●地質学者
「崩壊原因は複合的。谷を埋めた。埋めただけではあまり問題はなかった。
そこに廃棄物を入れた。それから水の流路を変えてしまった」
「盛り土付近の造成で尾根が削られたことにより、
逢初川の集水域よりさらに北部にある、鳴沢川の集水域
約20万平方メートルに降った雨も、盛り土側に流れ込んだ」と分析
「造成で尾根を平らにした。人為的な河川争奪だ。意図的にやったのか、
知らずにやったのかは分からない。盛り土の土の隙間に水がたまり、
地下水も入り込んで浮力が働いて滑り落ちた」と説明
「盛り土が崩落したのは、周辺の宅地開発で尾根が削られて
水の流れが変わり、従来の範囲よりも広い地域から大量の雨水が
盛り土一帯に流れ込んだため」
・盛り土周辺には太陽光発電施設があり、設置工事によって
水の通り道ができ、雨水が盛り土に流れ込んだ可能性も指摘
●県
「(盛り土の)排水機能が適切であれば、降水量の少ない時間帯に
盛り土の中の水を排出できていた」
https://news.yahoo.co.jp/articles/ac3664b5f7d036fdef80277c988e6715f0ea9eef
熱海土石流、行政責任検証へ 盛り土届け出の手続きなど
毎日新聞 7-10
静岡県熱海市伊豆山(いずさん)の土石流災害は、発生現場付近で
崩落した盛り土の造成の経緯が注目されている。
県は今後、県と熱海市の行政責任も含めて検証する。
原因究明の中心になっている難波喬司副知事は
「川勝平太知事と斉藤栄・熱海市長は一切、隠すなという方針。
結果、行政の責任を問われる可能性もあるがやりたい」
と語る。
検証の中立性に疑念を持たれないように第三者に意見を求めることも
検討する。
県によると、盛り土は土地を当時所有した業者が
2009年、熱海市に約3万6600立方メートル、高さ15メートルの計画を
届け出た。だが、20年に計測で、約5万4000立方メートル、高さ約50メートル
まで大幅に増えていた。
県は盛り土を増やす際、行政への届け出の手続きが適正だったのか
を調査する。
今回の大雨で盛り土に約2万立方メートルの雨水が流入したと分析。
難波副知事は「排水が適切でなく、盛り土に水がたまりすぎた」
と推定する。
元国土交通省技術総括審議官の難波副知事は、名古屋大大学院で
土木工学を専攻した土木技術者だ。修士論文のテーマは
「降雨時の斜面安定の不確実性」で、崩落した盛り土とも関連する。
・
熱海市内は7月1~3日、降水量が少ない時間帯もあった。
県は、排水機能が適切であれば、降水量の少ない時間帯に
盛り土の中の水を排出できていたとみる。
盛り土はほとんど崩れ落ち、実際に十分な排水設備があったのかは
不明だ。
このため、県はトラックによる土砂搬入や盛り土の様子を撮影した
映像・写真の公募を開始。
2005年以前は土地の改変がなかったことを確認できたため、
05年以降の撮影データの提供を求めている。
盛り土の施工業者や作業員にも情報提供を呼びかけている。
データを集め、現在の土地の所有者や盛り土を届け出た当時の
業者ら関係者への聞き取り調査も検討。
原因究明を進めれば今後、県と市が適切な行政指導をしていたのか
も問われる。
刑事事件に発展する場合もある。
難波副知事は「警察はまだ先の話。まず行政として事実を洗い出す」
と明言した。
【山田英之、佐々木彩夏】
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https://news.yahoo.co.jp/articles/8e68f88e76fb1badbdcbf5ad95f262141eea6ec7
盛り土崩落、宅地開発影響か
現地調査の地質学者 副知事は否定・熱海土石流
時事通信 7-9
静岡県熱海市伊豆山地区の土石流災害で、現地調査した
地質学者の塩坂邦雄氏が9日、県庁で記者会見し、
盛り土が崩落したのは、周辺の宅地開発で尾根が削られて
水の流れが変わり、従来の範囲よりも広い地域から大量の雨水が
盛り土一帯に流れ込んだためとの見方を示した。
これに対し、難波喬司副知事は
「そんなに広い地域の水が集まっていれば大洪水になっているはずだ」
として塩坂氏の見解を否定した。
塩坂氏は「宅地開発業者が意図的に水の流れを変えたのか、
そうでないかは分からない」と述べた。
・
塩坂氏は土石流発生後にドローンなどで現地を調査した。
従来は盛り土の上にある約4万平方メートルの地域から雨水が
流れ込んでいたが、流れが変わったことで約20万平方メートルの地域
から数年かけて水が集まった。
このため、盛り土に大量の水がたまって地盤が滑りやすくなり、
今回の大雨が崩落の引き金になったと分析している。
盛り土周辺には太陽光発電施設があり、設置工事によって
水の通り道ができ、雨水が盛り土に流れ込んだ可能性も指摘した。
・
現地で崩落せずに残った盛り土は約3万立方メートル程度とみており、
目視ではコンクリートの破片などが含まれていたという。
難波副知事は9日の記者会見で、1日から降り続いた雨水がたまって
盛り土が崩落し、土石流につながったとの見方を示した。
山の斜面は固い地盤で、土はほとんど削られていなかった。
盛り土には適切な排水設備がなかった可能性が高いという。
崩落した盛り土の量が、工事申請時に開発業者が届け出た1.5倍に
及んだことについて、難波副知事は
「われわれが何をチェックしていたのか問われる」と述べた。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/32a734bdc1d411417f4bbedcc213c06e3cd6a957
https://news.yahoo.co.jp/articles/81ff81e3ea4bdabad5d80fadecebd7b4a3059356
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbf4983dcbf3e9dfced15beea766f4c5e7822798
地質学者 塩坂邦雄氏
「崩壊原因は複合的。谷を埋めた。埋めただけではあまり問題はなかった。
そこに廃棄物を入れた。それから水の流路を変えてしまった」