

失神するような強い薬を飲むほど ソイは不眠症だった

昼に怠けているから夜に眠れないんだと言うチョタク

しかしチェユンは 不眠じゃないと言い切る

『なぜそれを?』

『昔 同じ薬を飲んでた』

チェユンは ひとりでソイを追った

ソイは夜風に当たりながら カリオンの薬を飲む

酸棗仁(サンジョイン)を炒めもせず 口に放り込んでいる

何度も 何度も 何度も…

『よしなさい』

驚くソイ

チェユンは ソイの前に立ち…

『酸棗仁(サンジョイン)は 炒めて飲めば睡眠剤ですが

そのままでは逆効果です』

『……』

『エゴノキは麻酔薬なので 人を失神させ 犯罪にも使われます』

『……』

『口出し無用ですか?』

話せないソイ

筆を取りもせず 立ち去ろうとする

『確かに 私には関係ないことです 眠ることが怖いですか?

何があってそんなに 眠りを恐れるのですか?』

振り返り チェユンを見つめるソイ

『酸棗仁(サンジョイン)で眠らずに耐え エゴノキで死んだように眠る

体が耐えられません 別の方法を』

気配がして振り返ると そこには世宗(セジョン)が立っていた

剣を置き ひざまずくチェユン

世宗(セジョン)の横には ムヒュルが仁王立ちしている

カン・チェユンがトルボクだと知ってから そうとうに警戒しているのだ

『なぜ知っている?』

『……』

『なぜ知っているのだ!』

『私も… 同じでした』

『どうして 体が耐えられない薬を… なぜ使った?』

『私の代わりに父が死にました その後からです』

今はもう それがどういうことか知っている世宗(セジョン)

『お前は父親が… 恋しかったのか?』

『違います 恐ろしかったです

私には 父がこの世のすべてでした

ところが 突然ひとりになり それが恐ろしく… いつもと同じ平凡な日々

何の罪もない父を 何の理由もなく殺すこの世が 恐かったのです』

話している目の前の男が トルボクだと知らないのに ソイは動揺する

『もし眠ってしまうと 父が恐ろしい姿で現れ

“理由だけでも教えてくれ なぜ死ぬことになったか教えてくれ” と…』

もう“トルボク”を正視出来ない世宗(セジョン)

『…どう立ち直った?』

『……父を殺したその者への復讐を決意して 薬を断ちました』

地面に置いた剣を握りしめるチェユン

ムヒュルが 一瞬もその動きを見逃すまいとしている

カン・チェユンに向かって歩き出す世宗(セジョン)を 必死に止める

世宗(セジョン)はムヒュルを睨みつけ カン・チェユンに向かって言う

『そう決心したら 身も心も楽になったか?』

『いえ 復讐の決意で体はより疲れ果て

人生のすべてをそれに懸ける私の心は… 悲惨です』

『それなのに なぜその道を行く?』

『決意したからです 決意のない私は もう私ではありません』

世宗(セジョン)の中に 若き自分が言い捨てた言葉が浮かぶ

(なぜ父上が父上で なぜイ・ドがイ・ドか…)

『決意のない私は… 私ではない』

『それほど切実で それほど憤怒し それほど悲しい… 決意でしたから』

『それほど切実で それほど憤怒し それほど悲しいお前の決意は…』

ひざまずき世宗(セジョン)を見上げるカン・チェユンの目に 涙が滲む

(それほどだったのか 奴婢トルボクの決意は…)

カン・チェユンに背を向ける世宗(セジョン)

ひざまずき 下向くチェユン

『お前はお前の道を行け 私は私の道を行く』



☝よろしければクリックお願いします