https://www.sankei.com/politics/news/200526/plt2005260001-n1.html

支持低迷の立憲民主 コロナ禍で見えた「3つの不徳」

立憲民主党の支持率が低迷している。産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の

合同世論調査では4月時点で3・7%、5月も5・9%にとどまっている。

コロナ禍であらわになった立憲幹部の「3つの不徳」を指摘したい。

 不徳の第1は「傲慢さ」だ。

上から目線と言い換えてもいい。

端的な一幕は5月11日の参院予算委員会だ。

 「私が言っていることについて答えてください」

 「全く答えていただけませんでした。残念です」

 コロナ問題をめぐり、福山哲郎幹事長が政府諮問委員会の尾身茂会長に

恫喝まがいの言葉を浴びせた一件はネット上で大炎上した。

 立民幹部は、一斉休校や布マスク配布に際して

「首相官邸が専門家の意見も聞かずに決めた」と批判していたはず。

自分たちが専門家の誠実な答弁に耳を貸さず、怒声を浴びせる姿は

傲慢で言行不一致だ。

福山氏は謝罪したものの、蓮舫参院幹事長はその後も、福山氏を擁護するツイートを引用して

投稿し続けた。

 傲慢で攻撃的な態度が政府・与党側だけに向けられたものであれば、まだ理解できなくもない。

しかし、「身内」相手にも、上から目線の態度が目立つ。破談に終わった

国民民主党との合併協議で、枝野幸男代表や福山氏は「何か勘違いしているのではないか」「何を言っているのか分からない」など、

公の場で国民の玉木雄一郎代表を軽んじるような発言を繰り返していた。

 そんな立民も、コロナ禍に際しては政調を中心に、政府・与党と協調し、家賃補助や学生支援など、

苦しむ人々の救済に動いている。国民のための与野党を超えた協調は歓迎すべきことだが、

立民幹部の発信には疑義がある。

不徳の第2は「手柄の横取り」だ。

「私たちは2月から緊急事態の宣言を求めてきました」

 枝野氏は政府による緊急事態宣言の発令を受け、4月6日にそうツイッターに投稿した。先見の明を誇ったようだが、枝野氏は3月4日には

「現状は緊急事態宣言の要件を満たした状況ではない」

安易な緊急事態宣言は避ける必要がある」と記者団に語っている。

 実は、2月時点から宣言発令を主張していたのは国民民主だ

玉木氏は2月22日の党大会で

「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を発し、

できることを全てやり切るべきだ」と語っている。
全国民への一律10万円の現金給付も、国民民主が各党に先駆けて提唱した

政策。野党統一会派の提言にも採用されたが、もともと立民は冷淡だった。

ところが、政府が10万円支給にかじを切った途端、幹部らは

「私たちは一貫して10万円」(枝野氏)、

「野党がずっと主張してきた」(福山氏)と誇った。

「野党」や「私たち」が統一会派を指すとすれば嘘ではない。しかし、さんざん玉木氏らを軽んじながら、成果だけは一緒にいただこうという姿は見ていていい気分がしない。

「人のふんどしで相撲を取る」やり方は、今に始まったことではない。

「桜を見る会」問題を掘り起こしたのは共産党だ。

検察官の定年延長に関する一連の問題に火がついたのも

立民ではどこか浮いた存在だった山尾志桜里衆院議員の質疑がきっかけだった。

その山尾氏は「(党の)風通しが悪い」と言い残して離党している。

 そんな状況では支持率低下も無理はないと思うが、

ここに第3の不徳「責任は人に押し付ける」が加わる。

高井崇志衆院議員は緊急事態宣言の最中に「セクシーキャバクラ」で遊興し、立民を除籍となった。4月21日の記者会見で、支持率低下の理由を問われた

福山氏は「高井議員の不祥事が原因と考えている」と言ってのけた。

立民にかかわる人すべてがそうだとは言わないが

「傲慢で、人の手柄を取り、責任は押し付ける」というスタイルでは、

人の心は離れていく一方ではないだろうか。