★安倍外交・・「赤道上を、ほぼ40周したのに相当」

「訪れた国と地域は、差し引き80、延べでは176」「インド太平洋とクアッドの父

冷戦中、中国やパキスタンと関係を深めた米国。。

旧ソ連との関係を深めたインド。。冷え込んだ米印関係

そのインドに手を差し伸べたのが安倍元首相。。

ちなみに。。プーチンさんが「感情を文章にして表すのは異例だそうです。。

 

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●香港では弔問の列。。ベトナムでも人気があった阿部さん。。

●インド・・国を挙げて一日中喪に服す

●中国 ・・台湾問題に干渉したのは絶対に許せない

●台湾 ・・永遠の良き友人。安倍元首相は台湾訪問を承諾したばかりだった。

●米国 ・・歴代米大統領はこぞって安倍元首相の死を悼む

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https://news.yahoo.co.jp/articles/9788ccc9a21274a8c510efb825ae1db59aff5ef7

中国の覇権を止められる政治家はほかにいない…

安倍元首相の死で、インドは国を挙げて一日中喪に服した

7-14 プレジデントオンライン  記事抜粋

安倍晋三元首相の逝去で、インドはいち早く全土で喪に服すことを宣言した。

ロンドン在住ジャーナリストの木村正人さんは

「安倍元首相は『インド太平洋』という戦略概念を提唱し、

ンドの地政学的可能性を世界に広めた。

インドでは『インド太平洋とクアッドの父』と呼ばれ、その功績が絶賛されている」

という――。

街頭演説中、男に射殺された安倍晋三元首相(享年67)は「地球儀を俯瞰する外交」を掲げ、

米国第一主義のドナルド・トランプ前米大統領や今年ウクライナに侵攻して世界中を

震撼させたウラジーミル・プーチン露大統領とも良好な関係を築いた。

中国、韓国との関係は改善できなかったが、地域の安全保障に貢献し

「インド太平洋と日米豪印4カ国(クアッド)の父」とアジアを中心にその死を惜しむ声が

広がっている。  

ナレンドラ・モディ印首相は

傑出した日本の指導者、比較できないグローバルな政治家、印日友好関係の

偉大なチャンピオンである安倍晋三氏はわれわれの世界からいなくなってしまった。

日本そして世界は偉大なビジョンを失い、私は親愛なる友人を失った

と安倍元首相の死を嘆いた。インドは国を挙げて一日中、喪に服した。

「安倍元首相との話し合いは知的刺激に満ちていた。

新鮮なアイデアに満ち、ガバナンス、経済、文化、外交政策その他さまざまな課題に関し

貴重な見解を持っていた。クアッド、東南アジア諸国連合(ASEAN)主導のフォーラム、

インド太平洋構想、アフリカを含めたインド太平洋での印日協力、

災害に強いインフラ連合などすべて安倍元首相の貢献によるものだ」

筆者にもベトナム人記者から「訃報に接し、とても悲しい。あなたの国に哀悼の意を表する。

彼はベトナムでとても人気があった」と追悼のメッセージが送られてきた。

香港から逃れてきた女性ジャーナリストは

「在英日本大使館で記帳してきた。香港では弔問の列ができた」と話し、

台湾の女性記者は「台湾にとって頼りになる政治家がいなくなった」と打ち明けた。

新型コロナウイルスの発生が中国で報告されるまで、安倍首相(当時)を乗せた政府専用機の

飛行距離は158万1281キロメートルに達した。

「赤道上を、ほぼ40周したのに相当」し「訪れた国と地域は、差し引き80、延べでは176

にのぼったと首相のスピーチライターだった元内閣官房参与、谷口智彦氏は著書

『誰も書かなかった安倍晋三』の中で明かしている。

 靖国神社参拝や、森友学園への国有地売却を巡る公文書改竄、加計学園、

「桜を見る会」問題など「政権私物化」の批判もあった。

しかしロナルド・レーガン氏と「ロン・ヤス」を構築した故・中曽根康弘氏、

エルビス・プレスリーの『ラブ・ミー・テンダー』を歌ってジョージ・W・ブッシュ氏

の心をわしづかみにした小泉純一郎氏を凌駕する外交力は驚嘆に値する。

安倍元首相は第1次政権下の07年、インド国会で「二つの海の交わり」と題して演説し、

インド太平洋という戦略概念を早くも提唱している。

冷戦中、米国は中国やパキスタンと、インドは旧ソ連との関係を深め、米印関係は冷え込んだ。

両国間には地政学上、根強い不信感が横たわっていた。  

私たちは今、歴史的、地理的にどんな場所に立っているのだろうか

それは『二つの海の交わり』が生まれつつある時と、ところに他ならない。

太平洋とインド洋は今や自由の海、繁栄の海として一つのダイナミックな結合をもたらしている。

従来の地理的境界を突き破る『拡大アジア』が明瞭な形を現しつつある」

と安倍元首相はインドに手を差し伸べた

安倍元首相の提唱する「インド太平洋」の戦略概念は当初「あいまいで分かりにくい」

とあまり重視されなかった。しかし中国は軍事的に拡大し、南シナ海や東シナ海で

領土的な野心をあからさまにしだした。

「インド太平洋」はオーストラリアやバラク・オバマ米大統領時代に

「アジア回帰政策」を打ち出した米国を巻き込んでいく。

インドの英字経済紙エコノミック・タイムズは

「安倍晋三がインドにとって特別な存在であり続ける理由」という追悼記事の中で

「安倍元首相は普通の政治家ではない。日本が21世紀の経済大国としてだけでなく、

インド太平洋地域の地政学的課題に貢献できる国として発展するためのビジョンを

育んできた稀有(けう)な政治家であった」と絶賛している。  

印英字紙フィナンシャル・エクスプレスは

「インド太平洋とクアッドの父」とその功績を称え、

「安倍首相(当時)の下、日本とインドは初めて防衛・外交の2+2閣僚対話を行い、

海洋安全保障、クアッド、インフラ分野での連携が強化された。

インド太平洋においてインドは中国の覇権とバランスをとるための

重要なプレーヤーとして認識された」と指摘した。

中国の反応はインドとは鮮やかなコントラストを成す。

中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際紙、環球時報(英語版)は

「日中間の100年にわたる確執から中国のネットユーザーが安倍元首相の死について

深い悲しみを感じることを期待するのは無理だ。

インドのように一日中、国を挙げて喪に服すことを発表したり、

米国のように半旗で『悲しみ』を表現したりするのを中国に求めてもどうしようもない」

と記す。  

「20世紀前半に中国人が日本の侵略者に殺され、いじめられ、弾圧されたという

悲痛な歴史や、米国に追随して中国を封じ込め、第2次大戦中の日本の残虐行為と

軍国主義を象徴する悪名高きA級戦犯を祀(まつ)る靖国神社を頻繁に訪れる

安倍元首相の態度に対する自然で率直な反応だ。

台湾問題に干渉したのは絶対に許せない。中国国民も許せない」というのである。

ちなみに。。靖国参拝を韓中が問題視しだしたきっかけは朝日新聞だと。。記事にあった

環球時報は別の記事で

「もし将来、日本が憲法を改正すれば、平和主義憲法の制約を取り払い、

海外での戦争に参加し、攻撃的な北大西洋条約機構(NATO)に加盟して、

軍事大国の道を目指すことになる。日本、アジア太平洋地域、さらには世界にとって

非常に有害だと中国の日本ウオッチャーは警告を発している」との危惧を示した。

台湾の蔡英文総統は日本台湾交流協会台北事務所を弔問に訪れ、

安倍元首相は台湾の永遠の良き友人」と遺影に献花した。

「安倍元首相がかつてピアノで弾いた東日本大震災の復興支援曲『花は咲く』が、

困難に立ち向かい、支え合って生きていこうとする気持ちを描いているように、

台湾と日本も努力を続け、もっと多くの花を咲かせていきたい」とツイートした。  

安倍元首相は台湾訪問を承諾したばかりだったという。

蔡総統は「これらは安倍元首相と台湾の交流がどれほど密接だったかを示している。

突然の悲報にみんなが悲しみ、惜しんでいる。

安倍元首相の台日関係への貢献に感謝し、台湾と日本は今後も手を取り合って協力し、

自由で開かれたインド太平洋地域をともに築いていく」と強調した。

ジョー・バイデン米大統領は駐米日本大使公邸を訪れ、

世界にとっての損失。平和と良識の人だった」と記帳した。

「副大統領として東京に彼を訪ね、ワシントンに彼を迎え入れた。

日米同盟と日米国民の友好を唱えた人だった。

自由で開かれたインド太平洋という彼のビジョンは今後も受け継がれる」との声明を発表した。

プーチン氏は安倍元首相の遺族にあてた弔電で

「安倍元首相は傑出した政治家で、両国の良き隣人関係の発展に多くの功績を残した。

この重く、取り返しのつかない損失に直面しているご家族の強さを祈ります」と伝えた。

プーチン氏はウクライナ侵攻で敵対する西側との数少ない対話チャネルの一つを失った

 1990年代の金融バブル崩壊を予見した日本ウオッチャーとして知られる

元英誌エコノミスト編集長でシンクタンク、国際戦略研究所(IISS)理事長の

ビル・エモット氏は筆者の取材にこう答える。

 

 「安倍元首相の遺産は経済や社会の改革よりも外交や防衛政策の方が

圧倒的に多いと私は考えている。安倍政権はインド太平洋全域において

民主党の前任者や自民党の歴代首相よりも明確で、より断固としていて一貫した、

そして何よりも積極的な日本の姿勢と評判を作り上げた。

何よりも安倍氏の精力的な外交と長きにわたる任期によって、

より前向きな姿勢が作り出された。彼の外交・防衛政策こそ後世に残るものであり、

新しい時代の幕開けと見なされるだろう」と評価する。