じぇじゅんも出た「脱力タイムズ」。。関係者の話が面白かった。。

https://dogatch.jp/news/cx/62525/detail/

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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191220-00020857-bunshun-ent&p=4  

 

木村拓哉に「納得できません」と物申したADが有田哲平と『脱力タイムズ』を作るまで

 

記事抜粋

アンタッチャブルの10年ぶり復活も話題になった『全力!脱力タイムズ』。この番組を立ち上げ、

制作総監督を務める名城ラリータさんは、これまでに『笑っていいとも!』『SMAP ×SMAP

などの人気番組にも携わってきました。

 

――名城さんは最初からバラエティ志望だったんですか?

名城 いや、じつは違うんです。ドラマが作りたくてこの業界に入りました。だけど最初にADとして配属されたのがバラエティ番組で。今はなき『笑っていいとも!』(以下『いいとも』)。そこでバラエティ番組の凄さを感じて。それからはずっとバラエティ番組一筋です。

――以前、 文春オンラインに登場いただいた片岡飛鳥さん も『いいとも』スタッフを経て、『めちゃ×2イケてるッ!』を作っていますよね。他にも多くの人気バラエティ番組を立ち上げた敏腕スタッフはみなさん『いいとも』出身です。

名城 まさにバラエティディレクターたちの源泉でした。『いいとも』って生放送ならではの、自由度が高い番組でもあって、「来週の水曜、この8分間埋まんねぇな」みたいなことを話して、「これどう?」「やってみましょう」ってすぐ企画が実現しちゃう番組だったんです。

 僕も、番組制作の基礎から企画をすぐ形にする瞬発力まで勉強させてもらいました。いま、テレビ業界にいる新人にそういう環境がないのは勿体ないですよね。


僕は日本大学芸術学部の出身で、大学時代から番組作りを勉強していたんです。だから、なんとなく「番組作り」っていうものを知っている気になっていたんです。だけど実際に『いいとも』に参加したら何もかも新鮮で楽しくて仕方なかったんです。特にタモリさんには色々教えてもらいました。

 

――ディレクター時代にもタモリさんに教えてもらったことは?

名城 タモリさんは基本何も言わないんです。だけど、僕が『いいとも』のディレクターを担当することになって、嬉しくて嬉しくて。めっちゃくちゃに張り切ってタモリさんとの最初の打ち合わせで企画を熱弁したことがあったんです。

 そしたらタモリさんが「ラリータ、そんなんいらない。そんな熱い気持ちはダメだ。もう帰れ」と言われたことがあって。あんなに熱弁したことがすごく恥ずかしくて。

――「熱いのはダメ」?

名城 そうなんです。熱意でなんとかしようとするのはディレクターのすることではないと。

きちんと冷静に物事を見極めて、その上で面白いことを考えるのがディレクターの正しい姿なんだというのを教えてもらいました。

 

――そしてその後は『SMAP ×SMAP』(以下『スマスマ』)へ。

名城 『いいとも』で2年間ADをやらせてもらった後に、異動になりまして。その後2年半ぐらいADをしていましたね。そこからディレクターとして
木村拓哉 さんと一緒に「ホストマンブルース」(※木村拓哉扮するNo.1ホスト・ヒカルと、稲垣吾郎 扮するNo.2ホスト・優雅のストーリー)とかを作っていました。あと、これは思い出しても笑っちゃうくらいおかしな企画なんですけど、当時人気だった「あいのり」のパロディー「くいのり」。動物たちがラブワゴンに乗って恋愛するんですけど、木村さん演じるライオンが結局のところ、草食動物を食べてしまうっていうコントコーナーもありましたね。

――名城さんが木村さん担当のディレクターになったのは、木村さんからのオファーだったと聞きました。すごいですよね。

名城 いや、ありがとうございます(笑)。確かに木村さんが僕をディレクターにしてくれたのは

間違いないんですが、そのきっかけは本当にいま思い出しても震えが止まらないほど怖い話で……。

 

名城 僕がまだADだったときに、当時高校生だったプロゴルファーの宮里藍さんと木村さんがゴルフ勝負することになったんです。僕も撮影に参加していたんですが、木村さんが途中から本気で勝負しだしたんです。相手はプロゴルファーとは言え、まだ高校生なんですよ? なのに木村さんは良いショットが出ると「イエーイ!」ってすごく喜んでいて。
その姿を見ていて、「なんて大人気ないんだ」と、無性に腹が立ってしまったんです。

それで、木村さんが楽屋に休憩で戻ってきた時に言っちゃったんですよね。

「木村さん。勝とうとしていませんか? 僕は納得できません」と。

 

そしたら、2週間後ぐらいに木村さんが「あいつとやりたい」と言ってくれて、それをきっかけにその後ディレクターにさせてもらいました。

 

――名城さんが物申した時の木村さんのリアクションって……。

名城 それが笑ってたんですよ。「でも勝負だからな~」とか言って。全然怒らなかった。

それを思い返すと余計に怖くて。しかもその後「ラリータとやりたい」って。

 

下っ端のくせに物申したのが面白かったんでしょうね。それからは木村さんと、

放送作家の鈴木おさむさんの3人で色んなことを話して、煮詰めて、企画を作っていました。

 

 生意気なことを言った僕にさえ怒らない木村さんが、“木村拓哉”という存在に対して一番厳しかった。企画を考えているときも、「木村拓哉という存在の見え方をちゃんと考えられているか」「これを見て本当にファンは喜んでくれるのか」はよく言われましたね。

 

――「バラエティ番組」一筋の名城さんが思う、“優秀なディレクター”ってなんでしょうか?

名城 現在進行中で模索していますが、タモリさんや木村さん、そして有田(哲平)さんなど

これまで色んな方々と仕事をさせてもらって感じたのは、面白さとタレントの理想を両立させられるのがディレクターの力量だと思います。

 あと、僕には明確に「この人!」というテレビマンの師匠はいませんけど、面白い番組の

ディレクターたちはみんな“自分が一番面白がってる”んです。それってすごくかっこいい。

打ち合わせからゲラゲラ笑って、誰よりも楽しみながら番組作ってるディレクターでいたいですね。

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なしろ・らりーた/1976年生まれ。日本大学芸術学部卒。2000年フジクリエイティブコーポレーション入社。フジテレビバラエティ第二制作部に配属。『笑っていいとも!』のADを務める。その後『SMAP ×SMAP』に関わり、当番組でディレクターデビュー。『全力!脱力タイムズ』を立ち上げ。現在は『冗談騎士』、『有田Pおもてなす』を手がけている。