Ф 韓国版・花より男子 第10話#1 ジュンピョの不安 Ф
ソ・イジョンのアルトサックスの音色に聞き惚れる女性たち
チュ・カウルも イジョンを見つめている
そこへ…
スピョ 『新顔だね 俺は… お前』
気づかずに声をかけたスピョ
振り返ると 見違えたカウルに驚くスピョ
スピョ 『カウル 俺に会いに来たのか
きれいになった 別人みたいだ 外に出ようか?』
スピョの正体を知ったカウルは 明らかに不快な表情
イジョン 『カウル 知り合い?』
カウル 『いえ 知らない人です』
スピョ 『こいつと どういう仲だよ!』
今でもカウルを自分のものだと思い込んでいるスピョ
イジョンは周囲に向かって カウルを紹介する
イジョン 『俺の心を奪ったのは この女性です』
残念がる女性たちも 羨望の目で見ている
スピョは 面目丸つぶれの表情
イジョン 『じらさないで 俺の元へおいでよ』
スピョ 『カウル…』
カウルは スピョを無視して 差しだされたイジョンの手をとった
カウルの肩を抱くイジョン
2人に出て行かれて スピョは落胆の表情に
そんなスピョに女性が寄り添う
女性 『あの子 前世で相当いいことしたのね』
クラブを出た2人
まだ興奮がさめないカウルを イタズラっぽい眼差しで見つめるイジョン
自分のスカーフを外し カウルの首に巻く
イジョン 『最後まで完璧に演じよう』
一夜明けて 普通の女の子に戻ったカウルは バイト中
ジャンディ『カボチャ粥 1つ』
店長 『了解』
ジャンディ『それ 何?』
カウル 『明日バレンタインでしょ 何かしたくて』
ジャンディ『おぉ~?誰に?』
店長 『俺だろ?』
カウル 『お世話になってる人に ジュンピョ先輩にあげないの?あげる』
ジャンディ『何であいつに…これも!』
カウル 『ちょっと!それはダメ!』
ジャンディ『もう1つ…』
カウル 『ダメよ』
そこへ 頑固そうな老人がブツブツ文句を言いながら入ってくる
老人 『まったく!どうしようもない食堂だ』
店長 『!!!!!』
老人 『食に対する哲学や 料理長の信念がまったく伝わってこない!
けしからん!』
ジャンディ『うちのお粥 おいしいですよ』
老人 『ジャージャー麺!』
カウル 『ここは お粥の店ですよ 麺なら中国料理店へ』
ギロリと睨みを利かせ かたくなに…
老人 『ジャージャー麺!』
カウル 『おじいさん!近くの“上海楼”に行ってください』
店長 『待ってもらえ』
目を閉じて テコでも動かない意志を示す老人
いつになく真面目な口調で 店長がカウルに指示
店長 『今 作るから』
お粥の店の店長が作ったジャージャー麺を いきおいよくすする老人
せっかく作ったのに ろくに食べずに箸を置く老人にジャンディが…
ジャンディ『お味は?』
老人 『こんなまずいのは初めてだ!
この程度の腕前で よく商売ができたもんだ!』
老人の酷評に ガクッと肩を落とす店長…
カウル 『ここはお粥の店だって言ったのに!』
ジャンディ『でも お金は払ってくださいよ (3,500ウォンでいい?)』
カウル 『特別注文だから5,000ウォンもらおう』
そんな2人の前に ニュッと手を出す老人
ジャンディ『これは?』
老人 『代金だ』
カウル 『こんなもの 困ります!』
老人が差しだしたのは 自分が釣って来たナマズだった
老人 『あんな代物に金は出せん!受け取れ』
ジャンディ『キャァ~!』
渡されたナマズはまだ生きていて ジャンディの手の中でニュルッと動いた
老人 『次はナマズ鍋だ 料理長に伝えておけ!』
カウル 『また?』
老人 『それにしても情けない クソまずいにもほどがある』
メニューにないものを作らされ 酷評されたあげく支払いはナマズ…!
横暴な客に 怒るどころか完全にへこまされた店長
カウル 『変なおじいさんね』
ジャンディ『マスター気にしないで あの人 認知症ですよ』
カウル 『あの…味見していいですか』
老人の食べ残しのジャージャー麺を試食する2人
ジャンディ『おいしい!』
カウル 『上海楼よりも』
2人の称賛に励まされたのか 店長は ジャンディからナマズを受け取り
決心したような表情に
カウル 『まさか本気でナマズ鍋を作るの?』
ジャンディ『マスター…』
その夜 ジャンディはカウルとの会話を思い返す
カウル 「明日バレンタインでしょ 何かしたくて」
ジャンディ「誰に?」
カウル 「お世話になってる人に」
ジャンディは“お世話になってる人”といえば ユン・ジフの顔しか浮かばない
粉まみれの顔をハンカチで拭いてくれた
騙されてコスプレ姿で恥をかいた時も 上着をかけてくれた
寒空に ニット帽を被せてくれた
くしゃみの連発に 風邪薬をくれた
カウル 「ジュンピョ先輩にあげないの?」
好きな人にあげるなら…
でも ユン・ジフのことも考えてしまうジャンディ
ジャンディ『チョコレート?何がチョコレートよ…』
そう言いつつ ジャンディは手作りクッキーにチョコペンで似顔絵を…♡
それはまさにク・ジュンピョの顔だ
百面相のように いろんな顔のジュンピョが出来上がっていく
ジャンディに呼び出され 側近の車でやって来たジュンピョ
ジュンピョ『何の用だよ ひでえ場所だな』
ジャンディ『いい気分をぶち壊さないで』
ジュンピョ『どっか入ろう』
ジャンディ『来て』
ジュンピョ『どこに?また面倒を起こす気か? おい!待てよ』
憎まれ口をききながら ジャンディの後をついて行くジュンピョ
ジャンディが連れてきたのは 携帯ショップ
待ち合い席では タダでお茶が飲める
ジャンディ『楽しくて暖かくて お茶もタダよ』
ジュンピョ『ここは うちの客専用だ』
ジャンディ『サービス精神が欠如してる グループの将来が心配ね』
ジュンピョ『チッ… それ何だ?』
ジャンディが持参した紙袋の中身が気になるジュンピョ
ジャンディ『これ? 別に』
ジュンピョ『よこせ!』
中を開けて驚くジュンピョ
どう見ても自分の顔のクッキーが12個…!
ジュンピョ『これ…』
ジャンディ『他の人にあげるつもりが失敗して…変な形でしょ ハハ…
でも味はいいのよ 味見を!』
1個をつかんで食べようとするジャンディ
寸前で取り上げるジュンピョ
ジュンピョ『俺のだ 触るな!』
気に入った様子のジュンピョに満足げなジャンディ
すると 携帯ショップでは何かイベントが始まるようだ
司会 『ただ今より 携帯をかけたイベントを始めます
ゲームに出場される方は前へどうぞ』
今のこの時代に携帯を持っていないジャンディ
無言でジュンピョにアピールして…
司会 『これはすごい!ゾロゾロ出てきました
商品として携帯を贈呈します 次で最後のチーム!』
締切ギリギリで駆け込む2人
司会 『これで締め切ります!不景気のせいか すごい殺到振りですね
1番前の方からファイトと叫んでください』
順番に 『ファイティン!』と叫ぶ出場カップル
ジャンディが大きな声でアピール
ジュンピョは消極的に後ろで気配を消している
司会 『男女どちらでもいいので 相手にしがみついてください』
ジュンピョの背中にしがみつこうとするが 背が高くて届かないジャンディ
ピョンピョン跳ねているのに気づかないジュンピョ
司会 『彼氏さん もう少しかがんで ソフトな見かけと違って冷たいな』
57分が経過したところで 残っているのは2チーム
ジュンピョとジャンディ そしてもう1組
司会 『まだ頑張れますか?』
ライバル 『最後まで頑張ります』
司会 『こちらの彼氏さんはどうです?』
ジュンピョ『勝ちゅまで』
司会 『“勝ちゅまで”? もう一度』
ジュンピョ『勝つまで!!!』
司会 『応援のメッセージをお願いします』
ジャンディ『ん~ふふふ…』
司会 『抱きついてるだけで幸せ?』
携帯をゲットしたいジャンディのために頑張るジュンピョ
ジュンピョ『会長の息子だってバレたら 明日の社会面に記事が載っちまう』
ジャンディ『しゃべると疲れるよ』
ジュンピョ『携帯なら買ってやる!』
ジャンディ『自分の力で勝ち取るの!』
ジュンピョ『俺の力だろ』
確かに… ジャンディを背負っているジュンピョの力
携帯ショップの前に停車しているジュンピョの車
その後ろに 黒塗りの高級車が…
ジュンピョの母であり 神話(シンファ)グループの会長カン・ヒスの車だ
視察に訪れたのか 何人ものSPを従えて携帯ショップへ…!
司会 『それでは 最後の2チーム もう一度しゃがんで…立って』
勝負を決めるために 屈伸運動を促す司会者
ジャンディを背負い屈伸運動をしているジュンピョ
そこへカン・ヒス登場!
司会 『彼の顔に ものすごい汗が噴き出しています』
ジュンピョ『!!!!!』
司会 『最後に残るのはどちらか?』
おどろくジュンピョの異変に気づくジャンディ
思わずジュンピョの背中からずり落ちてしまう
司会 『落ちました!優勝カップルの誕生です』
ギロリと睨まれて立ちすくむジャンディ
ジュンピョはただ呆然としている
司会 『最初からこちらが優勝すると思ってましたよ』
ジュンピョは カン・ヒスの側近に両腕をつかまれ店の外に連れ出される
抵抗しようもないジュンピョ
走り去るジュンピョの車の後 無表情で車に乗り込み立ち去るカン・ヒス
ジャンディのことなど眼中にないかのように…
ジャンディは 1人取り残されてしまった
手には ジュンピョへのバレンタインクッキーの紙袋が…
その頃チュ・カウルは 感謝の思いを込めたチョコレートを持って
ソ・イジョンの屋敷の前にいた
スピョに傷つけられた自分を 変身させてくれて
胸のすくような復讐をしてくれた
そんなイジョンに 感謝をこめてプレゼントを持って来たのだ
そこへ 両手に美女を連れて帰宅したイジョン
イジョン 『カウルちゃん 何か用?』
カウル 『それは… 私はただ…』
『イジョンさん チョコよ』
『鼻が真っ赤よ ずっと待ってたのね』
イジョン 『ああ バレンタインの? お茶でもどう?』
カウル 『いいえ 結構です』
『遠慮しないで どうぞ』
『可愛いわね』
モデルのような美人たちに促され 屋敷の中に入るカウル
そこには 女性たちからのプレゼントの山が…
イジョン 『そこに置いて』
自分のプレゼントは違うのに…
カウルは 感謝の意味で持って来たプレゼントだと知ってほしかった
このプレゼントの山と一緒にしてほしくなかったのに…
カウル 『失礼します…』
出て行くカウルを 咄嗟に追いかけるイジョン
カウルの肩に手をかけ 引き止める
カウル 『放して』
イジョン 『真面目な子は困る いいか よく聞けよ
あれは芝居だ 勘違いするな』
持ち帰ろうとしたカウルのプレゼントを そっと受け取るイジョン
イジョン 『君が運命の人に出逢うまで預かっておく ありがとう』
違うのに… 違うのに…
カウルの目から 悔し涙がポロポロとこぼれ落ちた
1人取り残されたジャンディも 歩いて帰る途中 座り込んでしまった
心が折れて もう歩けない…
そこへ エンジン音がして目の前で停まった
ジフ 『代行運転です』
ジフのバイクの後ろに乗せてもらうジャンディ
大変な時に いつも目の前に現れるユン・ジフ…
ジャンディ『なぜ分かったの?』
ジフ 『言っただろ 代行運転だよ』
ジャンディ『え?』
ジフ 『ジュンピョに頼まれた』
自宅の前まで送ってくれたジフ
ジャンディ『ありがとう それじゃ』
ジフ 『ジャンディ 何かあったら話して』
ジャンディ『何か起きるの?』
ジフ 『ないといいけど』
ジャンディ『何も起きないよ あいつとは深い仲でもないし 気をつけて』
ジフ 『ジャンディ…』
ジャンディ『だから心配ないってば!』
ジフ 『それ 被っていくの?』
ヘルメットを脱ぐのを忘れていた…
照れ笑いでヘルメットを返して 家の中に入って行くジャンディ
ふと見ると バイクのハンドルにかけられたままの忘れ物が…
カン・ヒスは かねてから調査していたジュンピョとジャンディの写真を見ている
カン・ヒス『父親はクリーニング店 母親は銭湯の従業員』
室長 『はい そうです』
カン・ヒス『そんな子が神話(シンファ)学園に?あり得ないわ 誰のコネ?』
室長 『会長の指示です』
カン・ヒス『何ですって?』
記憶を辿るカン・ヒス
「世論が怖いのは無知だからよ 一旦騒ぎ始めると収まらないの
理性や常識は通じない! 火はつけた者に消させるわ」
カン・ヒス『報告が遅いわ』
室長 『お嬢さんは単にイジメの対象かと…』
カン・ヒス『誰が“お嬢さん”なの?!』
室長 『すみません…』
そこへ ジュンピョが乱入してくる…!
ジュンピョ『あいつに手を出すな』
カン・ヒス『何て?』
ジュンピョ『手を出すな!』
カン・ヒス『何の話か分からないわ あぁ イベント会場で見たあの子?
私がそんな暇人に見える?くだらないことにかまってる暇はないの
神話(シンファ)グループの会長はね!!!』
ジュンピョ『ならいい』
ジュンピョが立ち去ると 怒りをあらわにするカン・ヒス
カン・ヒス『準備して!』
室長 『分かりました』
持ち帰ったジャンディの忘れ物を開けてみるジフ
中身は どう見てもジュンピョにしか見えない 似顔絵のクッキー
ふと笑みがこぼれて そして寂しげな表情になるジフ
そこへ ジュンピョが現れる
開けられた似顔絵のクッキーを見て驚くジュンピョ
ジュンピョ『何でそれが…』
ジフ 『さあね 何でかな』
そう言うと クッキーを1個取り出して パクッと食べてしまうジフ
ジュンピョ『おい 食うな!!!!!』
慌てて取り返そうとするが もうクッキーはジフの口の中…!
楽しげに笑うジフ 怒り爆発のジュンピョ
落ち着いたところで しみじみとジュンピョが…
ジュンピョ『ジフ 不安だよ あいつに何か起きそうで…』
ジフ 『……』
ジュンピョ『一番こわいのは あいつのピンチに気づかないことだ』
ジフ 『心配するな ジャンディはヤワじゃない 知ってるだろ
怖がるな 俺たちがついてる』
ジャンディの自宅
両親と弟ガンサンが揃ってテレビニュースを見ている
<ラビルドールの経営者 カン会長がホテル協会の会長に選ばれました>
―満足ですか?-
カン・ヒス『トップになるまでは満足しません』
母親 『あら あの人は誰?』
ガンサン『ジュンピョさんの母親?』
父親 『神話(シンファ)グループの会長は違う
あのカリスマ いかにもやり手だ』
母親 『“トップになるまでは満足しません” … 似てる?
親戚になるなら負けられないわ』
ドアチャイムが鳴る
ガンサン『誰かな ジュンピョさん?!』
父親 『坊ちゃん?!』
母親 『婿殿?!』
ダッシュで玄関に走る3人…!
ガンサンがドアを開けると そこに立っていたのは カン・ヒスその人だった

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