「海猿」の原作者で漫画家の佐藤秀峰氏によると。。

●映像化については詳しい話を聞かされないままに企画が進み

契約書には都度都度、漫画家に報告し許諾を取ることが書かれていました。

が、それは守られませんでした。すでに企画が進んでいることを理由に、

映像化の契約書に判を押すことを要求されました。

出版社とテレビ局は「映像化で一儲けしたい」という点で利害が一致

テレビ局は
映像化の条件を細かく出されると動きにくいので、

漫画家と積極的には会いたがらない
出版社も 

日頃の言動の辻褄が合わなくなると困るので、

テレビ局側の人間に漫画家を会わせようとしない

出版社がテレビ局に「映像化に対する漫画家の要望」を伝えるかどうかは別問題
企画が頓挫する可能性があるから出版社は、

テレビ局には 原作者(漫画家)の要望を伝えない。
漫画家には「漫画通りにやっちゃうと予算が足りないみたい」などと言いくるめる

。。

これ。。

「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんの時もあったのでは。。?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

https://news.yahoo.co.jp/articles/37a11a4984d7e943c8ef1b464effbcd67d7031cd

「こうして映画『海猿』はテレビやネットから消えました」

原作者の佐藤秀峰氏がトラブル回想

日刊スポーツ 記事編集

ドラマ・映画化されたヒット作「海猿」の原作者としても知られる漫画家の

佐藤秀峰氏が2日、メディアプラットフォーム「note」を更新。

昨年10月期放送の日本テレビ系連続ドラマ「セクシー田中さん」の

原作者で漫画家芦原妃名子さんの訃報を受け、

自身の作品の映像化をめぐる過去のトラブルを振り返った。

その後も「蚊帳の外」のまま映画は第4弾まで製作・公開され、

フジテレビのアポ無し取材や、関連書籍が無断で出版されたことなども重なり、

「『もう無理だな』という言葉が頭に浮かびました。

そして、契約更新の時期がやってきて、僕はNOの答えを提出しました。

こうして映画『海猿』はテレビやネットから消えました」と、

現在では2次使用されない事情を説明。

バッシングを受けた当時を回想するとともに、

「芦原さんについて『繊細な人だったんだろうな』という感想をいくつか見かけました。

多分、普通の人だったんじゃないかと想像します。

普通の人が傷つくように傷つき、悩んだのだと思います」との思いをつづった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以下。。

佐藤秀峰さんの「note」を抜粋

https://note.com/shuho_sato/n/n37e9d6d4d8d9

漫画を原作とした映像化のトラブルということで、僕の名前を思い出す人も

多かったようです。ここ数日、当時の出来事がフラッシュバックしています。

どうして漫画の映像化でトラブルが頻発するのでしょうか。

企画書というのは作るのは簡単ですが、実現することはほとんどありません。
「映画は水ものだから企画段階では真剣に考えなくて良い」という

編集者の言葉を真に受けていたら、ある日決まっていました。

決まったと思ったら僕が口を挟める余地はありませんでした。
漫画家は通常、
出版社との間に著作権管理委託契約というものを締結しています。
出版社は作品の運用を独占的に委託されているという論理で動いていました。
契約書には都度都度、漫画家に報告し許諾を取ることが書かれていました。
が、それは
守られませんでした
すでに企画が進んでいることを理由に、映像化の契約書に判を押すことを要求されました。

脚本?
見たことがありませんでした。

「ブラックジャックによろしく」を週刊連載中で忙しかったこともあります。
好きなようにされていました

作品が自分の手から奪われていく感覚がありました
「漫画と映像は全くの別物である」と考えました。
そうしないと心が壊れてしまいます。

映画はDVD化されてから観ました。
クソ映画でした。

僕が漫画で描きたかったこととはまったく違いました

しかし、当時はそうした感想を漏らすことはしませんでした。
たくさんの人が関わって作品を盛り上げている時に、

原作者が水を指すのは良くないのかなと。
自分を殺しました

こうして僕は映像に一切文句を言わない漫画家となりました。
一方、
出版社への不信は募ります
何も言わないことと、何も不満がないことは違います。

言えることは、出版社、テレビ局とも漫画家に何も言わせないほうが都合が

良いということです。
出版社とテレビ局は「映像化で一儲けしたい」という点で利害が一致していました。

漫画家の懐にいくら入ったところで彼らの懐は暖まらないのです。
それより製作委員会に名を連ね、映画の利益を享受したい。
とにかくすみやかに契約することが重要。
著作権使用料で揉めて契約不成立などもっての外。

テレビ局はできるだけ安く作品の権利を手にいれることができれば御の字。
漫画家と直接会って映像化の条件を細かく出されると動きにくいので、

積極的には会いたがりません。
出版社も作家とテレビ局を引き合わせて日頃の言動の辻褄が合わなくなると困るので、

テレビ局側の人間に会わせようとはしません。

漫画家の中には出版社を通じて映像化に注文を付ける人もいますが、

出版社がそれをテレビ局に伝えるかどうかは別問題です。
面倒な注文をつけて話がややこしくなったら企画が頓挫する可能性があります。
出版社は、テレビ局には「原作者は原作に忠実にやってほしいとは言っていますけど、

漫画とテレビじゃ違いますから自由にやってください」と言います。
そして、漫画家には「原作に忠実にやってほしいとは伝えているんだけど、

漫画通りにやっちゃうと予算が足りないみたい」などと言いくるめます。

かくして、漫画家は蚊帳の外。
テレビ局と出版社の間で話し合いが行われ、事が進んでいきます。

それからもテレビ局にアポなし取材を受けたり、関連本を無断で出版されたり、

たくさんの嫌な事がありました。
弁護士が入り、人間の醜い面を散々見せつけられた頃でした。
「もう無理だな」という言葉が頭に浮かびました。
そして、契約更新の時期がやってきて、僕はNOの答えを提出しました。

こうして映画「海猿」はテレビやネットから消えました。

今、書いたことは僕に起こった出来事です。
他の漫画家がどんな目に遭っているかは知りません。
だけど、そこにはブラックボックスがあります。
それが良いほうに機能する場合もあれば、悪いほうに機能することもあるでしょう。
作家のためを思って働いてくれる編集者もいるでしょう。
誠実なテレビマンもいるはずです。
不幸なケースもあれば、幸せなケースもあると思います。

芦原さんについて「繊細な人だったんだろうな」という感想をいくつか見かけました。
多分、普通の人だったんじゃないかと想像します。
普通の人が傷つくように傷つき、悩んだのだと思います。