北海道民として生まれ育てば、切っても切れない間柄のアイヌ語。
札幌でも地名のかなりの部分はアイヌ語由来と習いました。
そんな私はテレビドラマを観る機会が多く、最近ではフェルマーの料理に熱くなっています。
おかげで、心なしか毎日の料理に力が入ります。
ところで、このドラマで主人公の父親役を演じている宇梶剛士さんは、実母がアイヌ民族と聞いています。
白老のウポポイに行ったときに彼のパネルがありました。
そもそも「札幌」の語源は、乾いた大きな川を意味するアイヌ語と小学生のときに学びました。
そして北海道には「幌」や「別」が付く地名が多く、幌は広い川で、別は川を意味すると記憶しています。
今でも頭に残っている数少ない私の豆知識です。
と、イロイロ考えていると、改めて札幌とアイヌ語の関係が気になったのです。
札幌ではアイヌ語に出会う機会が多い
今年、狸小路で開業したモユクサッポロ。
開業前のCMで「わたしも行く(ゆく)、あなたも行く(ゆく)」と言っていたときには、無理がある駄洒落と感じていました。
ところが、私の学習塾となっている馴染みの居酒屋で学んだのですが、モユクの語源は狸を意味するアイヌ語らしいです。
あのポンポコたぬき。
学習塾(と言っても居酒屋だが)では、それならば、どうしてモユクの後ろに札幌と付くのか意見交換が行われました。
モユクは狸小路の狸を意図していて、狸小路は札幌以外にあり得ない。
だから、札幌と付ける必要はない、不適当、くどい…などなどが不要論派の主張です。
一方、狸小路の歴史や文化を広め、札幌の知名度アップを狙っているのではと必要派が反論しました。
私は、日本各地にモユクが開業すれば、アイヌ語が全国的に認知される1つのシンボリックワードになるのではないかと感じました。
しかしなあ、このようにアイヌ文化などを商業目的で扱うことについて、先住民族の皆さんは喜んでいるのでしょうか。
ウポポイがオープンしたときにも感じたのですが、倭人のエゴのようにも思えてなりません。
狸や狐にだまされるような美人がいるというのが、狸小路と呼ばれている理由だそうです。
モユクサッポロへ行けば美人に出会えるかもしれないですが、私は混雑が嫌いなので、なかなか足が向きませんけど…。
札幌から離れた場所で出会ったアイヌ語
もしかすると、皆さんの周りにピリカという女性はいませんか。
ピリカとは美しいという意味のアイヌ語です。
そのためか、札幌にはピリカを名称に使う店や施設が多く存在しています。
お米のユメピリカも、きっと、そういうことでしょう。
そういえば、森繫久彌さんや加藤登紀子さんが歌う知床旅情の歌詞にピリカが登場します。
♪しれとこ~の岬に、ハマナス~の咲く頃~
これは私が生まれたころに作られた歌で、小学校を卒業するときに担任の先生がギターの弾き語りで聴かせてくれたのを覚えています。
知床旅情は、離れていくピリカを想っての歌だと思います。
卒業する私たちをピリカに見立てて歌ってくれたのでしょう。
泣いていた憧れのあの子は、当時の私にとってのピリカそのものでした。
ところで、北海道の西側、道南近くに今金町というマチがあります。
長い人生で数えるほどしか通ったことがありませんが、日本初の開業女医、荻野吟子女史の診療所があったことで有名です。
荻野医師が美人だったかはわかりませんが、ことに男の医者にかかりたくない婦人病の女性にとっては、ピリカな存在だったろうと推察します。
(NHKかどこか、ドキュメンタリー番組で見ました)
その今金には美利河ダムがありますが、何て読むかわかるでしょうか。
これでピリカダムと読むのです。
アイヌ語を語源とする地名は札幌に限らず、北海道各地でみられます。
それにしても「美」で「ピ」と読ませるのは、いささか無理を感じます。
私が住む札幌の厚別は、魚がとれる豊かな川という意味だそうですが、今では面影は残っていません。
一方で、スーパーで甘鮭が手頃な値段になっていました。
今夜は、我が家のピリカのために魚料理を作ってみようと思っています。
※すみません!
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