ф 韓国版・花より男子 第1話#1 ワンダーガール ф

 

-韓国の神話グループがロンドン五輪の最大スポンサーに…-

 

-韓国の経済史上において成長率トップを守り続け ついに世界的な大企業として

  成功したグループ その名は“神話”(シンファ)-

 

-電子 製油 自動車 流通 通信などを手掛け 今や韓国の国民の間では

  大統領の名前より知名度が高い 巨大な王国を築いた代表的な財閥だ-

 

-創立者は 史上初の輸出 百億ドルを達成 大統領府に招待された彼は

  勲章を辞退し こう願い出た “孫のための学校を設立したいのです”-

 

-社団法人 神話学園 韓国の教育史上 前例のない特別学校-

 

-大統領は 平等教育より経済発展を重視し 特別法まで制定した-

 

-もはや神話学園卒がエリートの必須条件だ 上位1%による 1%のための

  貴族学校である-

 

-上流階級ですら容易く入れない神話幼稚舎 小中高はもちろん 大学まで

  エスカレーター式という恩恵 受験戦争に苦しむ学生と親たちにとって

  ねたみと憧れの対象となった-

 

しかし…

 

選ばれし者たちが通う学校の中では 想像もつかない出来事が起こっていた

 

震える手で ロッカーを開ける男子生徒

そのロッカーの中には 髑髏が描かれた赤紙が貼られていた

驚愕する男子生徒 赤紙には 髑髏と“F4”の文字が…

 

同級生『おい ミナ こりゃ大変だな(笑)この野郎!』

 

赤紙が貼られた ミナという男子生徒に 一斉に暴行を加える同級生たち

逃げ出すミナ 追いかける同級生たち

 

そんな事件が起きている校舎に 一台の自転車が…

後部に洗濯物を積んだ自転車を勢いよく漕いでいる少女

 

守衛   『ご用件は?』

少女   『ジャンディ・クリーニングです 制服を届けに どうも(笑)』

 

一方 集団暴行を受けているミナという生徒は…

反撃しながらも 追い詰められて とうとう屋上へ

 

暴行生徒『いたぞ 捕まえろ!』

 

こちら制服を届けたいクリーニング屋の少女は…

お届け相手を探して ビュッフェのような食堂へ出る 目を見張る少女

とても学校とは思えない豪華さだ

 

少女   『本当に学校なの?』

 

そこへ!

 

男子生徒『おい! イ・ミナが屋上に行ったぞ!』

 

それを聞いて他の生徒も屋上へ

 

『マジか?』

『本気かな?』

『らしいぞ』

 

少女   『イ・ミナ?』

 

追い詰められたミナは 今まさに屋上から飛び降りようとしていた

下で見物している生徒は心配している気配すらない

携帯で写真を撮ったり 笑顔で見物だ

 

『やっぱり1週間も もたなかったか』

『でも3日粘ったぞ』

『3日もないな 正確には…』

 

ミナ   『これが望みなんだろ 望みどおりにしてやるよ』

飛び降りようと 下を見つめるミナ そこへ!

少女   『待って! イ・ミナさん! いえ お客様』

ミナ   『君は?』

少女   『私?クリーニングの配達です 3万ウォンです!(笑)』

(この状況が分かってるのか…)ため息をつくミナ

少女   『分かったわよ 2万5千ウォン!ジャージはサービスしておきます』

ミナ   『僕が死んだら…家に請求を』

少女   『そんなこと言わずに…え?死ぬ?死ぬつもりなの?何で?

      こんないい学校に通ってるのに』

ミナ   『ここは学校じゃない 地獄だ!』

少女   『あのね!本当の地獄は この外よ!“受験地獄”って知ってる?』

ミナ   『“F4”は?』

少女   『F…何ですって?F4? 何それ?』

ミナ   『彼らに目を付けられたら こうして全校生徒の獲物になるんだ』

少女   『そんな奴ら やっつけなきゃ!もともと弱虫ほどツルんで威張るのよ!

      うちの学校なら私がとっちめて八つ裂きに…』

ミナ   『羨ましい 君の友達が』

少女   『え?』

ミナ   『いい友達がいる』

少女   『それほどでも…(笑)』

 

その時!

少女   『やめて~!!!』

ミナは意を決して飛び降りた!

少女がとっさにミナの襟首をつかみ 間一髪 ミナは救われたのだった

 

翌日の新聞やネットでは この騒動が一斉に流され大反響を呼んだ

 

“勇敢な庶民の女子高生”

“特権教育の神話学園で いじめに遭った生徒を 財閥や名門ではなく

  一般庶民の女子高生が救出した”

 

この記事に対して 世間は黙っていなかった

ネットでは神話グループに対する怒りの書き込みが相次いだ

 

“お金で受験を免れた〈神の子〉 暇なら受験すれば?”

“神話グループは自粛しろ”

“子を持つ親として許せません”

“神話グループの不買運動を”

 

街中では 神話グループに対する怒りのデモが繰り広げられた

『神話グループは自粛しろ!』

『自粛しろ!』

『特権教育 廃止!』

 

レポーター『ここは いじめ事件の真相追及と特権教育に反対するデモの現場です

       市民の声を聞いてみます デモに参加した理由は?』

デモ市民 『僕の友達もイジメで退学しました 僕らと違って彼らは受験のストレスも

       ない…』

 

テレビのスイッチを切ったのは あのミナを助けた少女

彼女は家業のクリーニング屋の手伝いをしながらアルバイトもこなす高校2年生

名前は クム・ジャンディ

自分を取り上げたこのトップニュースが気に食わない様子…

 

カウル  『あだ名がついたわよ』

ジャンディ『え?』

カウル  『“庶民の英雄 彼女こそ真のワンダーガール”彼女を神話学園へ!(笑)』

ジャンディ『もうやめて!!!』

店長   『カッコいいな』

カウル  『“フラワー4”のことだけど そんなにイケメン?一度近くで見てみたいわ』

ジャンディ『“フラワー4”?フラワーじゃなく“フライ4”でしょ 4匹のハエ!』

 

そこへ押しかけたのは 取材の一陣!

レポーター『ひと言 お願いします! こちらを見てください!』

目も開けられないほどのフラッシュが…

レポーター『笑ってください!』

 

ふたたび街頭インタビュー

怒る市民 『あれは英才学校でも何でもない 単に金持ちの学校ってだけ

       韓国は平等社会でしょう セレブ学校は…』

 

こちらでテレビのスイッチを切っているのは 神話グループ会長 カン・ヒス

デスクには“いじめ被害者を救出”の週刊誌

 

室長    『現在 総力を挙げて世論の鎮静化を…』

カン・ヒス 『どこが鎮静化してるの?記者の口からジュンピョの名が出るなんて!』

室長    『面目ありません』

カン・ヒス 『世論が怖いのは無知だからよ 一旦騒ぎ始めると収まらないの!

       理性や常識は通じない! 火は つけた者に消させるわ』

秘書    『総理室に つながりました』

カン・ヒス 『お電話代わりました 面白くなってきましたわね』

 

夜も更けて…

疲れた様子で ようやく自転車で帰宅したジャンディ

ジャンディ『パパラッチに追われて逃げ回るなんて…最悪の配達先だったわ!

       何が神話やF4よ もう うんざり!』

 

ジャンディ・クリーニングの前には物々しい護衛と高級車が…

 

ジャンディ『ただいま…え?』

父親    『帰って参りましたぁ ジャンディ ご挨拶しなさい』

ジャンディ『え?』

父親    『神話グループの会長室のお方だ』

室長    『ワンダーガールにお会いできて光栄です』

ジャンディ『私は何もしてません 本当です F4という奴らが…』

室長    『実は…』

母親    『ジャンディ 聞いて驚かないでね あなたは…

       明日から神話学園に通うのよ!(笑)』

家族全員 『通うんだよ!(大はしゃぎ)』

ジャンディ『えっ?』

室長    『実は…』

父親    『会長のご好意で 特待生として入れるんだ!』

家族全員 『入れるの~(笑)』

ジャンディ『特待生?なぜ

室長    『我々は…』

弟     『中学でやってた水泳を続けていいって』

家族全員 『続けていいって~(大はしゃぎ)』

ジャンディ『イヤ!』

父親    『何?』

母親    『なぜ?』

弟     『正気?』

 

ジャンディ『私は今に満足してます あんな学校 別に行きたくないし お帰り下さい』

室長    『ジャンディさん もう一度…』

母親    『大丈夫です 明日から通います』

ジャンディ『ちょっと…』

母親    『お黙り!』

 

ジャンディの口をふさぎ 部屋から連れ出す父と弟

室長を見送って一緒に玄関へ行く母親

 

室長    『では明日』

母親    『首に縄を付けてでも連れて行きます』

室長    『よろしく』

母親    『あの 室長』

室長    『?』

母親    『後で取り消しはナシですよ(笑)』

 

部屋に戻ると 鬼のような形相のジャンディ

ジャンディ『ママ!!!』

母親    『大声を出さないでよ あれを見て』

父親が神話学園の制服を振り回し 弟はビデオで撮影中

『神話学園!』

 

弟     『姉ちゃん!こんな日が来るなんて初めて姉ちゃんを誇りに思ったよ(笑)』

母親    『これでも行かない気?学費がいくらか知ってるの?』

ジャンディ『何と言われようと私はイヤよ』

母親    『優秀でもお金持ちでも めったに入れない学校なのよ!』

ジャンディ『“金持ちの道楽学校”ってけなしてたくせに!』

母親    『それは手が届かない時の負け惜しみ 空から札束が降ってきたも

       同然じゃない 喜んで当然よ!』

ジャンディ『何だか不吉な予感がするの…とにかく!何を言おうと

       私は絶対に行かないから!』

 

部屋に行こうとするジャンディに…

母親    『水泳 好きだったでしょ プールのある高校に通いたいって…』

ジャンディ『プールで釣る気?見損なわないで!イヤ!絶対に行くもんですか!』


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