●「中国人ではなく、中国にシンパシーを抱く日本人が協力者に
なっているケースもある」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd04a2c4418dc179aab9eb5cecc639bdbe27246f
あなたの隣の中国スパイ、マッサージ師も観光客も
・
中国のハッカー集団による日本に対する大規模なサイバー攻撃に
使われたレンタルサーバーを契約していたとして、警視庁が
中国籍の元留学生を任意聴取していたことが4月20日に明らかになった。
これは氷山の一角にすぎない。留学生のみならず、勤労者から観光客まで、
中国諜報(ちょうほう)当局の協力者は日本社会に深く浸透している。
・
元留学生は、中国軍のサイバー諜報部隊「61419部隊」に所属する
男性隊員の妻から指示を受けていたとみられる。元留学生の名義で借りたサーバーを使ったハッカー集団は、61419部隊の指揮下にあった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)や三菱電機 、慶応大学 など広範囲に
サイバー攻撃を仕掛け、国力の向上につながる航空宇宙、防衛、ハイテク
などに関する情報をあさっていた。
「国家に貢献すべきだ」。
元留学生はそんな殺し文句で協力を求められたと、任意聴取で供述した。
中国当局は国家への忠誠心を問うたり、愛国心をくすぐったりして
自国民を取り込み、日本社会の隅々に配置している。
情報セキュリティー会社、サイバーディフェンス研究所の
名和利男上級分析官は、
「日本と価値観を共有しない(中国などの)国々は、留学生、会社員、観光客などを協力者にして、我が国に不利益をもたらしている」と訴える。
・
中国当局が協力者を使って拡大したスパイ網は風俗店 にも及んでいる。
ある情報セキュリティー専門家は、
「マッサージ師にノートパソコンのデータを狙われた」と明かす。
中国当局が中国出身の風俗店店員をリクルートしているとの情報に基づき、
知人と実地調査していたときのことだという。
あるマッサージ店に知人が客を装って入店。出てきてから、
かばんに入れていたノートパソコンを調べると、データを抜き取ろうとした
形跡が見つかった。客がシャワーを浴びている間に、部屋に残された
ノートパソコンから風俗店店員がデータを盗む手法が広く定着している
ことを物語る。
・
愛国心が薄く、中国当局に非協力的な場合には、脅してくることもある。
中国に残る親族の自宅を公安当局者が訪ね、日本にいる子供や兄弟に
電話をかけさせるのがお決まりの手口だ。
日本に長期滞在するウイグル族の男性は、
「(中国西部の)新疆ウイグル自治区 に残した親から電話がかかってきて、
日本にいるウイグル族の仲間をスパイし、定期的に報告するよう
公安当局者から要請された」と告白する。
国際社会で人権問題にもなっているウイグル族に対する
中国当局の苛烈な監視は、日本にも及んでいるわけだ。
・
もちろん日本にいる大半の中国人は諜報活動に加担しておらず、
偏見の目で見るのは間違っている。
中国が国家情報法で「いかなる組織または個人も国の諜報活動に
協力しなければならない」と定めていたとしても、
日本にいる中国人が協力を拒めないわけではない。
実際ウイグル族の男性も、最終的にスパイ行為を拒否した。
逆に「中国人ではなく、中国にシンパシーを抱く日本人が協力者
になっているケースもある」と、日本の治安当局者は嘆く。
中国当局は日本人も中国人もリクルートし、スパイ網を拡大している。
・
日本政府は2014年に国家機密を漏らした人に厳罰を科す、
特定秘密保護法を施行した。
現行制度で日本国内で活発化する中国の諜報活動に十分に
対処できているのか、議論すべき時期に差し掛かっているのかもしれない。
諜報活動への対処を強化すれば国が国民から不都合な情報を隠す手段
として制度を悪用する恐れもあるだけに、国民の「知る権利 」を損なわない
形での議論が求められるのは言うまでもない。
吉野 次郎