中国人民解放軍の無人偵察機「WZ-8」が配備された空軍基地を管轄する
人民解放軍東部戦区は、台湾を作戦区域としている。
中国が偵察用無人機を実戦で運用することになれば、
台湾を支援するために配備された米軍の戦艦と軍隊の位置情報をより正確に把握し
打撃できるようになるとみられる。
中国は無人偵察機を2019年10月の中華人民共和国樹立80周年記念行事で初めて公開したが、
当時はこの無人機が実戦配備されるほどの性能を出せる状態だと信じる専門家は多くなかった。
しかし、この数年間で脅威的な偵察無人機に生まれ変わった。
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●WZ-8無人機
・中国空軍のH6-M爆撃機がWZ-8無人偵察機を積んで離陸後、
高高度の上空で主要施設の映像撮影や位置確認などの偵察活動。
・ロケット推進型
・戦争時、リアルタイムの地形データを収集できる最先端の監視システムを搭載
・合成開口レーダー(SAR))で、夜でも霧が立ち込めた曇天でも情報収集可能。
・探知と迎撃が難しく、既存の対空兵器では十分ではない
・中国の『接近阻止・領域拒否』(A2AD)用兵器
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https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20230424-00346651
日本も懸念すべき中国の最新鋭偵察ドローンとは?
「中国は初の無人機部隊をほぼ確実に設立」米機密文書
飯塚真紀子
流出した米軍事機密文書は、日本も懸念する必要がある中国の軍事開発に
ついても露呈しているようだ。
それは、中国が開発している超音速の偵察ドローンについてである。
4月18日付けワシントン・ポスト電子版が、この超音速偵察ドローンについて、
流出した機密文書のアセスメントとして
「中国軍は、まもなく、高い高度を、少なくとも音速の3倍速で飛ぶ
偵察ドローンを配備するだろう。
中国の監視活動を大きく強化する開発になるだろう」と述べている。
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この超音速偵察ドローンについて明らかにしているのは、
アメリカ国家地理空間情報局の文書。この文書によると、中国軍は、
台湾やその地域の軍事基地周辺を航行しているアメリカの戦艦をターゲットにした
技術開発を進めているという。
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文書には、上海から560キロ内陸の、中国東部にある空軍基地に、
2基のWZ-8ロケット推進式偵察ドローンがあることを示す衛星画像も掲載されているようだ。
その偵察ドローンは、将来戦争になった場合に、戦略の伝達やミサイル攻撃を行うために、
中国がリアルタイムの地形データを収集できる最先端の監視システムを搭載しているという。
この状況について、文書は「中国軍は、ほとんど確実に、
中国の台湾統治の強化を担う中国軍の支部の中国人民解放軍東部戦区下の基地に、
初の無人機部隊を設けた」という見方をしている。
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また文書には、偵察ドローンやそれを打ち上げるのに使われるツインエンジン
H6-Mbadger戦闘機の飛行ルートも掲載され、そのルートは
空軍基地を離陸した戦闘機が中国の東海岸沖を飛行後、偵察ドローンを放ち、
その後、偵察ドローンは台湾または韓国上空3万メートル超を音速の3倍速で飛ぶという。
文書には、偵察ドローンがどう動かされるかは詳述していないが、
エンジンは主にロケット燃料関連の特徴を備えているという。
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偵察ドローンの機能については、電子光学カメラとセンサーで
台湾本土とソウルを含む韓国の西側の情報を集めることができ、
電磁波(マイクロ波)を利用した高解像度の地形イメージを作り出す
合成開口レーダー(SAR)で夜間や霧の時でも地形イメージを掴むことができるとしている。
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ちなみに、2月にアメリカ上空を飛行して撃墜された中国の偵察気球も
合成開口レーダー(SAR)を搭載していたようだ。
米情報機関はこの偵察気球を“キリーン-23”と呼んでいるが、
この偵察気球は1万ワット超の電気エネルギーを生み出す太陽光パネルを搭載しており、
これは合成開口レーダー(SAR)で偵察を行うのに十分なエネルギーだとしている。
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もっとも、偵察ドローンは、現在は攻撃用には作られておらず、
改造すれば将来は攻撃も可能になるもののようだ。
識者は、この偵察ドローンの探知や迎撃は難しく、
現存のアメリカの空対空兵器では十分に対応できないという見方も示している。
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“政策研究のためのポトマック研究所”の所外上級研究員のディーン・チェン氏も
懸念を示しており、同紙で以下のように警鐘を鳴らしている。
「露呈された文書は、中国がインド太平洋全域を監視する能力を開発している
ことを示している。開発はアメリカや韓国に狙いを定めているだけではない。
日本も懸念する必要がある。インドも懸念する必要がある。
東南アジア全域が懸念しなければならない」