Ф 韓国版・花より男子 第17話#2 小旅行の行方 Ф

陶芸教室

講師を務める女性が ホワイトボードに自分の名前を書いた

“チャ・ウンジェ”

ウンジェ 『チャ・ウンジェです 失礼します』

挨拶の途中で 教室のドアの方へ行くウンジェ

そこには 入ろうとしてためらっているカウルが…

ウンジェ 『中へどうぞ 陶芸の世界へようこそ』

ぎこちない手つきで初めての陶芸に挑戦するカウル

ウンジェのやさしく丁寧な指導…

ウンジェ 『手のひらを使って よくこねるの』

不安な表情から 次第に笑顔を取り戻していくカウル

初日が終わり カウルはホッとして…

カウル  『ありがとうございます』

ウンジェ 『お礼は私が』

カウル  『え?』

ウンジェ 『受講生は中年の方が多いの

      同年代の方が入ってうれしいわ なぜ陶芸に興味を?』

カウル  『ある人が陶芸をやっているので…』

ウンジェ 『その人が好きなのね』

カウル  『え?』

ウンジェ 『好きな人のことを知りたくて 同じものを学びたい気持ち

      よく分かるわ』

カウル  『もしかして先生も…』

ウンジェ 『幼馴染だったわ

      他の子が遊んでる時 私たちは ろくろを習った』

カウル  『恋人も陶芸家に?』

ウンジェ 『…陶芸家だけど 恋人には… なれなかった』

カウル  『……』

ウンジェ 『気にしないで おかげで私は強くなれたわ』

棚から 1つのカップを取り出すウンジェ

ウンジェ 『このカップは こんなに薄く見えても すごく丈夫なの

      練られて踏まれて ろくろの上で何万回も削られて…』

カウル  『1300度』

ウンジェ 『そうよ 1300度の窯で焼かれてこの強い魂が作られるの

      よく知ってたわね』

カウル  『聞きかじりです』

ウンジェ 『私にとっては彼が 窯であり ろくろだったの』

カウル  『その彼のことは忘れたと?』

ウンジェ 『……その人を いつか連れてきてね』

その頃 ソ・イジョンは

夜更けにアトリエへ行くと 暗い部屋で父親が見知らぬ女性と…
女性は気まずそうに帰ってしまう

父親を睨みつけるイジョン

イジョン 『俺のアトリエだ 女を連れ込むのは他の所に』

父親   『イジョン そう固いことを言うな 助け合って生きなきゃ… ん?』

イジョン 『入り浸る気なら アトリエを移す』

父親   『それはダメだ 出て行くのは俺だ お前じゃない 忘れたか?

      陶芸家ソ氏一族の当主は 俺じゃなくお前だということを』

イジョン 『勝手に決められた』

父親   『嫌とは言わなかった そうだろ』

イジョン 『何が不満なんだ?』

父親   『……退屈だ 生きてるのがとても退屈なんだ』

イジョン 『まともな生き方を知ってる?』

父親   『まともに生きたいと思わせてくれた女は 生涯で1人だけだ

      その女を逃がすと… あとは皆同じ 意味のない繰り返しに過ぎん』

イジョン 『おふくろに… おふくろに対して残酷すぎる』

父親   『だからこの人生は早く終わってほしいが… 思い通りに行かんな

      なぜお前が当主になれたと思う? 俺に一番よく似ているからだ

      残酷だろ? 忘れるな “一期一会”だ 本物の愛は一度だけ

      もう1つの残酷な真実さ』

出て行く父の後姿を 軽蔑の視線で睨みつけるイジョンは

怒りを込めて 父が飲み残していったワインの瓶を叩き割った

期せずして 一緒に食事をすることになった4人は…

ジェギョン『来た』

店員   『ご注文の海苔巻です』

ジャンディの目に留まったのは… “大食い挑戦”のポスター

その視線に ジェギョンも気づく

店員   『ごゆっくり』

ジェギョン『あの あれ本当ですか?』

店員   『はい 食べきるのは大変ですよ やりますか?』

ジェギョン『賞品は無料クーポン50枚?』

店員   『そうです どなたが挑戦されますか?』

ジェギョン『私です!』

すくっと手を上げるジェギョンに ほかの3人が驚く

ジュンピョ『サル女 何の真似だ?』

ジェギョン『ジャンディあれ欲しいでしょ? 私に任せて』

ジュンピョ『やめとけ!食べきれるわけないだろ』

ジェギョン『食べたら?』

ジュンピョ『何?』

ジェギョン『3人とも私のお願い聞いて』

ジュンピョ『お願い?』

ジフ    『いいよ』

ジェギョン『やった!ジャンボラーメンください』

目の前のタライのような丼のラーメンを 黙々と食べ続けるジェギョン

驚きから呆れ顔になる3人 そして…

店員   『3 2…』

ジェギョン『成功!!!』

規定時間内で スープまで見事に完食したジェギョン

唖然とする3人

周りのテーブルからは 拍手が…

無料クーポン券50枚を数えるジェギョン

ジェギョン『ジャンディ プレゼント!

      さあ 私のお願いを聞いて!』

ジュンピョ『何だよ』

ジェギョン『旅行!この4人で旅行したいのWカップルで私のリゾートに』

ジュンピョ『サル女 俺はW何とかは嫌いだ』

ジェギョン『聞いてくれる約束でしょ! ジャンディ 行くわよね お願いよ』

ジュンピョ『お前 何者だ? 女のくせに食い過ぎだぞ!底なし胃袋め』

怒って席を立つジュンピョ

それでも気にしないジェギョン

ジャンディとジフは戸惑うばかり…

ジェギョン『ジャンディ 行きましょ ジフくんもお願い ん?ん?』

アトリエで1人 ソ・イジョンは苦しみに耐えていた

記憶の中の幼い自分が 同じこのアトリエの テーブルの下にうずくまり…

イジョン「ママ お願いだから死なないで」

そこへ来てくれたのは 幼馴染のチャ・ウンジェ

ウンジェ 「見つけた」

イジョン 「ママ 死んじゃう?」

ウンジェ 「きっと大丈夫よ」

そこへ 兄のイルヒョンが…

イルヒョン「イジョン どこだ?」

ウンジェ 「イルヒョン兄さんよ」

出て行こうとするウンジェを止めたイジョン

あの日の記憶と 今ここに残された思い出のパズルの置物

それは 陶器で作られたジグソーパズル

そのピースは 2つが抜けている

イジョンは 抜けたうちの1つを持っている

あの日のように テーブルの下を覗き込むイジョン

寂しい心を いつもウンジェのひざまくらで癒していた

イジョン 「どうして ここが?」

ウンジェ 「イジョンがどこにいても 私には分かるの」

イジョン 「眠るまで ここにいてね」

酒に酔ったイジョンは ウンジェの幻影に話しかける

イジョン 『俺 寝てもいい?』

幻影のウンジェがやさしくうなずき

イジョンは 誰もいないアトリエで静かに横になる

イジョン 『ウンジェ… 俺を見つけてくれよ

      俺を見つけるのは いつもお前だった』

翌朝 目覚めて食堂へいくジュンピョ

すると 母カン・ヒスと一緒に朝食を食べているジェギョンが…

ジェギョン『おはよう』

ジュンピョ『サル女 朝から何の用だ?』

カン・ヒス『婚約者に失礼よ』

ジェギョン『大丈夫です 彼なりの愛情表現ですから もう慣れました』

ジュンピョ『勝手に解釈するな!』

カン・ヒス『やはり両家のお嬢様は違うわね

      あなたの美しい心は 育ちの良さの表れよ』

ジェギョン『そんなことありません

      私の友達は 苦労してる分たくましくて』

カン・ヒス『友達?』

ジェギョンがそれ以上口走る前にと ジュンピョが立ち上がる

ジュンピョ『サル女 行くぞ! 遅く出ると道が混む』

ジェギョン『行ってきます』

カン・ヒス『楽しんでね』

2人の旅行に ジャンディも同行するなど夢にも思わないカン・ヒスは

仲良く出て行く2人を 満足そうに見送る

ジェギョン『こっちよ』

まずはホテルにチェックイン

ジェギョンは 荷物の中から取り出した小箱を ジャンディに見せる

ジェギョン『ジュンピョ 喜ぶかな?』

それは ペアリングだった

ジェギョン『こんなの嫌いだったけど 人って変わるのね

      私の男(モノ)だって印をつけたいの』

ジャンディ『“J&J”?』

ジェギョン『私たちの名前 これを作る時 不思議な気分だった

      彼が私の運命の相手なんて…』

ジャンディ『J&J… そうですね』

その頃男性陣は 料理に奮闘中

ジェギョン『できた?』

味見をしたジェギョンは苦悩の表情…!

それを見たジャンディは尻込み

ジフに口に運ばれ食べてみるが…

ジェギョン『まずいわ』

このひと言で 夕食はシェフが作るバーベキューに変更!

小さく切り分けた皿を ジャンディの前に置くジフ

甲斐甲斐しくジャンディに尽くすジフと それを受け入れるジャンディを見て

ジュンピョは ジェギョンに気づかれないように動揺した

夜になり ジャグジーの横に1人座るジャンディ

ジュンピョからもらったペンダントを見つめる

そのペンダントに刻まれた “J♡J”…

ジュンピョとジャンディも JとJなのを ジェギョンは気づいているのだろうか

その時 指の間を滑り落ち ペンダントが水の中へ…!

薄暗い水の底に 何度も潜りペンダントを探す

ようやく見つかったペンダントを手に ホッとするジャンディだが

そのまま溺れて沈んでしまう

いつだったか こうして溺れたことがあった

そう思いながら意識が薄れていくジャンディ

ジュンピョ『ジャンディ 大丈夫か? しっかりしろ!』

ジャンディ『ゲホッ…』

ジュンピョ『気がついたか?』

ジャンディ『ジュンピョ 泳げないはずじゃ…』

ジュンピョ『…昔の話だ』

ジャンディ『どうして?』

ジュンピョ『習った

      他の男がお前を助ける姿を見たくなくて 必死で覚えた』

そこへ ジフとジェギョンが駆け付ける

ジェギョン『何があったの 大丈夫?』

ジュンピョ『大丈夫だ』

ジェギョン『よかった』

ジフ    『ここからは俺が連れていく』

ジェギョン『そうよ 休ませてあげて』

ジフに付き添われて去っていくジャンディを 見送るしかないジュンピョ

ジャンディもまた 一瞬だけ振り返り そのまま行くしかなかった

ジュンピョの動揺に気づいたジェギョン

ジェギョン『あんたは大丈夫?』

ジュンピョ『ああ…』

ジュンピョも立ち去り 1人になったジェギョン

すると足元に 何か落ちている

それは ふたたびジャンディの手から滑り落ちたペンダント

“J♡J”と刻まれた文字を見つめるジェギョン…

イジョンは 兄イルヒョンが働くカフェに来ていた

陶芸をやめ 今はバリスタとして生きる兄

父ではなく 兄でもなく

次男の自分が当主になったあの日…

兄はアトリエで自分が作ったすべての器を叩き割った

イジョン 「どうかしてるぞ」

イルヒョン「いや いたって正気だよ 気づいたんだ」

イジョン 「何を?何をだよ!」

イルヒョン「覚えてる?おじいさんが言ってた窯の神」

イジョン 「何の話だ?」

イルヒョン「窯の神が選んだ器は 俺じゃなくてお前だ」

イルヒョンは イジョンの手をとった

イルヒョン「この手 どれほど欲しかったか分かるか?」

イジョン 「それで? やめるのか 出て行くのか! 逃げるつもりかーっ!

      この家に俺だけ残して全部を押し付け 1人で逃げるのか!!!」

今も苦しみ続けるイジョンは

別の世界に生きる兄を 遠くからいつまでも見つめていた

一方 ジュンピョに助けられたジャンディは 部屋で着替えて出てくる

それを迎えるジフ

ジフ    『大丈夫?』

ジャンディ『つい 泳いじゃダメなのを忘れて…』

ジフ    『俺に 消防士と水上保安官もやれって?』

ジャンディ『ウフフ… ああ 落し物をしたの 探してくるね』

ジフ    『……』

ジャンディ『もうトラブルは起こさないから』

ジュンピョは 1人ジャグジーでさっきの光景を思い返していた

ジェギョンを選ぶしかなかったとしても そうだとしても…

ジフに守られているジャンディを目にすることは つらかったのだ

そこへ ローブを羽織ったジェギョンが来る

ローブを脱ぎ捨てたジェギョンは ジュンピョにしがみつく

突然の行動に戸惑うジュンピョ

しかしジェギョンは ジュンピョから離れようとはしなかった

落としたペンダントを探しに来たジャンディは

そんな2人の姿を見てしまう…!


☝よろしければクリックお願いします