https://news.yahoo.co.jp/articles/671deff3f2ac6b89c59dba67f66d9bad6be79284

韓国与党「文政権の国防政策は白紙化」、

国家安保室「北には言葉ではなく行動」

朝鮮日報

相次ぐミサイル発射など北朝鮮による最近の武力示威を受けて韓国の与党、政府、

大統領室は8日に新政府発足後初めての党・政府・大統領室による協議会を開催し

挑発には強く対応する」と明言した。

協議会で党・政府・大統領室は「韓国型3軸体系の強化」「国防計画2.0の完全白紙化」

韓米日軍事協力の強化」「精神戦力強化」など安全保障政策の方針を提示し、

前任の文在寅(ムン・ジェイン)前政権による対北朝鮮融和策を全面的に見直すこと

も明らかにした。今回の協議会は北朝鮮による7回目の核実験の兆候が捕捉されるなど、

北朝鮮による挑発のレベルが高まる状況を考慮して開催されたという。

韓国与党・国民の力の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は協議会の冒頭

これ以上北朝鮮に一方的に引きずられることはないだろう」とした上で

「強力な韓米同盟、そして国際社会との協力に基づき挑発に対しては強く対応するが、

人道主義的な支援と対話は続けることがわれわれの対北朝鮮政策の基調だ」と説明。

韓国大統領室国家安保室のシン・インホ第2次長は

「ユン政府の国家安保室は口ではなく行動で示すだろう」と述べた。

2日前にユン大統領は顕忠日(6月6日、国のために殉じた人々を追悼する日)の演説で

北朝鮮によるいかなる挑発にも断固かつ厳正に対処するだろう」と述べたが、

この強硬姿勢の基調を改めて確認した形だ。

韓国国防部(省に相当)と国家安保室は具体的な「行動」計画として

韓国型「3軸体系」の強化を提示した。

3軸体系とは

北朝鮮による核・ミサイル攻撃を探知した際に先制攻撃で無力化する「キル・チェーン」、

飛来する北朝鮮ミサイルを迎撃する「韓国型ミサイル防衛システム(KAMD)」、

北朝鮮の指揮部を焦土化する「大量反撃報復(KMPR)」からなる戦力増強計画だ。

ムン前政権はこの3軸体系の名称を「戦略的打撃体系」に変更したが、

これも北朝鮮を刺激するとの理由で可能な限り言及はしなかった

韓国国防部の李鐘燮(イ・ジョンソプ)長官は「わが軍の韓国型3軸体系もより強化していく」

と述べ、シン第2次長は「北朝鮮の核をわれわれが頭に乗せて生きていくわけにはいかない。

3軸体系を中心に北朝鮮の核とミサイルを実質的に無力化できる対策を任期中に講究していきたい」

との考えを示した。

元陸軍三つ星将軍で国民の力のハン・ギホ事務総長はムン前政権が進めた「国防計画2.0」

破棄を要求した。国防計画2.0は「韓国軍の構造改変」「先端戦力の確保」

兵士の服務期間短縮」「女軍の比重拡大」「代替服務制の導入

「兵士のスマートフォン使用拡大」などを骨子とするムン政府の国防計画だ。

ハン事務総長は「過去5年間に推進された国防計画2.0は国防喪失計画と言わざるを得ない

「国防部は国防計画2.0を完全に白紙化し、新たな形で出発しなければならない」

「韓米同盟についても韓米日軍事協力関係を強化し、再検討しながら

中国とロシアが北朝鮮の状況を効率的に管理できるようにしなければならない」

との考えを示した。  

協議会に出席した国民の力所属議員らは国防部に対し「精神戦力強化」も求めたという。

権・院内代表は非公開の会議後、記者団の取材に

「過去5年間の精神戦力増強に向けた国防部の努力が不十分で軍紀が緩んだというのが

国防専門家たちの評価だ。国防部もこの点を受け入れ、今幹部を対象に精神戦力強化を始めた。

兵士らを対象とする精神戦力強化策も準備中だ」と明らかにした。

権・院内代表はさらに「主敵が北朝鮮であることは当然という教育を行うと思う」と明言した。

かつてムン政府は2018年と2020年に発行した国防白書では北朝鮮を敵とする文言が削除された。

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